スクール特集(品川エトワール女子高等学校の特色のある教育 #10)

表舞台と裏舞台、自分の得意分野で活躍! 広報委員「フィエルテ」と「クレエ」
品川エトワール女子高等学校では、学校説明会などで広報委員「フィエルテ」と「クレエ」がそれぞれの得意分野を活かして活躍。入試広報部の菊地郁美先生と「フィエルテ」として活動している生徒に話を聞いた。
学校の広報活動になくてはならない存在
同校では、2018年に広報委員「フィエルテ」を発足し、2019年から本格的に活動を始めた。「フィエルテ」は、オープンキャンパスや学校説明会で司会をしたり、キャンパスツアーの案内役として活躍している。
「もともとは学級委員に手伝ってもらっていましたが、やらされる手伝いではなく、自分たちで楽しんでおもてなしをしてくれる生徒の姿があったらもっとよいのではと考え、組織として立ち上げました。フィエルテとは、フランス語で『誇り』という意味です。広報委員として、自分の学校に誇りを持って広報活動をしてほしいという思いが込められています。生徒による広報活動を始めてからは、彼女たちの姿を目標に入学してくれる人が出てきたことがとても嬉しいです。来校者アンケートにも、『校内を案内していた在校生の姿が素敵でした』と中学生が書いてくれたり、保護者の方が『うちの娘もこんなふうになってほしい』と書いてくださることがここ数年増えました。今年度は、約20人が活動しています」(菊地先生)
「フィエルテ」は司会やキャンパスツアーの案内役など、表舞台で活動する広報委員だが、3年ほど前に裏方として支える広報委員「クレエ」を発足させたという。
「クレエはフランス語で『創造する、創り出す』という意味で、校内表示やパネルなどに必要なイラスト、PR動画などのクリエイティブな分野で貢献するチームです。人前に立ったりするのは苦手だけど、イラストや動画制作が得意な生徒の力を借りたいと思って声をかけました。マルチメディア表現コースの生徒を中心に、今年度は6人が活動しています。今では、どちらもなくてはならない存在です。中学生は自分が高校に入学した姿を、保護者は娘の姿を彼女たちに投影して、1年後、2年後、3年後の成長がイメージしやすくなったようです。生徒たちによる広報活動は、教員よりずっと本校の魅力やよさを伝えられているという手応えが感じられます」(菊地先生)

▶︎入試広報部 菊地郁美先生
「フィエルテ」としての誇りと成長
広報委員には、希望すれば誰でもなれるわけではないという。1年生のうちはお手伝いとして活動し、2年生になるときに「フィエルテ」として活動を希望する生徒は志望理由を書いて提出。その中から選ばれたメンバーだけが、「フィエルテ」として活動できる。
「選ばれなかった生徒がダメだったというわけではなく、選ばれた生徒たちからはより強い思いが感じられたということです。ですから、フィエルテとして活動できていることに誇りを持ってほしいと思っています。やってみるとハードな仕事が多く、企画やスケジュール管理などで頭を使いますし、メンバー同士や教員、来校者とコミュニケーションが取れる力も必要ですし、当日は1日中動くので体力も必要です。みんなボランティア精神が旺盛なのですが、もともと人に喜んでもらいたい気持ちを持っている人が応募して、さらに、フィエルテとしての活動を通してよりその気持ちが増していくと毎年感じています」(菊地先生)
広報委員の活動は、特別な生徒ではないところからスタートして、活躍の場を見つけて成長していくことに大きな意味があるという。
「中学生の時から人前に出るのが得意というわけではなく、どこにでもいる自信のない1人の女の子がやっているから意味がある活動だと思います。本校に来たら何かが変わるかもしれないと期待を抱いて入学した人たちに対して、その期待に応える場としてもこの活動を続けていきたいです。中学生のときは学校に通えていなかった生徒が、本校では人前で発表できるようにまでなったという例もありました。活動を通して得た自信の裏側には、失敗しても大丈夫という安心感のある環境があるからだと思っていますし、教職員一同も安心感を与えられる存在でありたいと思っています」(菊地先生)
ぜひ見てほしい広報委員の活躍と制作物
オープンキャンパスや学校説明会では、広報委員の生徒たちによる説明や制作物にぜひ注目してほしいと菊地先生は語る。
「ブースのパネルなどは、レイアウトだけでなく、前年に多く質問されたことを盛り込むなど、どんなコンテンツを入れるかまで生徒たちが考えて作りました。体験授業では、国際キャリアコースなら英会話で先生とコミュニケーションを取ったり、保育コースなら一緒にものを作ってみるなど、各コースの特徴的な授業を体験してもらう際に、広報委員にも手伝いに入ってもらっています」(菊地先生)
来校者の質問に直接答える「フィエルテ・ラウンジ」は、担当したいと言う生徒が多いそうだ。
「教員の個別相談はもともとあったのですが、フィエルテの生徒が大学や専門学校のオープンキャンパスに行ったときに学生が質問に答えてくれる場を体験して、本校でもできるのではとアイデアを出してくれました。今年度は学校案内のパンフレットも、最後の4ページは生徒たちが担当しています。校内マップやシール帳のような制服紹介ページなど、フィエルテの生徒が企画を出して、マルチメディア表現コースの生徒が形にしてくれたので、ぜひ最後のページまで目を通していただきたいです」(菊地先生)

