スクール特集(四條畷学園高等学校の特色のある教育 #8)

「心からやりたいこと」が見つかる“ナワガク式”プログラム
「#青春しようぜ」を合言葉に、生徒一人ひとりの挑戦を全力で応援する四條畷学園高校。偏差値だけでは測れない力強い「生きる力」を育むオリジナルの教育プログラムについて、3年生にインタビューした。
InstagramやTikTokといったSNSをフルに活用し、生徒自らが主役となって等身大の魅力を発信し続ける四條畷学園高校。そのイキイキとした姿に惹かれ、近年入学者数が増加し続けている注目校だ。同校では高校3年間で数々の挑戦や対話を通じて「自分自身」を創造する教育を掲げる。プログラムを通して生徒たちは成長し、自分だけの道標を見つけてそれぞれの進路へと歩んでいく。この“ナワガク式”ともいえるオリジナルプログラムによって成長を体現している総合キャリアコース、発展キャリアコースの3年生で、学校広報を手掛けるTikTok部の生徒に話を聞いた。
「やりたい」が見つかる50を超える選択肢 鎌倉パスタ「メニューコンテスト」にチャレンジ!
【藤原 凪海さん】
総合キャリアコース3年生

――四條畷学園高校に進学したきっかけを教えてください。
私が総合キャリアコースを選んだのは、中学生の頃から「将来は料理人になりたい」という夢があったからです。父が副業で有機野菜を使ったレストランのオーナーシェフをしていた時期があり、奈良の畑で自ら収穫した野菜を楽しそうに調理する姿を見て、いいなと思ったのがきっかけです。ナワガクの総合キャリアコースには、大学や専門学校、と連携した50以上のプログラムから自分の興味に合わせて学べる「キャリアデザイン」という独自の授業があり、その中の「調理師体験」を受けたくて入学を決めました。
――総合キャリアコースの特徴について教えてください。
総合キャリアコースは「3年間をかけて、将来、自分のやりたいことや好きなことを見つける」という目的が明確になっています。また「まずは興味があることは何でもやってみよう」という自由な雰囲気です。生徒ものびのび高校生活を送っている印象です。入学時点では、将来の夢や目標、進路が決まっていなくても「キャリアデザイン」の授業を通して、保育や美容など、自分の好きなこと、夢中になれることを見つけている生徒が多いと思います。
――とくに印象に残っている挑戦について教えてください。
「キャリアデザイン」の授業で、私は辻調理師専門学校の先生から調理を学びました。初めて本格的な麻婆豆腐を作ったのですが、プロがセレクトする調味料を使って一から作った時、店でしか食べられないと思っていた味にできて、その深みに感動しました。
そんな料理への熱意が高まっていた私に、TikTok部の顧問でもある小山先生から、夏休みの挑戦課題として、大手飲食チェーン『鎌倉パスタ』の新メニュー開発コンテストへの参加をすすめられました。このオリジナルレシピの開発中は、指定された材料から「どれとどれが合うか」を考え抜き、夏休み中はほぼ毎日パスタを食べていました。実は一度、予選で落ちてしまったのですが、辞退者が出たことで奇跡的にくり上げ合格となって、そこから新たにメニューを一から練り直しました。
本選では、四條畷市の市長をはじめ、7人もの審査員の前でプレゼンテーションしました。健康や美容を意識する「若い女性」にターゲットを絞り込み、アボカドとトマト、大きな生ハムをのせたトマトクリームベースの『アボトマごちそうパスタ』を提案しました。このコンセプトを評価していただいてイオンモール四條畷店で期間限定メニューとして実際に提供されることになりました。家族で食事に行って、「おいしい」と言ってもらえた時はうれしかったですね。

――将来の夢や目標を教えてください。
卒業後は辻調理師専門学校へ進学して、料理人の道を目指します。鎌倉パスタでの実績を評価していただいて、辻食文化財団の「次世代リーダーシェフ育成奨学金」に合格することができました。奨学金の選考に必要な小論文とリモート面接の対策では、小山先生から「おいしい料理とは何か」「料理をどう進化させたいのか」といった哲学的な対話で思考を深めてもらったこともよい思い出です。
中学時代の私は、人前に立つのも苦手でした。発表でも最小限の会話でやり過ごすような、挑戦しないタイプでした。もしナワガクに入っていなければ、そして鎌倉パスタや奨学金の挑戦がなければ、今も変われていなかったと思います。大きな挑戦をやり遂げたことで、「この道でやっていきたい」という自信がつきました。
将来は、管理栄養士を目指す姉と一緒に自分の店を持ち、父が隣の畑で育てた野菜を使い、母が前菜を作るような、温かい雰囲気のレストランを開くのが新しい夢です。

