文化祭をおこなう「おすすめの私立高校」

女子美術大学付属高等学校(女子校)


中・高(2日間)と大学(3日間)の同時開催となる「女子美祭」は、女子美最大の行事。「鏡友会」(生徒会)の役員によって運営され、生徒たちが授業で制作した課題作品の展示をはじめ、各クラス・クラブ・委員会・同好会などの発表が行われる。生徒たちは半年前から準備に取りかかり、クラス展示の企画は「鏡友会」の審査を通らないと展示できない仕組みになっている。今年度は全27クラスの中から、12クラスの展示と3クラスの校内装飾が審査を通過。予算や安全性だけでなく、見る人の立場に立った厳しい審査を行っているからこそ、毎年クオリティの高い展示が実現している。3日間かけて会場をセッティングし、当日は生徒たちがじっくりと作品を鑑賞する時間がとれないため、前々日に生徒たちの内覧会を実施。前日には相模原キャンパスで大学の女子美祭を見学し、いよいよ中・高の女子美祭が幕開けとなる。全生徒が日頃の授業で取り組んだ作品1000点以上が展示され、楽しみながらアートを体感できる「女子美祭」に、ぜひ足を運んでいただきたい。


生徒インタビュー

Nさん 高2 「鏡友会」会長(内進生)

厳しい審査があってこそ実現するハイクオリティ

Q.「女子美祭」の特色について教えてください。

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Nさん

他校のように毎年のテーマは決めませんが、その年のポスターによって校内の雰囲気が決まってきます。例えば、玄関前の装飾がポスターをオマージュしたものになるなど、ポスターの存在は大きいです。「女子美祭」のポスターは、高2の生徒全員が夏休みの課題として取り組みます。その中から美術の先生や「鏡友会」の選考を経て5作品に絞り、全校生徒の投票で1位になった作品がその年のポスターとして使われます。みんなで選んだものだからこそ、影響力があるのだと思います。今年はトランプのカードをイメージした作品が選ばれました。 


Q.「鏡友会」の会長になろうと思ったきっかけを教えてください。

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Nさん

中2のときから「鏡友会」で活動をしていますが、最初は憧れの気持ちで入ってみたという感じです。会長として動く先輩方の姿を見ていくうちに、私も先輩方のようにやってみたいと思うようになりました。漠然とした憧れから、どうしたらみんなが過ごしやすくなるかなどを具体的に考えるようになっていったんです。それを実現するには会長にならないと動けないことがたくさんあると思ったので、今年は会長に立候補しました。


Q.クラス企画の審査はどのように行っていますか?

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Nさん

展示スペースの関係で全クラスの展示をすることができないので、厳選するために各クラスに企画書を作ってもらいます。外装のデザイン、展示内容、予算、景品はいくつ作るのかなど、社会人が仕事で作るような企画書です。それをもとに、1次面接と2次面接の2回で審査します。1次面接では、例えば予算についてカラー印刷ではなく白黒にしたらどうかなど、主に改善点について伝えます。それらを修正した案でプレゼンを行うのが2次面接です。その後「鏡友会」の役員12名で話し合って選考し、結果を先生方に提出します。「女子美祭」では、クラスで企画書を作ってくるのが当たり前という感覚ですし、先輩方からは大学や就職先で役立ったという話も聞いています。


Q.どのような基準で選考していますか?

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Nさん

テーマが類似している場合、例えば「和」というテーマで2クラスがかぶっていて、外装などが似たような感じになってしまうと、来校者から見たら2つが同じに見えてしまうでしょう。どちらもテーマを変えない場合は、完成度の低い方を不合格にすることになります。高校生は経験や技量があるのでできることでも、中1だとまだできない企画もあるかもしれません。学年に合った企画かどうかも考えますが、高3を優先的に合格させるということはありません。高3でも不合格になることもあるので、そのときはショックだと思いますが、忖度などはしません。面接でのプレゼンの出来も合否を左右しますし、遅刻や書類提出の期限を守らない場合は減点するなど、どれもよい企画なので差を出すために面接でのルールも厳しくしています。 


Q.不合格のクラスにはどのように伝えていますか?

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Nさん

基本的には、不合格になった理由は言いません。自分たちの企画が通らなかったら、合格した企画はどんなものか当日に見ることになります。それらと比べてみて、自分たちは外装が凝っていなかったとか、企画段階で綿密に描けていなかったとか、そこから気づきを得るので言う必要がないのです。実際に私のクラスが不合格となった年は、そのように気づきを得ました。そこでどうしてもわからないことがあれば、「鏡友会」に問い合わせる人もいるので、そのときは「こうすればよかったのでは」というアドバイスはしています。ですから、企画が通ったクラスにはプレッシャーもあり、緊張感のある文化祭とも言えます。もし全クラスが展示できるなら凝る必要もないですし、何が足りなかったのか自分たちで問題点を探すこともないでしょう。審査という仕組みがあってこそ実現できるクオリティの高さであり、毎年クオリティの高い「女子美祭」が作れる理由がそこにあると思います。 


Q.選考の基準は代々受け継いできたものですか?

