スクール特集(東京立正高等学校の特色のある教育 #2)
高1でダンスドリル全国大会出場! 充実した学校生活とターム留学への期待
東京立正高等学校は、1人の生徒が勉強と部活の両方を頑張る「文部両道」を目指している。「アドバンストコース」で勉強と部活を両立させている、高1の生徒を取材した。
東京立正高等学校は、「スタンダードコース」「イノベーションコース」「アドバンストコース」という3コース制で、それぞれの目標に合わせて充実した学校生活が送れる環境が整っている。「アドバンストコース」で勉強も頑張り、ダンスドリル部では全国大会への出場を果たした高1の生徒に、学校生活について話を聞いた。
2022年度からターム留学がスタート!
同校は、「スタンダードコース」「イノベーションコース」「アドバンストコース」の3コース制となっている。「スタンダードコース」は進路の幅が広く、専門学校や短期大学、4年制大学への受験に対応するコース。「イノベーションコース」は中高一貫の生徒たちと高入生が合流し、通常の学習以外にSDGsをもとにした課題解決型の学習にも取り組む。「アドバンストコース」は、難関大学入試対策に的を絞ったハイレベルな学習を行うコース。3年間クラス替えをすることなく、団結して「難関大学合格」という同じ目標に向かう。いわゆる「特進コース」にあたるコースだが、部活動にも参加可能。同校が目指す「文部両道」は、勉強を頑張る生徒と部活動を頑張る生徒がいるという意味ではなく、1人の生徒が両方頑張る「文部両道」である。
2022年度から、3ヶ月程度のターム留学(ニュージーランド)を実施。対象は高校1・2年生の希望者で、どのコースでも留学できる。1月末から4月初旬までの約3か月間、ホームステイをしながら現地校へ通う。現地校の留学生担当に相談しながら、自身の英語力に合わせて履修する科目を選択。3学期の成績は、1学期と2学期の成績を基に算出される。初めての実施となる今年度は、高1の生徒11名が留学する予定。
高入生にインタビュー
Nさん(高1 アドバンストコース 部活動:ダンスドリル部)
――この学校を志望した理由を教えてください。
Nさん 小学生の頃から英語に興味があり、留学してみたいという思いがありました。留学を視野に入れて高校について調べていたら、東京立正は3ヶ月のターム留学ができると知ったのでいいなと思いました。
――これまでに海外に行ったことはありますか?
Nさん 小学生の頃にはフィリピンに、小学校を卒業した春には韓国へ旅行したことがあります。言語を学ぶのが好きなので、旅行前に韓国語を少し学んで、現地でタクシーの運転手さんと話をしてみました。運転手さんは日本語がわかる人も多かったので、伝えたいことは伝わったと思います。
――「アドバンストコース」を選んだ理由を教えてください。
Nさん 自分の力をより伸ばせる環境で、勉強したいと思ったからです。難しい勉強になると思いますが、周りのみんなも頑張っていれば、自分も頑張れると思いました。
――学校説明会では、どのような話が印象に残っていますか?
Nさん 先生の説明が1つ1つ丁寧だと感じ、勉強だけでなく、楽しい学校生活を送るためにもいいかなと思いました。他校だと、特進コースは部活に入れないところもありますが、「アドバンストコース」でも部活と両立できるのもよかったです。中学生のときはダンス部に入っていたので、 ダンス部かダンスドリル部のどちらかに入りたいと思っていました。ダンス部とダンスドリル部があったことも、志望理由の1つです。
――実際に入学してみて、どのように感じましたか?
Nさん 先生と生徒の距離がいい意味で近いです。中学校では、先生に質問したくてもなかなかできませんでした。他の子があまり質問していなかったので、自分から質問しに行くことができなかったのです。今のクラスでは、みんなも授業後に先生のところに聞きに行ったりしていますし、先生とたわいもない話もできる距離感です。
――授業や先生の印象を教えてください。
Nさん 先生方は、一人ひとり個性が強いと思います。数学の先生は中学生の担任をしているので、よく中学生の話をしてくれて、それがとても面白いです。日常の話ですが、中学生と高校生の違いが聞けたりして、中学生はかわいらしいなと思います(笑)。社会の先生は、面白い話を入れながら授業を進めてくれます。たまに授業が進まないこともありますが、ちゃんとテストまでには範囲が終わるので、メリハリのある授業で楽しいです。
――ダンスドリル部は、5年ぶりに「全国高等学校ダンスドリル選手権大会」に出場しましたが、大会はどうでしたか?
Nさん 1年生で全国大会に出場できる機会はめったにないので、先輩方に感謝しています。大会に出ていた他校は、一人ひとりのレベルが高いと感じました。3年生が中心の学校は、練習してきた長さも違うので、積み重ねてきた分がスキルとして表れていたと思います。
――練習は中学生も一緒に行っていますか?
