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しながわえとわーるじょし

品川エトワール女子高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(品川エトワール女子高等学校の特色のある教育 #7)

カナダ留学や語学研修で成長!「国際キャリアコース」から海外名門大学へ

品川エトワール女子高等学校は、興味や関心・進路に合わせて5つのコースを用意。国際交流や日頃の授業で国際感覚を身につける「国際キャリアコース」の特色とは?

品川エトワール女子高等学校では興味や関心・進路に合わせて、「キャリアデザインコース」「国際キャリアコース」「マルチメディア表現コース」「ネイチャースタディコース」「保育コース」という5つのコースを用意。どのコースも普通科の中で、専門科目を学ぶことができる。今回は「国際キャリアコース」について、国際教育部の目次祐子先生(外国語科主任)と同コースの卒業生・上原美紗さんに話を聞いた。

国際感覚を身に付ける様々な体験

「国際キャリアコース」は、実用的なコミュニケーション能力(英語・中国語)と国際教養を身につけ、国際社会で活躍できる人材を育成するためのカリキュラムが組まれている。ネイティブ教員と日本人教員の2人担任制で、クラスには欧米やアジア圏出身の生徒も在籍。海外留学制度(3ヶ月~1年)や短期ホームステイプログラム(約1週間)、短期語学研修旅行(約10日間)、海外修学旅行など、海外生活を体験できる機会も多い。

「海外に出てキャリアを積んでいける語学力を身につけるために、英語だけでなく、中国語の授業も必修となっています。残念ながら中止されてしまいましたが、1年次には短期語学研修旅行を実施。フィリピンやマレーシア、ブータンなど、公用語が英語であるアジア圏の提携校に約10日間通学します。チベット仏教を国教とし、伝統の暮らしを守ってきたブータンでは、一般の人は1999年までテレビやインターネットを見ることができませんでした。電気や水道などの整備がまだ不十分なところも多く、提携校の寮での生活は日本とは全く異なります。都会育ちの女子高生には、カルチャーショックも大きいでしょう。高校生でブータンに行ける機会はなかなかないですし、イメージと実際に行って自分の目で見るのでは全然違うので、国際感覚を身に付ける上でも貴重な体験ができるプログラムです。今年度から、ブータンとの交流も再開します」(目次先生)

コロナ禍でも、海外からゲストを招いてオンライン授業をするなど、様々な価値観に触れる機会をつくってきたという。

「今は英語スピーカーの約7割が、英語を母国語としないノンネイティブスピーカーという時代です。国際社会に出て行くとなると、様々な価値観を認められる人でないと活躍することは難しいでしょう。ですから、英語ができるだけでなく、それぞれの文化を理解できる人になってほしいという思いがあります。インドからゲストを招くなど、国内にいても異文化を知る学習機会を提供していますが、生徒たちは積極的に参加しています。クラスの中にも、フィリピン、中国、ネパールといったアジア圏出身の子がいるので、日常的に国際交流ができるコースです。ブータンからの交換留学生も受け入れており、3年間の学校生活で様々な文化に触れ、国際的な感覚を身につけられる機会をたくさん用意しています」(目次先生)

▶︎国際教育部 目次祐子先生(外国語科主任)

9月からカナダの大学に進学する卒業生にインタビュー

上原美紗さん(2019年入学)は、1年次にはブータン短期語学研修旅行、オーストラリアホームステイプログラムに参加。2年次にカナダへ1年間留学する予定だったが、コロナの影響で断念せざるを得なかった。しかし、諦め切れなかった上原さんは、半年間卒業を遅らせて3年次の夏から1年間、カナダのバンクーバーに留学。帰国後には海外大学への進学を目指し、カナダ屈指の名門大学・ブリティッシュコロンビア大学に合格した。9月から同大学に通う上原さんに、「国際キャリアコース」での学びや留学先での生活について話を聞いた。

▶︎上原美紗さん

――高校受験でこの学校を選んだ理由を教えてください。

上原さん 高校生のうちに絶対に留学したいという思いがあり、休学しなくても留学できる高校を探してこの学校に決めました。1年間留学できる高校は、あまりないと思います。父も学生時代にアメリカ留学の経験があり、母は中国人なので、国際的な家庭環境で育ちました。両親も早いうちから海外に行った方がいいという考えを持っていて、小さい頃から海外旅行も経験しています。兄も留学したので、私も留学したいと自然に思うようになりました。

