創意ある理科教育、「5つの力」を身につける課題探究学習を実践
スタディが注目する「東京電機大学高等学校」のポイント
JR中央線東小金井駅北口徒歩5分の住宅街に立地。東京電機大学中学校(TDU)では「人間らしく生きる」という校訓をもとに、「5つの力」を身につけることを目標としている。「5つの力」とは、「視野の広さ」「冒険心」「[向上心]「共感力」「専門性」のこと。2020年までは、学年横断型の課題探究学習TDU4D-Labを実施してきたが、2021年度からは4D-Labの内容を更に発展させた教科「探究」を中学校の教育課程に設定。週1時間の授業の中で「5つの力」を育むための「課題認識→調査→分析・思考→まとめ・表現→新たな課題認識」のサイクルを行うことで「チャレンジ精神旺盛な自立した人」を育てていく。
また、希望者を対象とした多彩なプログラムを用意。東日本大震災の被災地を訪ね、同世代の学生や先生から被災体験を聞き、その後の復興支援の問題点、災害が起きたときの避難の方法などを考えるプログラム、カンボジアに行き、現地の小学校で日本語や英語を教えるボランティア活動を行い、空いた時間に市内を見学してカンボジアの歴史や出来事を学ぶ参加型スタディーツアーのプログラム、マレーシア海外研修、3学期にはカナダに短期留学をするプログラムがある。
2025年度より、「放課後学習支援」をスタートした。大学生メンターが常駐する自習室を設置し、生徒が自由に質問できる環境を整備。学習スタイルに応じて選べる「話せる自習室」と「静かな自習室」を用意し、毎日多くの生徒が利用している。先生とメンターが連携し、課題への取り組みをサポート。スタンプやシールなどの工夫で学習意欲を高めている。進路相談も可能で、大学生からリアルな学びの声を聞ける貴重な機会も提供する。探究学習にも力を入れており、卒業論文にまとめる個人探究もあり、生徒一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばす環境がある。
生徒を型にはめず、自分らしさを大切にする校風で、きめ細かい学習指導により2024年春の入試では、農工大、都立大、学芸大などの国公立大学をはじめ早慶上智理科大へ18名、東京電機大への推薦48名を含め理工系4大学(東京電機大、芝浦工業大、工学院大、東京都市大)に103名が合格している。