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スクール特集(正則高等学校の特色のある教育 #6)

部員同士で高め合い、個々の目標達成を目指す「サイクリング部」

「本来の学校らしさ」を大切にし、学業はもとより、行事や部活動にも積極的に取り組む生徒を育てている正則高等学校。今回は「サイクリング部」を取り上げ、部員たちの活動の様子を紹介する。

ロードレースを中心に活動。唯一の女子部員が全日本選手権出場へ

同校には、高校のクラブとしては少数の部類に入る「サイクリング部」があり、7月現在、18名の部員が所属している。活動内容や目標などについて、副顧問の齋藤貞昭先生と部長のMさん(高3)、副部長で唯一の女子部員であるTさん(高3)に話を聞いた。

サイクリング部の歴史は40年以上前に遡る。「創部した当初は、合宿して山岳をサイクリングするなど、主にツーリングを楽しむクラブでした。『サイクリング部』という名称はそのまま残っていますが、現在はロードレースを中心に活動をしています」と齋藤先生は説明する。

クラブの活動日は、木、金、土、日曜の週4日。平日は学校の屋上で、ローラー台を使った練習や筋トレ、ランニングなどを行い、土曜は荒川サイクリングロードへ、日曜も郊外の山などへ行き走行練習をしている。「レースに向けてトレーニングをするのですが、レースも距離が長いもの、短いもの、道も上り坂が多い、ほぼ平坦というようにさまざまで、部員は自分の得意分野に合わせて出場を決めます。レース前のミーティングでは、必ず『評価と課題』というものを提出させ、それをもとに部員と話し合いをしながら練習のメニューを組み立てていきます」

例年、多くの部員が参加するのが4月に行われる「チャレンジサイクルロードレース」だ。今年は4月9日に、静岡県伊豆市の「日本サイクルスポーツセンター(CSC)」で開催された。レースのカテゴリーは年齢と性別で分かれており、同校からはMU17部門(2006年・2007年生まれの男子/19㎞)に1名、唯一の女子部員のTさんはWJ部門(2004~2009年生まれの女子/24㎞)に、そして、100名を遥かに上回る参加者が集まるMJ部門(2004年・2005年生まれの男子/39㎞)は部長のMさんを含む3年生4名、2年生7名がエントリーした。

今年度の「チャレンジサイクルロードレース」は3年ぶりの開催となり、いつも以上に強い選手が集まったという。同校の部員たちも、月間600㎞、3学期期末テスト終了後から大会当日まで1200㎞を走破してきた。Mさんは2000㎞に迫る走行距離を積み上げてきたそうだ。結果はMU17、MJ部門とも全員がタイムアウトになってしまったが、WJ部門のTさんは8位に入賞し、全日本選手権出場権利を獲得した。「女子のエントリー数は少なく、制限時間は守り切れたけれど、最後は一人で走っていたので実感が湧きませんでした」とTさんはその時のことを振り返る。

その後、Tさんは6月に京都で行われた「ジュニア全日本自転車競技選手権大会ロードレース」に出場。結果は出せなかったが、良い思い出を作ることができたと言う。また、部長のMさんは5月に茨城県ひたちなか市で開催された高石杯「関東地域自転車道路競技大会」の高校男子(63.7㎞)の部に一人で出場した。「高石杯も全日本の大会の参加資格がもらえるレースです。本人は『チャレンジサイクルロードレース」で実力を発揮できなかった心残りがあったのかもしれませんね。その時よりも確実にいいレースをしていました」と齋藤先生。

そして、7月に茨城県下妻市で行われた「ツール・ド・ニッポン」の耐久レースの出場を最後に、3年生は部活動を引退した。

▶︎写真左より:齋藤貞昭先生、Mさん、Tさん

サイクリング部の部員にインタビュー

Mさん(高校3年生)サイクリング部 部長
Tさん(高校3年生)サイクリング部 副部長

――サイクリング部に入部した理由は?

Mさん 小さい頃からクロスバイクに乗って、いろいろなところに走りに行くのが好きでした。中3の時にロードバイクを買ってもらい、高校は自転車の部活があって、レースにも参加している学校に行こうとこの学校を選びました。

Tさん 中学生の時にロードバイクに試乗する機会があって、面白いなぁと思ったのが自転車との最初の出会いです。中2、中3で正則の文化祭を見に行き、そこにはサイクリング部の紹介コーナーもあって、齋藤先生とも話をしました。入学して部活を選ぶ時、どうしてもサイクリング部に女子部員がいないことに抵抗があり、また、私はダンスも好きなので、どちらにするか悩みました。でも、仮入部でサイクリング部の練習を体験し、先輩たちの優しい人柄に触れ、女子一人でも頑張れそうだと決心がつきました。

――部活動のモチベーションは何でしょうか?

