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スクール特集(正則高等学校の特色のある教育 #5)

使うために学び、使ってもっと学びたくなる「正則の英語教育」

正則高等学校では、生徒全員に英語を使う機会をつくり、使うことでさらに学びたくなる授業を展開。授業内容やオンライン英会話について取材した。

正則高等学校では、「特進クラス」を設置せず、すべての生徒に総合的学力と進学に向けた学力をつけることを目指す。生徒全員に英語を使う機会をつくり、使うことでさらに学びたくなる授業を展開している英語教育について、英語科主任の福島崇先生(サッカー部顧問)に話を聞いた。

教科書から表現活動へと発展

同校では、「特進クラス」を設置していない。教科書を丁寧に使って、全員が伸びるように様々な工夫がされている。英語の授業では、すべての単元で英語での表現活動(発表、レポート作成、ディベート等のアウトプット活動)をゴールに設定していると、福島先生は説明する。

「『多読』という言葉がありますが、『多書(たくさん書く)』や『多話(たくさん話す)』を授業の中で、全員が取り組んでいきます。暗記ではなく、生きた英語活動をすることが大事なのです。例えばある単元では、漫画家のヤマザキマリさんが美術を学ぶために、イタリアへ行くきっかけとなった手紙が紹介されています。その単元を学んだあとには、生徒たち自身でイタリアに来ないかと誘う手紙を書きました。イタリアに誘う手紙なので、挨拶からはじまり、近況報告をして、イタリアの魅力を伝えたり、イタリアで何ができるかなどを自分たちで考えて書くのです。表現活動では、教員もある程度は生徒たちが書く内容を想定していますが、予想外の表現が出てくることがあり、教員にとっても生徒たちにとっても、やってみないとわからない楽しさがあります」(福島先生)

福島先生は表現活動を通して、教室の外へ、世界へとつながる試みも行っている。

「ボストン・マラソンに、初めて女性選手として正式に参加したキャサリン・スウィッツァーさんについて書かれた単元では、彼女へのメッセージを動画にしてQRコードを本人に送ってみたのです。残念ながら返事は来ませんでしたが、山中伸弥教授の経歴について書かれた単元で、生徒が作成した英語新聞の画像を送ったときは、代筆でしたが『励みになりました』というお返事をいただきました。授業の中だけで終わるのではなく、学んだ表現を使って様々な世界とつながろうとすることも、英語教育では大切だと考えています」(福島先生)

▶︎英語科主任 福島崇先生(サッカー部顧問)

教科書を繰り返し使って理解を深める

基礎をしっかり身に着けるために、同校では2年生も1年生の教科書を併用しているという。

「新しい学びは2年生の教科書を使いますが、表現活動には1年生の教科書も使います。教科書がどんどん進むと、前に習ったことは忘れてしまうものです。高校の内容はどんどん難しくなるので、1年生で60%、2年生で70~80%、3年生でやっと1年生の教科書がわかっても十分だと思います。苦手な子を置いてけぼりにしないように、教科書を繰り返し使って、全員に基礎力を定着させたいです」(福島先生)

同校では、3年間クラス替えをしない。1、2年生での英語表現の授業は、1クラスを半分に分けて少人数で実施。生徒同士の「学びあい」も活発に行われていると、福島先生は語る。

「どのクラスも仲がよく、生徒同士で教えあえるところが本校のよさだと思います。英語のスピーチをするときも、発表に対する緊張などもありますが、仲間が緊張をほぐしてくれたり、フォローしてくれるので発表しやすいでしょう。潜在的には、みんな英語が話せるようになりたいという思いを持っているのです。スピーチでいい表現を使うと、自然と拍手が起きます。生徒も自分でいい表現を使っていることがわかると思いますし、生徒がいい表現を使うと私も嬉しくなるので、生の反応が得られる授業はとても楽しいです」(福島先生)

英語を使う場として「オンライン英会話」をプラス

同校では、1年生から3年生まで、全生徒がALT(ネイティブ教員)と日本人教員とのチームティーチングの授業を受けている。文法を学ぶため、受験のためだけではなく、コミュニケーションのツールとして、生徒1人1人が自分以外の人と繋がるために、学んだ英語を使う実践の場である。学んだことを試す場として、今年度からオンライン英会話がプラスされた。フィリピン人講師と1対1で、英語漬けの25分間を全生徒が体験。事前に課題は出しているが、生徒自身で話題を選んでフリートークを展開させる。自由な学びを許し、自分から学びに近づいていくことが大切だと、福島先生は語る。

