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立川女子高等学校

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スクール特集(立川女子高等学校の特色のある教育 #3)

校内ツアーが中学生に好評! 活動を通して大きく成長できる「TGSA」

立川女子高等学校には、学校説明会に参加した中学生や保護者の案内などを担当する「TGSA」と呼ばれる活動がある。「TGSA」として活動する高2の生徒たちに話を聞いた。

立川女子高等学校は、授業や行事、課外活動を通して新しい自分を見つけられる環境が整っている。課外活動の1つとして、学校説明会に参加した中学生や保護者の案内などを担当する「TGSA (Tachikawa Girls Student Assistant)」の活動に注目し、入試広報部主任の長江宣明先生とTGSAとして活動する高2の生徒3人に話を聞いた。

先輩に憧れて入学し、引き継がれていく「TGSA」

同校の学校説明会などで、中学生やその保護者を対象とした校内ツアーを行ったり、会場の準備や片付けなどの裏方的な仕事をしているのがTGSAのメンバーだ。TGSAとして活動し始めたのは、約10年前だと長江先生は説明する。

「もともとは、各クラスで手伝ってくれる生徒を募集していました。しかしそれだと、指示がバラバラになったりして、来校者の案内がスムーズにできません。そこで、部活のような形で有志の生徒を集めて、活動してみようと考えたのがTGSAです。特別な勧誘はせず、ポスターを貼ってクラスで呼びかける程度ですが、今年度は1年生が40人も入ってくれて、高1~高3までで60人になります」(長江先生)

中学生のとき、学校説明会に参加してTGSAの生徒に学校を案内してもらい、その姿に憧れて入学し、TGSAに参加する生徒も多いという。

「TGSAとして活動するようになってから、毎年そのような生徒が入ってきます。興味深いのは、引っ込み思案だという子が毎年入ってくるのですが、みんな3年間TGSAとして活動すると人前でも話せるようになり、受験や就職の面接も自信を持って臨めるようになるんです。堂々として卒業していく姿を見ると、TGSAは本校の生徒にとってもとてもいい活動だと思います。中学生や保護者にとっても、生徒たちに案内してもらう方が、本校でどのような教育をしているかも伝わりやすいでしょう」(長江先生)

▶︎入試広報部主任 長江宣明先生

TGSAによる模擬校内ツアー

同校の学校説明会に参加する中学生や保護者に向けて、TGSAによる校内ツアーが実施されている。どのようなツアーなのか、模擬ツアーを体験。通常は1組につき1人の生徒が案内するが、今回は特別に3人に、本番と同じように校内を案内していただいた。
※一部、使用中の施設などは省略。

体育館からスタートし、図書館、制服の展示、進路閲覧室、食堂、一般教室、作法室、調理室と試食室をまわり、部活動のトロフィーが飾られたショーケース前で終了、というコース。ブラウスが3色あるので、生徒から直接、どのように着こなしているかなどの話も聞ける。一般教室では、以前は木の机と椅子を使っていたが、生徒総会で要望が通り、新しくなったことなども紹介。同校自慢の作法室は70畳の広さがあり、畳の香りなども体感できる。作法室で和のマナー、試食室では洋のマナーというように、和・洋両方のマナーを身に付けられるのも同校の魅力だ。

長い廊下を移動する間には生徒の方から声をかけて、中学生から質問しやすい雰囲気を作ってくれる。途中、「足元に気をつけてください」など、自然に声をかけてくれた。そういった気遣いなどは、先輩の姿を見て代々引き継がれていくという。実際に施設を使っている生徒に案内してもらうことで、より学校生活がイメージしやすくなる。小さな疑問なども気軽に話せるので、非常に満足度の高いツアーである。

TGSAのメンバー3人にインタビュー

▶︎写真左より:Mさん、Kさん、Tさん

Kさん(高2)
Mさん(高2)
Tさん(高2)

――TGSAの活動を通して、成長したと感じることなどを教えてください。

Kさん 私は中学生のときに母と学校見学に来て、案内してもらったTGSAの先輩がかっこよくて、TGSAに憧れて単願で受験しました。当時の私は人と話すのが苦手で、うまくコミュニケーションが取れなかったのですが、とても優しく接してくれたことを覚えています。「この活動って部活ですか?」と質問したら、TGSAだと教えてくれました。入学前は「女子校は怖い」と思っていたのでそれを質問すると、「ぶっちゃけ、怖くないよ!」とフレンドリーに答えてくれたことが印象に残っています。私も先輩のように話せるようになりたいと思い、TGSAの活動を始めましたが、今では中学時代の友達が驚くほど誰とでも話せるようになりました。

Tさん 私は高1のとき、学校説明会でスピーチをしました。話した内容は、女子校での学校生活や中3の夏からどんな勉強をしたかなどです。中学生までは人前で話すことが苦手だったので、最初は前に出ただけで震えてしまいました。その後、何回かスピーチをやるうちに、慣れてきたのかだんだん楽しくなってきました(笑)。校内を案内しているときなど、「さっきスピーチした人ですか?」と声をかけてもらえるのも嬉しくて、自信もついたと思います。

Mさん 先輩たちが案内する姿から、教えられることも多いです。例えば、学校に関する新しい知識や言葉の使い方、質問の仕方、どうやったら会話をつなげられるかなど学びました。他校にはない70畳の作法室を紹介するときには広さを強調したり、調理室とは別に試食室があることのよさなど、先輩方の説明を見て学んで、自分なりに工夫しています。

――学校生活ではどんなことが楽しいですか?

