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立川女子高等学校

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スクール特集(立川女子高等学校の特色のある教育 #1)

少人数制で難関私大や看護・医療系を目指す「特別進学コース」

創立100周年に向けて、更なる飛躍を目指す立川女子高等学校。私大受験に特化したカリキュラムで着実に学力を積み上げる「特別進学コース」の特徴について紹介する。

創立100周年に向けて更なる飛躍を目指し、カリキュラムの変更や特別講座の開講など、様々な取り組みを行っている立川女子高等学校。難関私立大学だけでなく、看護・医療系の大学や専門学校への進学にも1年次から準備ができるようになった「特別進学コース」について、副校長の加藤隆久先生、教頭の山崎貴紀先生、副教頭の高木志穂先生に話を聞いた。

大学入試の変化に対応した幅広い学び

女子校として、これからの時代を担う女子生徒たちに新しい環境を用意したいと考え、2022年度から新たな取り組みをスタートさせると加藤先生は説明する。

「特進コース(2022年度から「特別進学コース」に名称変更)を導入してから10年経ち、1クラス16名程度で授業ができるようになりました。今後、2クラスに広げていきたいと考えており、より幅広い学びを展開させていきます。大学入試改革により、テストの点数だけでなく、広い学びの中で得た経験やチャレンジしてきたことなども評価されるようになってきました。それに伴い、高校でもテストの点数を上げるための勉強だけでなく、人間として幅広く成長できる学びが必要です。そこで、総合コースで実施してきた作法の授業を、来年度からは特別進学コースでも必修にします。作法の授業は、総合コースでも評判がよいので、特別進学コースでもぜひ取り入れたいと考えました」(加藤先生)

作法の授業は1年次に週1時間、挨拶やお辞儀の仕方、敬語の使い方、70畳もの広さの作法室を利用した和室での立ち振る舞いなど、日常生活の所作から日本文化まで実際に体験しながら学ぶ。

「講師は、客室乗務員の教官を務めた経験もあるスペシャリストです。ふすまの開け方、職員室の入り方、訪問先で手土産を渡すタイミングやコートの持ち方など、基本的なことから教えてもらえます。座学だけの講義と違い、作法室などを使った実技が中心です。例えば、手紙の書き方では、実際に中学校の先生に暑中見舞いを出したり、お茶の作法では、日本茶の種類から急須の使い方、和菓子が出される時に使う菓子切や黒文字の使い方など、大人でも知りたいことが学べます。最近は、ペットボトルのお茶に慣れているので、急須を使ったお茶の入れ方を知らない子も多いようです。社会に出てから、自立した女性として活躍していくために知っておきたい作法を、1年かけてしっかり学んでいきます」(高木先生)

▶︎写真左より:山崎先生(教頭)、高木先生(副教頭)、加藤先生(副校長)

私大受験に特化したカリキュラム

「特別進学コース」は、1年次には主要科目や同校独自の「作法」などをバランスよく履修。2年次からは、希望の進路に応じて、国語や地歴公民科に重点をおく文系と、数学や理科に重点をおく理系に分かれる。

「中高一貫校と違い、3年間で合格を目指さなければならないので、私大受験に絞ったカリキュラムとなっています。2年次には、文系は世界史や日本史など、理系は生物や化学などを重点的に学びます。放課後学習には、メンター制度を用意。早稲田や慶応、東大などの女子大生が質問に答え、学習プランの作成や苦手科目の克服をサポートします。授業の補習から入試対策まで、メンターに相談しながら勉強へのモチベーションも高めていくという、総合コースにはないサポートです」(山崎先生)

「特別進学コース」のもう1つの特徴は、行事での学年を超えた交流だ。上級生が取り組む様子を間近で見ることで、下級生は様々な刺激を受ける。

「入学すると、2、3年生が手作りの歓迎会をしてくれます。とてもアットホームな雰囲気です。合唱祭のパートリーダーを3年生が担当し、体育祭では3学年が一緒に走ります。代々木のオリンピックセンターで行う3泊4日の勉強合宿も、3学年合同です。1年生は3年生が勉強に取り組む様子を見て、2年後の自分をイメージします。尊敬できる先輩の存在は、勉強へのモチベーションにもつながり、それが代々受け継がれてよいサイクルになっていきます。難関私大を目指すコースですが、ゆとりを持たせたカリキュラムです。一般入試の力もつけながら、先輩との交流や部活動、行事などの学校生活を送っていくことが、総合型選抜や学校推薦型選抜に活かせる経験になっていきます」(山崎先生)

2022年度からスタートする「Sプロジェクト」

2022年度から週5日制となり、土曜日には生徒一人ひとりの興味・関心や希望進路に合わせた特別講座「Sプロジェクト」を開講。専門学校や大学の教員による講座を同校の教室で受講するものもあれば、専門的な設備を備えた施設で受講する講座もある。受講料は講座によって異なるが、通常より低価格や無料の講座も多いという。