▶︎ブータンにて

――ブータンの印象を教えてください。

上原さん 自分が知らないところに行ってみたいという思いがあって参加したのですが、本当に日本とは全く違う世界でした。1番印象に残っているのが、目の前に広がる景色です。田んぼや木造の家があるだけで、高層ビルがまったくなくて、こんなところがあるんだと衝撃を受けました。東京育ちなので田舎経験は少ないですが、私が知る日本の田舎よりも何もなかったのです。電車もありませんし、インターネットもつながらない環境でした。

――ブータンではどのような生活をしましたか?

上原さん 学校の寮も木造で、トイレはバケツで水を流しました。シャワーの温水もあまりでなかったりして、途中で帰りたいと思ったこともあります。参加したのは、エトワールからは私も含めて2人、姉妹校の白鵬女子から2人で、4人一緒に生活しました。みんなネットがつながらないことが辛かったですし、全く別世界に来ちゃったという感じです。“世界一幸せな国”として知られていましたが、それは外の世界を知らなかったからかもしれないと思いました。

目次先生 ブータンは時間の流れがゆっくりで、電車もないので、電車の時間を気にしてせかせかすることもありません。1999年以降、テレビやインターネットが一般にも解禁となったので、今はスマホを持っていたり、K-POPが好きな子もいます。一方で、薬物に手を染める若者が増え、若者の失業率が増加してきました。情報が多ければいいということでもないのかもしれません。

上原さん ブータンから交換留学で来た生徒の中に、あまり東京を楽しめていない子がいました。食べ物も合わなくて、ずっと疲れたと言っていたんです。たぶん、ブータンと比べて東京は情報が多すぎるのかなと思いました。やはりお互い、行ってみないとわからないことがたくさんあります。日本は豊かに見えますが、自殺率が高かったりするので、物質的なものと幸福度は関係ないのだと思いました。

――ブータンで話されている英語はどのような感じでしたか?

上原さん 英語も公用語となっているので、学校教育は英語で行われています。現地で使われている言語もあり、2~3種類の言語を話せる人が多かったです。英語のネイティブではないので、英語の先生もブータン訛りがあります。今ならわかると思いますが、当時はまだ英語に慣れていなかったこともあり、聞き取るのが難しかったです。

――ブータンに行ったとき、英語力はどのくらいでしたか?

上原さん 高1の英語は全然できていませんでした。中学時代は英語が一番苦手で、クラス最低点をとったこともあります(苦笑)。ですから、ブータンではジェスチャーや片言の英語でなんとかコミュニケーションをとった感じです。エトワールに入ってからは、英語の授業が多いのでかなり鍛えられました。

――オーストラリア・シドニーでのホームステイプログラムについて教えてください。

上原さん ブータンの英語は訛りに苦労しましたが、オーストラリアではネイティブのスピードに付いていけませんでした。リスニングの教材は外国人向けに作られているので、実際に話されているスピードとは全然違います。私は英語に自信がなくて、言いたいことも伝えられず、何を言っているかもわからないし、その環境にいるのが精一杯でした。

目次先生 ホームステイをしながら、提携している女子校に1週間ぐらい通うプログラムです。午前中はESL(英語を母語としない留学生が英語力を補強するために履修する科目)でしたが、午後から受けた現地の授業はみんな大変そうでした。上原さんも自信がなさそうでしたが、教員の目から見れば英語の力は十分にあったんです。おそらく、自分の弱さに勝ちたいという強い気持ちがあるのでしょう。できないという思いがあるからこそ努力して、約3年半の高校生活を最大限に活かして成長したと思います。 

――卒業を遅らせてもカナダ留学をしたかった理由を教えてください。

上原さん もともと留学がしたいと思ってエトワールに入学したので、行かないという選択はなかったです。中学生の頃から毎日英語を勉強していても、全然話せるようになっていなくて、ブータンやオーストラリアで英語力のなさを痛感しました。話せるようになるためには、1年間の留学が必要だと思ったのです。

目次先生 クラスで3人がカナダへ留学予定でしたが、コロナの影響で2年生の9月からオンラインでカナダとやりとりする形になってしまったのです。ほかの2人はそのまま諦めましたが、上原さんだけは受験や卒業が遅れても、高校生のうちに留学したいという揺るぎない思いがありました。私自身も高校生のときに留学した経験があり、大学生になってから行くのとでは全く違うと実感しています。大学は専門性を深める感じですが、高校は価値観を広げるチャンスです。

――1年間の留学で英語力はどのように伸びていきましたか?