「青春って何?」の問いから始まった自分改革 社会課題の解決へ挑む「一歩力」
【杉本 煌季さん】
発展キャリアコース3年生

――四條畷学園高校に進学したきっかけを教えてください。
高校受験の時、四條畷学園のオープンスクールで受けた小山先生のパーフェクトなプレゼンテーションは、今でも忘れられません。中学時代の僕は、授業でのプレゼンテーションなどを積極的にする方だったため、「自分はできる」と過信していました。しかし小山先生は、満席の会で参加者を50分間ひきつけるプレゼンを披露してくださいました。「この先生スゴイ。ここに行きたい」と進学を決意しました。
――発展キャリアコースの特徴について教えてください。
発展キャリアコースはプロジェクト型学習を中心に「挑戦しまくる」コースです。人前で話すことが好きな積極的な雰囲気の人が多いと思います。もちろん静かなタイプの生徒もいますが、話してみると自分の考えや軸があるんです。発展キャリアコースは、チームで協力しながら探究活動をすることが多いので、みんなで成長していこうという雰囲気に満ちています。価値観の似た仲間たちが集まり、全員が主体的に動き出すため、良い意味で刺激的なライバルが増えて、毎日が楽しいです。
このコースに入って過ごす中で「根拠のない自信」がつきました。実は中学2年生の時、身体的な疲労が原因で、学校に行けなかった時期がありました。だんだん外出しなくなるうちに「自分は何をしているんだろう」と考え込んでいた時もあって。どこか自由を失ったような感覚に陥っていました。ナワガクに入って、プロジェクト型学習やTikTok部の活動など、挑戦を積み重ねていくうちに、過去の挫折なんてまったく関係なくなって、「今が最高に楽しい」と心から思えるようになったんです。

――とくに印象に残っている挑戦について教えてください。
2年生の時には、社会課題を解決する超実践型研修「MOG(モグ)」に参加してマレーシアへ行きました。全国から集まった優秀で自己主張の強い高校生でチームを組んだのですが、お互いのプライドがぶつかり合ってケンカになることもありました。政治や経済といった大枠から取り組まないと解決できないような大きな社会課題前に、意見がまとまりきらない状況の中でしたが、「人間の喜怒哀楽の振れ幅に立ち会えることこそが幸せであり、必要な経験なんだ」と気づくことができました。

――今後の目標を教えてください。
将来に関しては具体的な職業はあえて固定していません。既存の枠組みにとらわれず、さまざまな社会課題を解決できる幅広い視点を持ったグローバル人材になりたいと考えています。現在は今までのチャレンジで得られた経験を糧に、チームで企業研修の開発を行っています。この成果を持って総合型選抜で志望大学を目指します。
僕は発展キャリアコースが掲げる「一歩力(いっぽりょく)」という言葉が大好きです。興味のまま自然と挑戦できる一歩もあれば、今まで消極だったけどがんばって何か踏み出してみようといった一歩もあります。勉強だったら点数で計られてしまうけど、一歩の歩幅は人によってそれぞれだから、自分が納得できればいい。それぞれの一歩を認めてくれるのがナワガクの懐の深さではないかなと思っています。

<取材を終えて>
「勉強軸だけでなく、どの軸で生徒がイキイキできるかは行動してみないとわからない。生徒をしっかり観察し、的確な気づきを授けることが先生の使命」と、小山先生が常に語るこの実践躬行の姿勢は、2人のインタビューからも行動力として伝わってきた。コースのベクトルは違えど共通しているのは、「失敗を恐れず、まず動く」ことを通して、自分の自信を獲得している点だ。
さらに、彼らが所属するTikTok部やインターハイで総合優勝を果たす水泳部、プロ顔負けのショーを魅せるマーチングバンド部など、学校全体に「挑戦が当たり前」の空気が満ちている。正解のない不確かな時代を生き抜くために必要なのは、正しい答えを探す力ではなく、自ら問いを作り出して動く「人生をおもしろがる力」に他ならない。10代の可能性をどこまでも信じ、生徒と大人が共に変化を楽しみ続けるナワガクの熱量を体感してほしい。

▶︎小山先生

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