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四條畷学園高等学校 

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スクール特集(四條畷学園高等学校の特色のある教育 #2)

“実践躬行”の精神で取り組んだオンライン学習の成果と今後の展望

コロナウィルス感染拡大に伴う全国一斉休校期間中に行った取り組みについて、そしてコロナ禍でのオンライン授業の成果と今後の授業のあり方など、募集広報部長である小山宣宏先生に話を聞いた。

コロナ禍におけるオンライン学習の実践と対応

このコロナ禍は長引く可能性がありそうだということで、4月3日に運営メンバー会議を開き、今後の方針や休校中の授業をどうするかなどを決めました。
従来なら、紙の教材をどう届けるのかといった議論がはじめに行われることになるかと思うのですが、ちょうど良いタイミングでGoogle for Educationの登録をしていたこともあって、早い段階でオンライン授業の導入をスタートさせることができそうだということで話がまとまりました。
iPadを配布していないのにオンライン授業ができるのかという懸念は少なからずありましたが、ほとんどの生徒が携帯電話を持っていますし、まずは“実践躬行”。とにかくやってみてから考えようということで、本校の教育理念を遺憾なく発揮しました。校長の判断も早く、反対する教員もなく、学校が一丸となって取り組むことがきたのも良かったと思います。

翌日、4月4日から1週間で教員の準備を整えました。まずは教員全員のGoogleアドレスを登録。カレンダーやミーティング、クラスルームの使い方を教員がそれぞれ学ぶところからのスタートでしたが、4月13日からは無事にオンライン配信を始めることができました。
どちらかというと、教員よりも生徒の方がオンラインへの対応はスムーズでしたね。セッティングなどをうまくやってくれるか心配していましたが、ほとんどの生徒が難なくクリアしてくれました。学校で電話を受けて連絡を取るチームと、移動しながら直接家庭訪問するチームに分かれてサポートすることで、設定がうまくいかない生徒や自宅にオンライン環境の整っていない生徒にも、迅速に対応することができました。

また、携帯大手3キャリアが25歳以下の学生の通信環境を確保するため、月50GBまで無償提供を行う支援体制があったおかげで、特に大きな問題もなくオンライン学習に移行することができました。

▶︎募集広報部長 小山宣宏先生

オンライン学習のメリット・デメリット

学習課題の配信にあたって最も気に掛けていたのは、課題の量です。多過ぎて生徒が疲弊しないように注意しました。「先生のやった感よりも子どもの満足感を大切に」を教員全体での共通認識として大切にしました。
配信日や課題提出期限を明確にし、内容はそれぞれの先生が独自で工夫しつつ、教員同士で意見交換もしながら試行錯誤しましたね。毎回、動画を撮って編集するのは時間の確保や準備が大変ですし、YouTubeにアップされている解説系のコンテンツやNHKの映像コンテンツなどを活用しながら、質問などはチャットで直接教員が受けて丁寧にサポートするということも取り入れました。教員にも負担がかかり過ぎない形で、上手な運営ができたと思います。

説明の時間や授業中の雑談がなくなったことから、授業進度が早くなるという傾向が見られました。普段の授業進度についてこられない生徒も、動画なら何度も繰り返し確認ができるため、生徒一人ひとりの理解するスピードの違いにも対応しやすいと感じました。
普段は学校に来るのが難しい不登校の生徒に対しても、他の生徒と同じ学習環境を提供できたことも良かったことの一つだと思います。

ただ、ライブ授業は一方通行になりがちで、お互いの空気感が感じ取りにくく、相互のやり取りの難しさを感じました。主体的で協働的な授業デザインが難しく、「場」としての教室の大切さを改めて実感しました。
また、雑談から生まれる興味・関心や新たな発見などが得られないため、生徒の世界観が狭まってしまわないかという懸念もありました。

「So what?」を大切に、なぜ今この学びが必要なのかを意識させる学習展開で、ITがもたらす豊富な情報をいかに活用するかをテーマに、誰かの良い情報はクラスルームで共有する、生徒が興味・関心のありそうなネタを提供するといったことは常に心がけています。