▶︎学校案内の生徒が制作したページ
「フィエルテ」として活動している生徒にインタビュー
Nさん(3年生 活動歴:2年目)
Sさん(2年生 活動歴:1年目)
Fさん(3年生 活動歴:1年目)
――広報委員になろうと思った理由を教えてください。
Nさん 5つ上の姉がこの学校の卒業生で、広報委員をやっていたので、姉から活動内容を聞いていました。生徒発表などの話を聞いて憧れを抱き、私もやってみたいと思いました。
Sさん オープンキャンパスに来たとき、フィエルテの方がとてもキラキラしていました。活動の様子を見て、私もこんなふうになれたらいいなと思ったので、広報委員として活動しています。
Fさん 学校の行事や活動をもっといろいろな人に知ってもらいたいという思いがあり、先輩方の活動を見て、自分も発信する経験をしたかったので委員になりました。

▶︎Sさん

▶︎Fさん
――活動する中でどんなことが大変だと感じていますか?
Nさん 新学期が始まってすぐに、各ブースのパネル作りを始めます。来校者が自由に見学して、学校について知っていただくためのブースです。パネルの企画、デザインを考えて提出して、実際に制作していきます。今年度は、行事、コース、部活動、制服、国際交流について紹介するブースを作りました。最初のオープンキャンパスまで、スケジュール的にもかなり厳しかったです。

▶︎Nさん
――担当したブースについて教えてください。
Nさん 私は、制服紹介ブースを担当しました。コーディネートがいろいろ楽しめるので、実際に組み合わせを試してもらえるように着せ替え人形を作りました。遊び心満載で作った、今年初めての試みです。企画はフィエルテで考えて、クレエの生徒にイラストを描いてもらって、ラミネート加工しました。オープンキャンパスに来てくれた中学生や保護者の方たちだけでなく、一緒に来ていた弟さんや妹さんも楽しんでいる様子が見られたので作ってよかったなと思いました。パネルの説明もまじまじと見てくださっていたので、細かく書いてよかったです。

▶︎制服着せ替え人形
Sさん コース紹介のブースです。今年はフィエルテに国際キャリアコースの生徒がいないので、自分のコースではないですが担当しました。何もわからない状態だったので、国際キャリアコースの友達に聞いたりして、取材をすることから始めています。
Fさん 学校行事のブースで、1年生のオリエンテーション合宿を担当しました。2日間あるので、1日目と2日目にそれぞれ何をやったか写真なども使って説明しています。自分たちが行ったときと内容が違うかもしれないので、今年の1年生や先生などにも聞いて作りました。