Nさん 中学生と一緒です。中学生4人、高校生4人で練習しています。高校生は、高2と高3の先輩がいます。人数が少ないので、コミュニケーションは取りやすいです。先輩は気さくに接してくれるので、先生と同じで距離が近いと感じます。
――ダンス部とはどのように違いますか?
Nさん ダンスドリルは、全員の動きをしっかりと揃えることが大切です。腕の向きや角度などが、少しでもずれると目立ちます。私は以前、ジャズダンスとバレエのレッスンを受けていました。似ている部分もありますが、ダンスドリルならではの動きもあります。すぐにはできない技は先輩に頼って、回り方などを教えてもらいます。
――部活動と勉強の両立はどのようにしていますか?
Nさん 部活は週5日活動していますが、それほど大変とは思いません。小さいときに習い事をたくさんしていたので、スケジュールがいっぱい詰まっていました。ですから、どちらかというと今の方が楽です(笑)。勉強は、無理にするというより、やりたいときに頑張るタイプです。集中できる時間は人それぞれなので、集中できないのにだらだらと勉強していても意味がないと思っています。週2日、英語と数学は塾にも通っているので、日頃の勉強はメリハリをつけて、15分で集中して終わるときもあります。
――クラスはどのような感じですか?
Nさん クラスは26人で、女子は8人です。男子の方が多いですが、男女で分かれることなく、今週末に開催される文化祭に向けた準備もみんなで仲良く進めています。私たちのクラスは、「成功チャレンジ」の映像を作りました。例えばゴミ箱に一発でゴミを投げ入れるなど、それぞれがやりたいチャレンジを選んで成功させて、それを撮影して編集した動画です。動画製作の作業は終わったので、今は横断幕を作っています。
――留学ではどんなことをしたいですか?
Nさん 入学前から行きたかったので、とても楽しみにしています。ニュージーランドでは、3人ぐらいが同じ現地校に通いますが、ホームステイは1人ずつです。留学中に、海外の友達を作りたいと思っています。短期間の関係ではなく、何年も付き合いが続くような関係になりたいです。全部英語での生活になるので、授業についていけるか不安はあります。特に、理系があまり得意ではないので心配ですが、そこは勉強で補うしかないと思います。3ヶ月でどれだけ成長できるか楽しみです。
――留学に向けた準備などはしていますか?
Nさん 英検の勉強を頑張っています。中学のときに準2級を取得しているので、次の目標は2級です。以前、英会話スクールに通っていて、中学生の頃に一度通うのをやめたのですが、高校でまた通い始めました。今は、週1回通っています。
――将来の夢を教えてください。
Nさん 上智大学の法学部国際関係法学科に行きたいと思っています。中学生のときに通っていた習い事の教室が四谷にあったので、上智大学の前を通るたびに、大学の建物が綺麗だなとか、こんな大学生になりたいなと思うようになりました。上智大学に入るためにはかなりの勉強量が必要ですが、頑張りたいです。
――法学部国際関係法学科に進みたいと思った理由を教えてください。
Nさん グローバル社会の中で、どうやって生き抜いていくか親と話したりする中で、海外で働くことも視野に入れた方がよいと思うようになりました。英語が好きで、法律にも興味があります。国内だけでなく、海外で仕事することになった場合でも、法律を知っておくと、いろいろな業種の仕事に役立つと思うので、法学部国際関係法学科を目指しています。
――この学校を受験したいと考えている中学生に、メッセージをお願いします。
Nさん 部活と勉強を両立させたい人にお勧めの学校です。勉強だけ、部活だけというように、どちらかに力を入れている学校もありますが、難関大学を目指す「アドバンストコース」でも部活に参加できます。部活は、都大会や全国大会に出場している部もあります。今年度から留学もスタートするので、私のように留学したいと考えている人にもよいと思います。
<取材を終えて>
以前の取材(中学受験スタディ スクール特集#1)で、梅沢校長先生は「習い事などをしている児童は、級や段の取得、試合などの目標に向かって、段階を追って1つ1つクリアするという経験をしていると思います。発表会や試合では、成果を人に見られるという経験もしているでしょう。そういった経験をしてきた児童は、勉強に時間をかけてこなかった場合でも、環境が整えば学力も伸びていくと考えています。基礎から1つ1つ積み重ねて、成果を見せるという経験は、勉強にも活かせるはずなのです」と語っていた。小さい頃にたくさん習い事をしていたというNさんの話を聞いて、このときの話が思い出された。Nさんの集中力は、習い事や部活動で培われた部分も大きいと感じる。将来について明確な目標を持っているNさんは、ターム留学でも大きく成長することができるだろう。同校初のターム留学で、生徒たちがどのように成長するか注目したい。