上原さん 5ヶ月ぐらいまで、英語力が伸びなくて辛かったです。聞く方はだんだんわかるようになり、質問に答えることはできましたが、言いたいことがすべて言えるわけではなく、話を続けられないし、話題を広げることができませんでした。仲良くなった友達がアメリカへ引っ越してしまって、仲のいい友達がいなかったことも大きいと思います。2学期になってクラス替えがあって、仲のいい友達ができたので、話す機会も増えて、一緒に出かけたりするうちに英語力も上がりました。彼女とは今でも連絡を取り合っています。前半はホームシックもありましたが、後半は友達にも恵まれて、英語も上達して言いたいことをほとんど言えるようになったので、日本に帰りたくなくなりました。

――どのような場面で日本との違いを感じましたか?

上原さん カナダではみんな「自分」を持っていて、自分がいやなら無理をしないという人が多かったです。例えば、一緒に遊ぶ約束をしていたのに、「今日は雨だからやめよう」と言われたことがありました(笑)。

――海外大学を受験しようと思った理由を教えてください。

上原さん 日本の大学と迷いましたが、父から日本の大学より海外に行ったほうが新しい経験ができると言われ、母からも別の国に住んだときにも海外大学の方が活躍の場が広がると助言してもらったので、海外大学を受験することにしました。ブリティッシュコロンビア大学を選んだのは、友達もいて気候もよいバンクーバーに絞ったからです。私は環境に慣れるのに時間がかかるので、すでに慣れている場所がいいと思いました。

――将来についてどのように考えていますか?

上原さん 今考えているのは、金融系です。為替トレーダーなどに興味があります。2年生からは国際経済などを学びたいと思っています。

――「国際キャリアコース」でよかったと思うことを教えてください。

上原さん 中学も私立だったのですが、中・高2000人ぐらいの大規模校で勉強の進度も速く、成績にシビアな学校でした。そのような環境で過ごしたこともあり、英語に自信が持てなかったのかもしれません。エトワールは国際的なプログラムがたくさんあって、柔軟性があると感じます。自由度が全然違いますし、こちらでは自分のやりたいことへのチャンスが多いです。中国語の授業は楽しかったですし、箏曲や華道の授業を選べるのもユニークだと思います。日本文化を知ることの大切さをカナダで感じたので、日本文化の授業があってよかったです。

――受験生に向けてメッセージをお願いします。

上原さん 1年間の留学などで、辛いことがあれば絶対にいいことがあると学びました。エトワールではいろいろなチャンスがあるので、つかめるものは全部つかんだ方がいいと思います。海外大学の受験では、これまでに経験したことをエッセイとしてまとめて提出しなければなりません。経験がないと書くこともないので、経験は大学合格にもつながります。つかめるものは全部つかんで、諦めないことが大切だと思います。

目次先生 私自身、高校生のときに1年間留学しましたが、今でもそれは大きな強みになっています。上原さんの言うように、辛いことの後には必ずいいことがあり、そこで学ぶことがあります。最近は、そういったチャレンジをする子が少ないので、彼女が自ら飛び込んでいったのは本当によい経験になったと思いますし、私にとっても誇りです。なかなか同じようにできる精神力はないかもしれませんが、私自身も経験しているからこそ、皆さんにもぜひ経験してほしいです。

<取材を終えて>
ブータンの提携校との交流は、とても貴重な経験である。現地に行くことができなくても、ブータンの生徒が同校に来たときにいろいろな話を聞くことができるのだ。物質的な豊かさと幸福度について上原さんが感じたことは、非常に重要なことである。上原さんのように同校でのチャンスを活かして積極的にチャレンジできれば、大きく成長できるだろう。

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