Mさん 共学校の友達と話すと、女子校はこんなところが違うんだと思うところもいろいろあります。体育祭や文化祭も女子だけだからこその盛り上がりがあったり、毎日の学校生活でも女子だけだから楽しいと思う面があります。ちょっとした衝突もあったりして、入学してからいろいろなことがあり、とてもドラマチックな毎日です(笑)。

Tさん 詳しくは言えませんが、女子だけだから話せることもいろいろあります(笑)。

Kさん 中学は共学だったので、女子校は初めてでした。中学までは男子からバカにされるのではないかと不安になっていて、このような場でも話すことができませんでした。この学校では、恥ずかしくても発言したらみんなちゃんと聞いてくれて、バカにされるようなこともありません。女子だけの環境だったから、信頼関係が作れたと思います。そのような環境だったから、私は変わることができました。

――将来について、どのように考えていますか?

Kさん 私は、幸せな人の笑顔を一番近くで見られるウエディングプランナーになりたいと思っています。この学校に来るまでブライダル業界の仕事については全く知らなかったのですが、Sプロジェクト*でブライダル業界の方からお話を聞く機会がありました。中学時代を知っている友達にウエディングプランナーになりたいと言うと、「人と話すのは苦手だったよね?」とみんなに驚かれます。私はこの学校に来たから変わることができ、この学校でウエディング業界について知ることができ、そしてやりたい仕事に出会えました。
*土曜日には、生徒一人ひとりの興味関心や希望進路に合わせた特別講座「Sプロジェクト」を開講。大学や専門学校の先生が同校のために開講してくれる講座を、各学校の施設などで受講する。

Mさん まだはっきり決めていませんが、TGSAの活動などを通して人と接するうちに、言葉を使う仕事、例えば翻訳家や国と国をつなぐ仕事がしたいと思うようになりました。外国語も好きなので、大学では語学の道へ進みたいと思っています。Sプロジェクトでも、中国語などを受講する予定です。語学の講座は学校に来て授業をしてくれるので、移動が難しい時間割でも受講しやすいです。

Tさん まだなりたいものが見えてこないのですが、犬を飼っているので動物関係の仕事に興味があります。Sプロジェクトでは、専門学校で行われている秘書検定対策講座を受講しています。言葉遣いなど、ビジネスマナーを学びたかったので選びました。ビジネスマナーを身に付けておけば、どのような仕事に就いても役立つと思います。

――この学校の魅力を教えてください。

Kさん 私が思う一番の魅力は、先生が面白いということです。一般的に先生は「わからなかったら質問して」と言いますが、中学では緊張して気軽に話せる先生があまりいませんでした。この学校は、先生と気軽に話せるのがいいです。敬語は使いますが、先生も「そんなことないよ」などとあまり堅苦しい感じを出さなくて、親身になって話を聞いてくれます。説明会に来る中学生の多くは、女子同士のいざこざなどを心配しています。「いじめとかあるんですか?」などと質問されることも多いですが、私の周りにはありません。ですから、「まれにあるかもしれないけれど、いろいろな子がいるから、一番仲のいい友達を作ることもできるし、自分がどう接するかにもよると思います」と答えています。

Tさん 女子校というと漫画の影響で、いじめとか、ドロドロしているイメージがあり、「大丈夫だよ」と言っても不安を拭いきれない人もいるようです。女子だけだからといって、そんなに奇抜な人ばかりではありません。温かい雰囲気ですし、新しい価値観も生まれるので、私はこの学校に来てよかったと思っています。

Mさん 女子校ならではの魅力がたくさんあります。私は生徒会の活動もしていますが、いろいろな視点からものごとを見ることができ、男子がいない環境だからこそ、女子の強みや弱さが学べます。1年生は作法の授業があり、家庭科でもマナーの授業があるので、礼儀作法はかなりしっかり身につきます。女子校は怖いんじゃないかと不安がある人も多いようですが、この学校には「ジャニーズが好き!」「二次元大好き!」など、いろいろな趣味を持つ人がいるので、気の合う友達ができるから大丈夫です!

<取材を終えて>
今回の模擬ツアーは急きょ実施してもらうことになったが、案内してもらっている途中、担任の先生が彼女たちの声を聞きつけて現場に駆けつける一幕があった。私たちに向けて、施設の説明をする生徒たちを温かく見守る先生の姿が印象的だった。そのような場面からも、よい関係が築けていることが伝わってくる。同校に関心があれば、ぜひ学校説明会に行って校内ツアーを体験していただきたい。

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