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スクール特集(目白研心高等学校の特色のある教育 #3)

第1志望を諦めない進路指導で、難関大学への合格者が大幅増!

目白研心高等学校では、2021年度の難関大学への合格者数が大幅にアップ。合格実績を大きく伸ばした要因とは?

新型コロナウイルスの影響や、新たに導入された大学入学共通テストなど、受験生にとっては戸惑うことが多かった2021年度大学入試。そのような中で目白研心高等学校では、GMARCHへの合格者が前年度の17名から68名に大幅アップ。この躍進につながった進路指導について、進路指導部主任の矢部隆宜先生に話を聞いた。

第1志望は下げずに、第2志望以下を厚くする

2021年度の合格実績は、GMARCHが17名から68名、早慶上理が4名から9名となるなど、前年度と比べて大幅に伸びている。その要因について、矢部先生は次のように語った。

「いくつかある要因の1つとして、緊急事態宣言による休校中も学びを止めなかったことが挙げられると思います。タブレットを持っていない生徒には学校から貸与して、高3に関しては4月の中旬からオンライン授業を開始しました。また、共通テストがスタートし、新しい入試に生徒たちも不安があったと思いますが、最後まで諦めず、中期・後期まで受験したことも大きな要因だったと思います」(矢部先生)

2021年度大学入試は、休校の影響や新入試に対する不安から志望校選びが慎重になり、一般的には安定志向が強まった。しかし同校では、第1志望は絶対に下げないという方針で、進路指導を行ったという。

「みんなが安定志向なら、第1志望を下げたら全体がそのまま下がるだけで、下げたところで同じ勝負をすることになります。それならば、第1志望は変えずに、第2志望以下を例年より多めにしたり、もう1ランク下の大学も受験しておくなど、厚めにする方がよいと考えたのです。生徒はもちろん、保護者や担任団にもしっかりと伝えて納得してもらいました。その結果、上位の大学で繰り上げ合格や補欠合格がかなり出て、上智や青学、立教、明治などにも多数合格することができたのです。定員の厳格化などもあり、大学側は合格者を出しすぎないように調整しています。その関係で、定員に達しない大学や学部が出て、補欠合格などが増えたのでしょう」(矢部先生)

▶︎進路指導部主任 矢部隆宜先生

ゴールは大学ではなくその先

同校では、「特進コース」「総合コース」「Super English Course」の3コースがあり、2年次に「総合コース」は「英語難関クラス」「理系クラス」「文系クラス」、「特進コース」は「特進文系クラス」「特進理系クラス」のいずれかを選択。それぞれの進路目標を明確にして、希望する進路の実現を目指す。

「大学がゴールではないと考えると、志望大学を決める際に職業についても知ることが必要です。大学についての情報や様々な職業について知る機会として、大学に進学し、就職が決まった卒業生を招いて話を聞く進路懇談会も開催しています。大学生活や就活、先輩が就職する予定の企業や業種について知る機会です。生徒たちは自分が職業について浅くしか知らないことに気づき、職業について深く調べ始めるきっかけとなっています。生徒の興味や関心から、職業適性や学問適性の結果を分析する河合塾の『R-CAP検査』なども実施して、モチベーションアップにつなげています。自分が何をしたいか、どのような道に進みたいかがわかっていないと、いくら勉強しなさいと言っても難しいでしょう。大学の学部や学科について調べて、何のために勉強するのかを見つけられた子は伸びていきます」(矢部先生)

夜8時まで学校で勉強ができる学習支援センターには、チューターが常駐している。同校の卒業生がチューターとして生徒たちと接することも、よい刺激となっていると矢部先生は語る。

「卒業生がチューターとして学習支援センターにいることで、自分たちが通っている学校で勉強した先輩が大学に入り、その後どんな職業に就くかなどもわかるので、よいロールモデルになっていると思います。特進コースは、夏休みに勉強合宿か校内での強化勉強会を行いますが、進路指導の一環として特進コースで学んだ先輩に来てもらっています。チューターと同様に、身近な存在で、年も近い先輩に来てもらうことは、よい刺激になっているようです」(矢部先生)