「英語は、教科としてだけでなく、人と人をつなぐツールでもあります。留学やホームステイに行ければ、行った人は伸びると思いますが、すべての生徒が行けるわけではありません。生徒全員に英語でのコミュニケーションをより多く経験させてあげたいと考え、オンライン英会話(年4~5回)を導入しました。ALT以外の外国人とマンツーマンで話す機会は、国際的な感覚を身につけたり、異文化への理解を深めるために、そして未知の状況に1人で立ち向かう経験として、大きな意味があります」(福島先生)

昨年度から先行実施していたクラスの生徒たちは、すでに4~5回経験している。経験を重ねるうちに、生徒たちの会話にも変化がでてきたという。

「1回目は、神経も使って、体力的にも疲れて、スキー合宿を終えたような表情をしていました(笑)。思うように話せなかった悔しさもあったと思います。しかし、できなかった経験があるからこそ、次はもっと話そう、こんな表現を使ってみようという思いにつながるのです。今は、とてもいい表情をしています。経験を重ねるうちに、生徒たちの中に『同じ表現ばかりだとつまらない』という気持ちが芽生えてきました。例えば、I like~ばかりでは、さすがに飽きてしまいます。そこで、I'm fond of やMy favoriteを使ってみたり、感嘆文にしてみたり、fascinateで表すなど、だんだん表現が増えてきました。生徒たちも授業で学んだことを使ってみたいという潜在意識があると、最近感じています。サッカーで例えるなら、練習をしたら試合で成果を試し、また練習をして試合をして…というように、英語も授業で学んだことを使う場が必要であり、それがALTとの授業や表現活動、そしてオンライン英会話なのです」(福島先生)

高2の生徒4人にインタビュー

▶︎写真左から:Tさん、Yさん、福島先生、Fさん、Oさん

Oさん 高2
Fさん 高2
Yさん 高2
Tさん 高2

――英語の授業について、中学時代と高校時代で違うと感じることはありますか?

Oさん 中学では英語のスピーチや発表が得意で得点源でしたが、文章を作る力があまりありませんでした。正則では、スピーチの原稿を作ったり、英検の長文対策で文章を書くことがものすごく多いです。そのおかげで文章を書く力が上がり、それがモチベーションになって、英語を学ぶことがより楽しくなってきました。

Fさん 暗記が苦手なので、中学のときはあまり英語が好きではありませんでした。正則の英語は、教科書の内容を踏まえてスピーチなどの表現活動を行います。教科書で使われている表現を自分で使ってスピーチ原稿やポスターなどをつくるので、よく理解できます。最近は、英語が少しずつ読めるようになってきたので、楽しさも加わってきました。

Yさん 中学のときに英語が好きになりかけていたのですが、高校で初めてのテストは思ったより点数が取れませんでした。そこから毎日勉強するようになり、先生の授業もどこが大切なポイントかわかりやすいので、これからもっと伸びると期待しています。

Tさん 中学のときは得意ではありませんでしたが、前から英語は好きです。高校では教科書に沿って、チャンク(句や節などのかたまり)や語彙を1つずつ学んだことで、初めてのテストでよい点が取れて自信がつきました。授業もより楽しいと思えるようになったので、英語がさらに好きになってきています。

――福島先生の授業は、どのように進められますか?

Oさん とても実践的で、いろいろな言い回しを教えてくれます。授業は楽しいですし、力もついてきていると感じています。今から外国に行って会話しろと言われても、できると思えるぐらいです(笑)。

Yさん とにかくわかりやすいです。中学のときは、何のためにやっているかよくわからないことばかりでしたが、先生の授業は何のためにやるのかがよくわかります。Oさんも言っていますが、もし自分が1人でアメリカに置き去りにされても、なんとか帰ってこられると思えます(笑)。

――ALT(ネイティブ教員)が入る授業はどのような感じですか?

Fさん スピーチ用の原稿をまとめるときに悩んでいると、席をまわって歩いているネイティブの先生が気づいて、気軽に話しかけてくれます。先生からよいアドバイスがもらえると、自分の英文にいい味が加わるのでとてもありがたいです。

Tさん とても明るくて、質問しやすいです。英語が母語だからこその、微妙なニュアンスを教えてくれます。

――マンツーマンのオンライン英会話はどうですか?