Mさん 自分は自転車が好きなので、それだけで練習を続けることができます。でも、部長という立場では自分の気持ちだけではダメなので、たとえ1人でもいろいろなレースに出場し、結果が出せなくても部活の練習には活かせるのではないかと考えました。それがサイクリング部全体のモチベーションにつながるとよいと思っています。

Tさん 周りから見れば女子一人で大変そうに思うかもしれませんが、私自身、負担もなく全力で練習に取り組むことができました。実走練習をすると、やはり男子との差が出てしまいますが、逆にそれを追いかけようと頑張れたのだと思います。他に女子部員がいなかったから女子の基準がわからず、とりあえず男子に付いていけたら速いんだろうなという感覚で、みんなを目標に追いかけ続けました。

――3年間を振り返り、辛かったことはありますか?

Mさん レースは毎回辛かったです(笑)。でも、自分は負けず嫌いというか、調子に乗りやすいところがあって、次もチャレンジしようと月1のペースでレースに出ていました。自転車は一人で自主練もでき、きついと思った時はサイクリングにシフトし、部活ではきつい練習をみんなで励まし合いながら乗り越える。そういう切り替えができたので、あまり辛さを感じなかったですね。ただ、勉強と両立をするのが大変でした(笑)。

Tさん 高2の夏ぐらいから進路のことを真剣に考えるようになり、同時に部活に対するモチベーションが落ちてきた時期がありました。齋藤先生に相談して、11月にあったレースをスキップし、12月のレースから復帰しました。一度休みをとったことで、頑張らなきゃいけないという焦りがなくなり、自分のペースを掴むことができました。

――部活動を通じて、自分が成長したと感じたことは?

Mくん 部長として、みんなをまとめたという意識はありませんが、まずは自分が先頭に立って行動するようになりました。たとえば片付けをする時も、一言「片付けるよ」と声をかけて、自分が一番に片付けを始める。そうすると、みんなも動いてくれました。それまではクラスの活動などでも、できあがった輪に入ってみんなと一緒に行動することが多かったので、部長になったことでリーダーシップが備わってきたと思います。

Tさん 1年の時は先輩からたくさんお世話をしてもらったので、2年になったら今度は自分がする側として、できることを見つけ、率先してやるようにしました。
それから、自分の成長とは異なるのですが、全日本の大会に出る前に部員の保護者から応援のメッセージをもらったり、神社で勝利祈願をしてくださった方もいました。本当に部員と部員の保護者には、感謝の気持ちでいっぱいです。

――最後に、サイクリング部と学校の魅力について教えてください。

Mさん サイクリング部は、アットホームなクラブです。上下に関係なく部員の仲が良く、その中で切磋琢磨することができます。そして正則は、部活動も熱心ですが、学業を優先する学校です。自転車を一生懸命やるには、勉強も頑張らなくてはいけないという気持ちになります。

Tさん サイクリングの魅力は、みんな自転車好きというだけで、モチベーションが上がり、目標に向けて自分たちで高め合えるところです。学校の魅力については、私は行事が好きなので、文化祭や体育祭など生徒が主体となって作り上げるのがいいなと思っています。3年間クラス替えがないので、行事を通じてクラスの絆も深まります。

学業との両立と自律を重視した部活動を目指す

Mさん、Tさんの学年は、入学直後からコロナ禍で活動ができず、また、上の先輩が早くに引退してしまい、部長、副部長になったのは、2年生の4月だという。「レースが中止になり、練習もまともにできず、さらに先輩からの引継ぎも少ない中でよくここまで部員たちを率いてきたと思います」と齋藤先生は2人を労う。

「そして、サイクリング部は、保護者の理解があって成り立っていると言っても過言ではありません。自転車競技は特殊なスポーツで、危険も多く、親御さんは心配なことだと思います。道具も決して安いものではなく、生徒には『人間ありき、エンジンのほうを鍛えなさい』とは言っているものの、子どもの希望を受け入れ、また、レースは地方で行われることが多いのですが、その都度、送迎をしてくださっています。Mくんもレースが終わった後、必ず応援に来てくれている保護者に向けて感謝を伝えています。Tさんも、みんなのサポートがあって自分が活動できていると言っていましたが、そういう感謝の気持ちを持ち続けることも大事なことですね」

現在、サイクリング部では、毎週末に自分の走った距離を、齋藤先生に報告している。なかには1週間に300㎞走った部員もいるという。また「定期テストの後は、全教科の自分の点数と平均点、そして『評価と課題』を提出させています。学生の本分は勉強なので、塾と練習日が重なった場合も塾を優先してよいと言っています。結構、そういう生徒は切り替えができ、自分が決めたことをしっかり守っています。今後もサイクリング部では、学業と両立を図り、生徒の自主性を重んじながら、それぞれの目標の達成を目指していきます」

<取材を終えて>
齋藤先生、Mさん、Tさんに取材をして、最も印象深かったのが、先生と部員、部員同士の距離の近さと信頼感だ。サイクリング部は、練習一辺倒ではなく、また、仲良しの楽しいクラブでもなく、レースに向けてストイックにトレーニングに励んでいる。部活動に求めるものはさまざまだろうが、同校のサイクリング部は、人間関係や人として大切な力を築き、理想に近い形なのではないかと思った。

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