▶︎コース紹介のブース(左)と学校行事のブース(右)
――「フィエルテ・ラウンジ」では、どんなことを質問されますか?
Nさん 先生より年齢が近いので、中学生からも「授業はどうですか?」とか「校則で、スマホはどうですか?」など、いろいろ質問がでてきます。
Sさん 女子校のデメリットについて質問されることが多いです。絶対、先にデメリットを聞かれて、その後にメリットを聞かれます。私は、デメリットとして男性との出会いがないと答えました(笑)。メリットとしては、共学では味わえない女子だけのわちゃわちゃ感があることです。共学だと女子がいくつかのグループに分かれることが多いですが、女子だけだとみんな仲がいいですし、グループはあっても完全に分かれている感じではありません。みんなが優しいですし、いろんな人と話したいと思っている人が多いです。
――「フィエルテ」として活動して、成長したなと感じるところはありますか?
Sさん 中学生のときは人と関わるのが苦手で、担任の先生からもあまり相手にしてもらえなかったので、見捨てられたような気持ちになっていたんです。この学校では、先生から気軽に話しかけてくれるので、入学して一瞬で、中学とは違うなと思えました。1年生のときに広報活動のお手伝いをしてみて、最初は不安もありましたが、やってみたら保護者とのおしゃべりも普通にできて、楽しく活動できました。今は、中学の頃とは180度違う自分になれたと感じています。
Nさん 私も中学ではいろいろあって、男子が苦手になってしまったんです。行事で司会や企画などをやったときも、自信がないので人の目が気になってしまって、言いたいことも言えず、頑張っても達成感は得られませんでした。高校では環境が変わり、中学での自分を知らない人ばかりだから、自分を変えるチャンスだと思ったのです。フィエルテの活動をしてみて、自分は人と話すことが好きで得意とわかってきて、性格もガラリと変わりました。自分の意見も言っていいんだと思えるようになり、今は自然体でいられます。
Fさん 小学校でも中学校でも、人と話すのは好きだったのですが、人前での発表では人の目を気にして声が小さくなって、うまく話せませんでした。フィエルテでの活動などを通して、今は自分らしくいられるようになり、今まではなんで人の目を気にしていたんだろうと思います。高校では、自分を解き放てる環境があったから、変われたのだと思います。
――将来についてどのように考えていますか?
Nさん 声優になるのが夢です。声優の仕事もアフレコだけでなく、歌ったり踊ったり、人前に出ることも多くなっています。フィエルテの活動を通して以前より自信が持てるようになったので、場数を踏んでさらに成長したいです。
Sさん まだ具体的には決めていませんが、フィエルテで人と関わる中で、営業系など人と直接関わる仕事ができたらいいなという気持ちになってきました。
Fさん 私は空港で働きたいので、グランドスタッフかCAになりたいと思っています。子ども食堂などのボランティアもやっていますが、頼まれたことは断らず、全部引き受けるような格好いい大人になりたいです。頼まれるということは、自分に期待されているということなので、それに応えることで相手も喜んでくれて、自分も成長できます。可能性を広げるためにも、頼まれたことは全部やっていきたいです。
――今後の説明会や、受験生に見てほしい行事などを教えてください。
Nさん 9月26日、27日には文化祭があります。私は文化祭実行委員長もやっているので、ぜひ受験生にも楽しんでほしいです。今年の文化祭は、飲食に力を入れていますし、ワークショップなども充実しています。部活動のステージ発表も毎年盛り上がり、ダンス部は毎年大会で踊ったダンスを披露する特別なステージです。10月から11月にかけて5回、秋の学校説明会があるので、私たちが作ったブースをぜひ見てください!

<取材を終えて>
パンフレットの4ページは、生徒目線の解説がとてもわかりやすく、フォントなどにも女子高生ならではの感性が感じられる。特に施設紹介は、実際に使っている立場からの魅力が伝わってきた。ぜひじっくりと読んでいただきたい。
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