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文化学園大学杉並高等学校

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スクール特集(文化学園大学杉並高等学校の特色のある教育 #2)

世界で通用する英語教育と自分の価値を磨く「感動」教育を実践

日本とカナダの教育を同時に受けられるダブルディプロマ、生徒主体の授業、学習のルーブリック評価など新たな取り組みを次々に実践している文化学園大学杉並中学・高等学校。進化する同校の教育活動を探る。

日本にいながら、カナダの教育を受けられるダブルディプロマコース*の導入をはじめ、様々な教育改革を実践し、多様化する国際社会で活躍する若者を育てている文化学園大学杉並中学・高等学校。今年度より、ダブルディプロマ準備コースを中1に設置し、また全学年で中間考査を廃止して、思考力や表現力等を評価する仕組みをつくるなど、新たな取り組みも始まった。同校が目指す教育について松谷茂校長が語る。

*ダブルディプロマコース…日本の中等教育と並行して、カナダのブリティッシュ・コロンビア州教育省から派遣された教員が、オールイングリッシュでカナダの公的教育を行う。卒業時は、カナダをはじめ、アメリカ、イギリスなど英語圏すべての大学に出願可能な卒業資格を取得することができる。

世界照準の教育、文武両道を実践。男女共学化が浸透

以前から英語教育に力を入れてきた同校は、2015年度に、ダブルディプロマコースを導入。カナダの教育スタイルを取り入れることで、生徒が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングや体験型授業を確立するなど教育改革を進めている。そして、2018年度より男子生徒を募集し、共学校へと生まれ変わった。
「ダブルディプロマコースの導入により世界に関心をもつ生徒が入学し、海外大学へ進学をするなど一定の成果が出ています。これからの時代は、英語力はもちろん多様な考え方や価値観をもつ社会で協働し、創造していく力が求められます。このような背景を踏まえ、学校改革の一貫として共学化をスタートしました」と松谷校長は話す。

 この4月からは全学年が男女共学となり、中1に関しては、男女の比率がほぼ等しくなった。「共学化が浸透した理由には、英語教育の強化とともに自分で考えて発信する欧米型の授業スタイルを実践していることが大きいですね。また、学校の特色としてクラブ活動がさかんで、文武両道を貫いていること。明るく活発な校風であることなどが、男子生徒にも受け入れられたのだと思います」
 運動系のクラブは、バレーボール部とハンドボール部以外は男女共通で、新たに男子だけのクラブとして、サッカー部、バスケットボール部(中学のみ)、バレーボール同好会(高校のみ)が設置された。「男子はバスケットボールやサッカーが人気ですね。サッカー部は、元日本代表の岩政さんがコーチとして指導をしています。男子のクラブは、誕生して日が浅いですが、ソフトテニス部が東京都の大会でベスト16に入るなど、すでに結果を出しているんですよ」
ちなみの松谷校長は、校長に就任する前は、ソフトテニス部(女子)の監督を務め、全日本高等学校選抜大会で2度も優勝に導くなどの功績を収めた。現在もソフトテニスの本の監修や、協会の理事を務めるなど、ソフトテニスの普及に貢献している。

▶︎松谷茂校長

問題解決型、体験型の学習を通して思考力、表現力を育む

同校では、教育改革の1つとして、生徒が主体的に問題解決を行う授業を実施。「ある課題に対して、自分で考えたり、グループで意見を交換したりして答えを導き、発表やプレゼンをする授業を行っています。現代の激動の社会を生き抜くには、自ら考えて行動する力を身につけることが何よりも重要です。そのためにも、習得した知識を活かす学びを積極的に取り入れています」と松谷校長先生。
課題解決(PBL)型の学習には、ICTも活用されている。「生徒は1人1台、タブレット端末を所持しているので、協働学習を効率よく進めることができます。また、タブレット端末は、日々の学習や生活の管理にも使用しています。教員が生徒1人ひとりの状況を把握することができ、それをもとに年6~7回面談を行い、進路や学習、生活の指導をしています」