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Nさん

クラス企画の選考は、先輩が引っ張っていくからできることであって、中学生の頃は基準などもわかりませんでした。「こんな基準で選ぶといい」という伝統のようなものが受け継がれていますが、コロナ禍では基準も変わるなど、ずっと同じではありません。生徒たちの意見も取り入れて変えることもあります。例えば、瞬間接着剤は床に落ちると取れないので使用不可でしたが、オブジェは風が吹くと取れてしまうのでOKにしてほしいという意見があったので、使えるようになりました。意見を目安箱で受け付けて、それを検討して受け入れることもしています。


受験生に知ってほしい女子美の魅力

Q.今年の見所を教えてください。

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Nさん

クラス展示ももちろん楽しいですが、普段から生徒が作っている作品の展示をぜひ見てほしいです。作品を作る生徒たちの気持ちの根源には、「他者から見られること」への意識があると思います。それが顕著に表れるのがクラス展示ですが、日頃の制作でも同じ気持ちなのです。自分の作品を他の人が見たときに、どう感じるかを考えながら作品を完成させます。そのような思いの中でどんな作品に仕上げているか、個々の作品から感じ取ってほしいです。日々努力を重ねている作品には、普段の女子美が表れていると思います。


Q.「鏡友会」の活動を通して、どのような面で成長したと感じますか?

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Nさん

どのように伝えればみんなが協力してくれるようになるか、そのためにはどのような準備が必要かなど、伝える力や考える力が付いたと思います。ベースとなるのは、相手の立場に立つということです。「鏡友会」は生徒会として動いていますが、中を見れば一般生徒の集まりなので、生徒同士が対等であるべきだと思っています。大切なのは、相手の立場に立ち、どうしたら寄り添えるかを考えて行動することだと学びました。クラス企画の面接でもお互いに配慮し合い、「鏡友会」が上から指示するのではなく、相手の思いを尊重しつつ改善できるところはないか考えるように心がけていますし、後輩にもそう伝えています。


Q.小学生のときに訪れた「女子美祭」で印象に残っていることはありますか?

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Nさん

私は小4のときに初めて「女子美祭」を訪れましたが、驚きの連続でした。受付では、その年のポスターに選ばれた作品のポストカードがもらえます。それを高校生が描いたと聞いて、自分が10年後にこのような絵が描けるようになるとはとても思えなかったです。クラス展示に行くと、スズランテープ(カラフルなビニールのテープ)で教室の中がいくつかに区切られていて、森のような空間や海のような空間がありました。在校生は屈んで私の目線に合わせて話しかけてくれて、ゲームの説明や女子美のこと、おすすめの場所などを教えてくれたので、何気ない会話から感じられる優しさに感動しました。まだ水彩画しか知らなかったので、新しい画材もたくさんあって、当時の自分にとっては宝探しのようなワクワク感があったことを覚えています。今思えば、審査によるクオリティの高さがあったからこその感動だったと思います。親や塾の先生からの勧めで見学に来ましたが、何校か見学した中でどこに通いたいか聞かれたら、「あのポストカードの学校」と答えていました。


Q.実際に入学してみて感じた、この学校のいいなと思うところを教えてください。

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Nさん

自由であることと、そこから学びがあるところです。女子校だからこそ、たぶん共学では言い合えないような本音も言えます。とはいっても、何でもズバズバ言うわけではありません。だんだんと、言ってはいけないこともわかってきます。そしてそれは、作品の表現にもつながっていくのです。入学当初は、表現するのは自由だと思っている人が多いと思いますが、何でも好きなようにやっていいわけではないことを先輩や友達から学びます。見る人が不快にならないことも大切ですし、制約や配慮があってこその自由なのです。相手を尊重すること、尊重とは具体的にどうすることなのかなど、表現をする人にとって大切なことが自然に身についてきます。それはどこかに書いてあったりするわけではないのですが、女子美で学校生活を送る中で感じ取れるものです。女子美に入ったからこそ、見ていただく方の存在を常に考えて作品を作れるようなったと思います。



文化祭日程

日程 名称 場所 内容

2024/10/26(土)

2023/10/27(日)

女子美祭 同校

 



学校説明会日程等

開催日 開催時間 説明会名 予約
2024/9/28(土) 8:35〜 公開授業(中高共通) [要予約]
2024/9/28(土) 14:30〜16:00 高等学校作品講評会 [要予約]
2024/10/26(土) 10:00〜17:00 女子美祭 見学 [要予約]
2024/10/26(土) 12:00〜 女子美祭 ミニ進学相談会 [要予約]
2024/10/27(日) 10:00〜17:00 女子美祭 見学 [要予約]
2024/10/27(日) 12:00〜 女子美祭 ミニ進学相談会 [要予約]
2024/11/3(日) - 第2回「入試相談」説明会・「入試相談」 [要予約]
2024/11/3(日) 8:35〜 中学3年生対象 秋の実技講習会 [要予約]
2024/11/16(土) 8:35〜 公開授業(中高共通) [要予約]
2024/11/16(土) 14:30〜 女子美なんでも質問会 [要予約]
2024/12/7(土) 15:00〜 高等学校作品講評会 [要予約]
2024/12/7(土) 16:00〜17:00 ミニ学校説明会 [要予約]
2025/1/11(土) 16:00〜17:00 ミニ学校説明会 [要予約]

入試日程

試験日 試験名 募集人数 選抜方法 出願期間
2025/1/22(水) 推薦入試 32

面接

2025/1/15(水)〜2025/1/17(金)
2025/2/10(月) 一般入試 33(帰国生も含む)

3教科(国語・数学・英語)、実技(水彩またはデッサンを選択)、面接

2025/1/25(土)〜2025/2/7(金)

女子美術大学付属

女子美術大学付属

女子美術大学付属

女子美術大学付属

所在地・交通アクセス

〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8

TEL 03-5340-4541

  • 丸ノ内線「東高円寺駅」より徒歩8分

マップ

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