Oさん 授業の中で学んだ表現を実践する場なので、使ってみて通じることがわかると嬉しいです。単語の意味を質問すると、英語で意味を説明してくれるのですが、会話をしながら少しずつ紐解いていき、相手が言いたいことにたどり着けたとき、自分の英語力が上がったと実感できます。それがマンツーマンの会話の魅力ですし、次への準備で英語力がさらに高まると思います。 

Fさん 最初は、自分の英語で通じるか不安もありましたが、授業で学んだ単語や表現が活かせています。音楽や読書など、趣味の話をすると、「それ知ってる!」とか「その曲いいよね」などと英語で返ってくるのがすごく楽しいです。 

Yさん 最初は間違えたくないプライドのようなものがあり(笑)、中学生レベルの単語ばかり使っていました。福島先生から、「二度と会わない人だと思えば、間違えても気にならない」と言われて、習ったばかりの表現なども使うようになりました。そうしたら、自信もついてきたし、話の内容も濃くなったと思います。

Tさん 授業で覚えた単語などを発揮する、いい機会だと思います。相手も私に合わせたペースで話してくれるし、わからない単語はチャット機能でスペルを入力してもらうこともできます。事前に配られるプリントにメモしておき、後で調べれば、毎回新しい単語も覚えられます。

――英語を学びながら、世界とのつながりを意識することはありますか?

Oさん 最年少でノーベル平和賞を受賞したマララさんのスピーチ動画を見たとき、紛争を経験したからこそ、言葉の重みがあると感じました。文章より、スピーチの方が気持ちも伝わったので、ニュースなどでも紛争に目を向けるようになりました。

Fさん 英語がわかるようになってきたら、洋楽の歌詞も少し意味がわかるようになりました。海外旅行にも行きたいと思うようになり、知っている英語でどれだけ通じるか試してみたいです。海外にいる自分を想像すると、ワクワクしてきます。

Yさん もともとシャーロック・ホームズのミステリーが好きで、英語も少しずつ好きになってきたので、イギリスに行きたい気持ちが強くなってきました。自分1人か友達と行って、自分たちだけでどれだけのことができるか試してみたいです。
 
Tさん 以前は、海外は明るくてギラギラしたイメージがありましたが、調べると明るい面だけではないと気づきました。日本で暮らす外国人の中にも、学校に通えていない人がいると知り、そういったことにも関心を持つようになりました。将来の仕事として福祉関係に興味があるので、学校に通えていない外国人を助ける仕事についても調べています。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Oさん 特進クラスがないのが、一番の特色です。学力レベルを意識せずに話せますし、クラスを越えて友達を作りやすく、将来のことを話したり、刺激し合うよい環境です。僕は将来、社会の先生になりたいので、社会や数学でわからない部分がある友達に、教える練習台になってもらっています。黒板を使ったり、レジュメを作ってみたり、教え方を変えてみると、わかりやすさなどの意見も言ってくれるので、よい学びあいができていると思います。

Fさん 入学してすぐに、国語の先生が「最初はみんな同じスタートラインでも、どれだけ頑張るかは自分次第」と言っていたことが印象に残っています。定期テストの順位も発表しないからこそ、自分はこのくらいでいいと思わず、100点を目指すとか、苦手な科目は70点、80点など、自分なりの目標を決めて頑張ろうとする気持ちが出てきます。クラスのみんなで、勉強を教えあえることもよかったです。数学でわからない問題について友達と話し合っていると、「こうじゃない?」「それだ!」などと答えが見えてきて、自分たちで解決すると、より達成感が得られます。

Yさん クラス替えがないので、2年生になっても交友関係をつくりなおす必要がないのがいいです。3年間同じクラスだと、文系、理系にも分かれないので、それぞれが苦手な科目を教えあえます。僕は数学がかなり足を引っ張っているので、テスト前にほぼ毎日教えてもらっています。2年になってからも、すぐに教えあえるのは大きな魅力です。ずっと同じクラスなので、それぞれの得意や苦手もわかってきます。

Tさん 文化祭や体育祭など、行事に対してはみんな積極的です。今年は体育祭が開催でき、私は実行委員だったので、大きな達成感を得られました。実行委員ではなくても、正則の行事は楽しいし、いい思い出になると思います。3年間クラスの雰囲気が変わらないことも、いいなと思います。環境が変わらないからこそ、最初から勉強に集中でき、勉強を教えあうときも話しやすいです。  

<取材を終えて>
サッカー部の顧問でもある福島先生が、英語の授業と英語を使う場を練習と試合に例えていたのが、とても分かりやすかった。サッカーは練習と試合を繰り返すことで着実に実践力が着くように、授業で学んだことを表現活動やオンライン英会話で使うことにより、着実に使えるようになっていくのだろう。そして、使う場があるからこそ、もっと学びたいという気持ちも強くなっていくことが、生徒たちの話からも伝わった。

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