「特別進学コースでは、入試までに英検2級以上を必ず取得させたいと考えています。授業での取り組みにプラスして、Sプロジェクトの講座では、英検対策に定評のある塾の講師を招いて2次試験対策までパックにした必勝プログラムを用意。英検を取得することは、一般入試への力を養うだけでなく、総合型選抜や学校推薦型選抜にも活かせるので、将来の可能性が広がります」(山崎先生)

「Sプロジェクト」では、英検対策講座のほか、共通テスト対策講座、小論文対策講座なども用意。約40種類の講座から、自分に必要な講座を1年次から選んで受講することができる。

「できる生徒は英検準1級を取得してほしいので、準1級対策の講座も用意しています。授業だけでは物足りない生徒は、Sプロジェクトやメンター制度なども活用し、上を目指していくことができます。科目によっては苦手意識がある生徒などにも、教員やメンターがしっかりとフォローしていくので安心してください。受験は個人戦という考え方もありますが、本校では団体戦だと考えています。みんなで合格を勝ちとるために、お互いに切磋琢磨しながら、そして励まし合いながら頑張っていきます」(加藤先生)

看護・医療系への進路のサポートも充実

同校では、これまでも看護・医療系に進む生徒が多く、2022年度からはよりサポートを充実させる体制を整えたと、山崎先生は説明する。

「来年度から、看護師を目指す生徒のサポートを特別進学コースで行うことになりました。Sプロジェクトでは、1年次から3年次まで受講できる看護系入試対策講座を用意しています。これまでは、高3の数学で看護系の対策授業がありましたが、短期間で力をつけるのが難しく、諦めた子もいたことが残念でした。中学生の頃から看護師になりたいと思っている子も多いので、1年次からしっかりと準備させてあげたいと考えたのです。3年次の数学(選択科目)なども、看護系の受験科目を想定したカリキュラムになっています。コロナの影響で看護師になりたい子は減るかと思っていたのですが、むしろ増えているので、今まで以上にサポートできる体制を整えました」(山崎先生)

「Sプロジェクト」は、受験対策だけでなくキャリア教育の一環でもあり、次年度までに50講座を目指して組んでいく予定だという。

「看護師や保育士などの明確な目標をもって入学してくる生徒もいれば、まだ決まっていない生徒もいます。決まっていない生徒は、Sプロジェクトの講座などを通して、自分のやりたいことが少しずつ見えてくるでしょう。大学別の進路説明会などは、みんなが同じ説明を聞くことが多いですが、Sプロジェクトは自分がやってみたいものを自分で選ぶことができます。1年次だけでなく、3年間かけて自由に選択でき、2年次には1年次に選んだものと違うものを選ぶことも可能です。担当してくださる専門学校の先生方は、どの分野も職業は1つだけではないことも教えたいと言っています。好きなことがあるとそのことだけに集中しがちですが、広い世界があることも知ってほしいと考えています。語学や調理、美容関係など、好きなことや興味があるものを受講して、そこから視野を広げて、進路につなげていってほしいです」(高木先生)

創立100周年に向けた取り組み

同校では、2021年度の1年生から1人1台iPadを使用。各教室にモニターとApple TVを設置し、Wi-Fiも校内全域に完備した。

「授業では、TeamsやMetaMoJiなどのアプリを活用しています。iPadの導入は決して早い方ではないので、他校の例などを参考にして、よいものはどんどん取り入れていきたいです。瞬時に意見を共有できるMetaMoJiは、とても便利なツールです。生徒たちができている子の例を見て『すごい』と感じたり、その気持ちをモチベーションに変えていくためのツールとしても、大きな役割を果たしています。とはいえ、全部をiPadにしようとは思っていません。紙と鉛筆を使った学習でしか得られないこともあるので、両方を大切にしていきたいです」(高木先生)

同校は、1924年(大正14年)に、多摩地区で最初にできた私立の女子校である。今年で創立96周年となり、2025年には創立100周年を迎える。

「創立100周年に向けて、カリキュラムの変更やSプロジェクトの始動、ICT活用の推進など、様々な取り組みを行っていますが、来年度以降も更なる飛躍を目指します。100周年を迎える2025年にイベントを行うだけでなく、99周年となる2024年にもプレイベントを行う予定です。そのほか、様々な企画も進めているので、随時発表していきます」(山崎先生)

<取材を終えて>
作法についてはインターネットで調べることもできるが、急に身につくものではない。その場しのぎの知識だけでは、所作がぎこちなくなってしまうだろう。1年間かけて、基本からしっかりと身につけられるとは、非常に貴重な体験である。ぜひ「作法」が学べるメリットにも注目していただきたい。

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