さらに、体験型の学習にも力を注いでいる。「社会現象や身の回りのこととなど、勉強が身近になれば、関心も深まります。例えば、物理の授業で後楽園へ行き、ジェットコースターの重量と加速度について学習をしました。最後に課題を出して、それが解けるとジェットコースターに乗ることができる…という楽しみを付け加えましたので、生徒も必死になって取り組んでいましたね(笑)。その他、外資系の保険会社へ行って保険の仕組みを学んだり、証券会社で株の売買を教わり、実際に起業をしてみたり…。このような体験型の学習は、カナダの教育スタイルを導入たことで、さらに広がりました」

全学年で中間考査を廃止。成績にルーブリック評価を導入

同校は2020年度にも、新たな取り組みを始動している。
「昨年度までは、ダブルディプロマコースを高校で、ダブルディプロマ準備コースを中2、中3で設けていましたが、この4月より中1の準備コースも立ち上げました。英検準2級レベルの英語力をもつ生徒が対象となり、その基準の英語力になれば中2からの編入も可能です。
本校には、帰国生や外国籍の生徒など最初から英語力の高い生徒もいますが、中学に入学して、英語を0から学んだ生徒も3年間でほぼ全員が英検準2級を取得できるまで力をつけていきます。ネイティブ・スピーカーの教員が主導し、年間200時間を超える授業が成果を上げているのだと思います」と松谷校長。
「中2で英検1級に合格した生徒もいます。昨年のダブルディプロマコースの高3生は、半数が1級、残りの半数が準1級を取得しました。英語だけでなく、他の教科も含めてAランクの成績(カナダの公的教育)を収め、ブリティッシュ・コロンビア州の学校のなかでは、本校はトップクラスです」。そして、海外大学への進学も年々、増加している。

その他、新しい取り組みとして、全学年で中間考査を廃止する。代わりにこの時間には、課題解決型の授業を行うという。「校外でグループワークをしてもよいですし、仮説を立てて実験で検証し、発表する学びなど、各教科ともアクティブな授業を実施します。また、成績もテストや偏差値だけを反映するのではなく、思考力や表現力なども評価できるよう、また、学習の到達度を教員と生徒で共有できるようにルーブリック評価を取り入れます。自分の目標に向かって意欲的に勉強するには“今、どれだけ学べているのか”“自分はどの過程にいるのか”を生徒自身が把握することが大切なのです」

多様性を受け入れ、自分で考え行動できる人間へ 

生徒の主体性を育む教育は、放課後の過ごし方にも表れている。「学校には様々なスタイルの自習スペースがあり、中学生は7時、高校生は8時まで自学自習をすることが可能です。また、外部の予備校の講師による講習や授業のフォローアップも行っています。部活を終えた後に勉強をして、学校で完結をする。担任も5時までいますので、面談をしたり、学習のサポートをしたりしています」

このように社会の変化に対応した教育アプローチを行っている同校。「ダブルディプロマコースの導入などから、本校には様々なバックグラウンドをもつ生徒が在籍しています。国籍や性別を超えて、多様な価値観を受け入れながら自分自身の価値観も磨いてほしいですね。
私たちは、授業や行事、クラブ活動など学校生活全般を通して『感動』の教育を提供していきます。そして、繰り返しになりますがどのような社会でも自分で考えて行動できる、そんなたくましい人間を育てていきたい。身につけた力を駆使して、グローバル社会で活躍してほしいと願っています」

<取材を終えて>
同校は女子校の時から、英語教育やクラブ活動がさかんで、生徒それぞれが自分のやりたいことを追求しているイメージがあった。そして、松谷校長も、「本校には、互いにできないところを助け合い、失敗を恐れずに行動する風土がある」と話す。このような学校だからこそ、欧米型の学習スタイルや共学化が、すんなりと受け入れられてきたのだろう。また、ダブルディプロマコースの導入や、中間考査の廃止など「今、生徒に必要な教育は何か」という観点で思い切った改革ができるのも同校の魅力だと感じた。

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