ステップ・バイ・ステップで自信につなげる

同校では、グローバル社会で活躍する人材を育てるために、「コミュニケーション力」「問題発見・解決力」「自己肯定力」という3つの力を身につけることを目標としている。「自己肯定力」を高校入学時から育んでいくことは、大学受験にも大きな力になると矢部先生は語る。

「本校に入学する生徒は、高校受験で第1志望に落ちてしまった子も少なくないです。心に傷を抱える子たちが、自己肯定感を復活させることは簡単ではありません。ですから、まずは中学校の復習から丁寧に取り組んでいます。生徒たちには、『わからないことがあってもいい。今勉強して、わかればいい。わかっている人は、復習だと思ってやってみよう』と言っています。ステップ・バイ・ステップで、わかるものを1つずつ増やしていき、自分は大丈夫だという気持ちを持たせてあげることが大切だと思います」(矢部先生)

生徒たちの変化は、進む道を考えるフェーズごとに表れてくるという。

「もちろん個人差がありますが、最初の転機は1年生の2学期。文理を決める予備調査を行う頃です。やりたいこと、興味を持てるものがある子は、そこで変わっていきます。次の転機は、2年生の秋です。受験を翌年に控えて、どのような道に進むか本格的に考えます。学部や学科、具体的な大学を決めるために、模試の結果を見返したりして、このままではダメだからもっと頑張ろうと、変わっていく子も多いです」(矢部先生)

後半に伸びるのは目標を持っている生徒

2021年度の入試では、部活動も頑張って、上位の大学に合格した生徒も増えている。

「ここ数年、学力があればなんとかなるわけでもないと、強く感じるようになりました。勉強はできるけれど、どの分野を目指そうとか、何がしたいかなど、目標が決まっていない子は意外と後半で伸びない傾向があります。逆に、目標がある子は、大丈夫かなと思っていても、最後に大逆転することも多いです。総合型選抜など、入試も多様化しています。部活と大学受験の勉強を両立させることは難しいと考えるかもしれませんが、部活で培った経験を入試に活かすことも可能なのです。今回、チアリーディング部で頑張った経験があるからこそ、総合型選抜で受験することができ、上智に合格した生徒もいました」(矢部先生)

今後も、第1志望を下げないという大きな柱は変えずに、総合型選抜や学校推薦型選抜をこれまで以上に活用して、希望の進路実現に向けた進路指導を行っていきたいと、矢部先生は語る。

「大学入試の多様化については、生徒はもちろん、保護者に向けても、進路ガイダンスを開いて現状を伝える努力を続けていきます。保護者と子どもの認識が一致していないと、話がよい方向に進みません。最後まで諦めないこと、第1志望を下げずに頑張るという点はぶれずに行きたいですが、特進コースなどで一般選抜に絞るという点は、柔軟に対応できるように変えていきたいと考えています。総合型選抜や学校推薦型選抜もうまく活用しながら、第1志望を叶える指導内容を整えていきたいです。英検に関しては、すでに授業の中で対策ができていますが、小論文の書き方や自己アピールの仕方なども、模試などで試せる機会を作っていきます。本校は2009年に共学校として新たにスタートし、進学校化を進めてきました。着実に積み重ねてきたことの成果が、2021年度の入試で見えてきたと思います。進学校としてしっかりと認知されるように、さらに進化していきたいです」(矢部先生)

<取材を終えて>
2021年度の合格実績が大幅に伸びたことは、学習支援センターの活用や基礎学力の定着など、これまで行ってきた取り組みの積み重ねがベースにあったからこその結果である。特に、部活動と勉強を両立させて合格した生徒にとっては、学習支援センターの存在は大きい。塾や予備校に通わずに、学習支援センターを活用して難関大学に合格した卒業生も増えている。基礎から大学入試まで、学内ですべての学びを完結させるサポート体制が整っていることも要因の1つといえるだろう。

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