それぞれの家庭事情で、なかなか自宅学習の時間を取れない生徒もいますので、課題提出に関しては、個々の事情を把握した上であまり追い込みすぎないように心がけました。一方的に配信するだけでなく、クラスルームやZoomの機能を使いながらやりとりをすることで、生徒の状況を確認するようにしていました。

授業以外にもクラブ活動の部屋をオンライン上に作ったり、SNSを活用したりして、トレーニング動画などを相互にアップロードし合いながら、モチベーションの維持につなげました。教員も生徒も、何か発信したいこと、チャレンジしたいことなどがあれば自由にアップできる環境を作ることで、孤立感を深めず、みんなでこの状況を乗り越えようという雰囲気づくりができました。発信回数が増えたこともあり、本校のInstagramは休校期間中の1カ月で300〜400人くらいフォロワーが増えました。

新入生に対しては、先生の自己紹介動画などを配信して、休校明けにスムーズに学校生活に入れるように配慮しました。

当初はオンライン授業が無事にできるかどうか不安でしたが、大人が思っているよりも生徒は柔軟で、初めて使うアプリや機能もすぐに使いこなせていたのには感心しました。

コロナ禍で見えた今後の学校・授業のあり方

休校期間中の体験でオンライン授業の可能性を大いに感じることができたというのが率直な感想です。学校からのお知らせなどはペーパーレス化を推進し、基本的にクラスルーム上で行い、生徒の前で直接語るのは特別な時だけに限定するなど、メリハリのある情報伝達手段をとっていきたいと考えています。
また、オンラインを併用したハイブリッドな授業展開で、学びの効率化、最適化を行っていかなければならないと強く感じました。時間の有効活用によって探究の時間をもっと確保し、自ら動く時間をしっかり取れるようにしていきたいですね。

そのために、校務や授業においてGoogle for Educationを活用スキルがあること、グローバルレベルのICTリテラシーを証明する「Google教育者認定資格」というGoogleが教師個人に発行している認定資格の全員取得を目指して取り組んでいます。

このコロナ禍で、世の中の生活様式が大きく変化していこうとしています。これからの時代はより人間力が試されていくことでしょう。これからは、「やらされている感ゼロの学校」を目指し、行事の運営や学校生活でのルール決めなど、大人が決めた枠の中で生徒の可能性を妨げることなく、自由に個性を発揮できる場を提供したいと考えています。

来年度よりコース再編を予定しています。例えば、5〜6時間目の授業をなくし、強化関係なく、生徒自身が学びたいことができる時間に充てるなど、個別型探究の時間をどんどん増やしていきたいと考えています。

「ダメ」と言わない、生徒の話を最後まできく、可能性を生徒とともに伸ばしていく、学校のあり方を模索中で、現在、四條畷学園高等学校としてのクレドの作成を行っています。礼儀と品性を守りつつ、創造力と柔軟性を持った既成概念に囚われない校則への転換など、生徒主体の学校づくりを目指し、生き方を学べる学校に育てていきたいと考えています。

教員はさらなるICT能力の向上を目指し、生徒に対して「伴走感を持って放置しない」姿勢で、今後もオンライン授業とオンタイム授業を組み合わせたハイブリッド型の学習体制を整え、深い学びを提供するファシリテーションの向上に努めていきます。

<取材を終えて>
ウィズコロナの時代、的確で迅速な判断力がより一層求められているように感じた。誰もが経験したことのない事態を前に、どう動くべきか、四條畷学園高等学校では教員が同校の教育方針である実践を持って生徒に示した形で、自粛期間中のリモート学習を円滑に進めていた。失敗を恐れずに実行する判断力、失敗から学んだことを次に活かす実行力、実行しながら軌道修正していく調整力を持つことが、変化の早い社会生活では必要だ。新しい社会に向けて改革を恐れない前向きな教員の姿勢とICT教育に対する柔軟な取り組みが、生徒たちにも良い影響を与えているように感じた。

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