私立中学

女子校

しながわえとわーるじょし

品川エトワール女子高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(品川エトワール女子高等学校の特色のある教育 #4)

教員と生徒の絶妙なコンビネーションで 「秋輝祭」のライブ配信が実現!

品川エトワール女子高等学校では、今年度の文化祭でライブ配信を実施。事前に制作した動画をライブで紹介していくという、例年とは異なる形で開催された「秋輝祭」について取材した。

同校では、新型コロナウイルスの感染防止策として、「秋輝祭2020」をオンライン(一部オンキャンパス)で開催した。中心となって生徒をサポートした大森健二先生(入試広報部)と武村美希先生(入試広報部・生徒指導部)、そしてライブ配信の司会を務めた高3の生徒2人に話を聞いた。

初めてオンラインで開催した「秋輝祭」

同校の文化祭は「秋輝祭」と呼ばれ、生徒たちが一番楽しみにしている行事である。例年は、部活動のステージ発表や展示をはじめ、クラスの出し物として屋台で焼きそばやお好み焼きなどの飲食物を販売したり、来校者も参加できるゲームなどを行っている。しかし今年は、新型コロナウイルスの影響で例年通りの開催が難しくなり、中止も含めて様々な形での開催を検討したと、大森先生は振り返る。

「開催できるのかというところから検討し、感染防止策を徹底する中で、どうしたら楽しい文化祭ができるかいろいろ考えました。3密を避けるためには、メインとなる屋台は難しい。そうなると、校内での展示は一部にとどめて、オンラインで開催するのがベストだという結論に至りました。決定までに時間がかかってしまったため、教員からのトップダウンという形になってしまったことが申し訳なかったです。しかし、準備期間が短い中でも、生徒たちがとても協力的に動いてくれたことに感謝しています」(大森先生)

文化祭は2日間開催され、校内では文化部の作品と各コースの教育成果を展示。運動部などのステージ発表は事前に動画を制作しておき、それを校内のスタジオからライブ配信する。来校できるのは在校生とその保護者、中学生とその保護者に限定し、オンキャンパスとオンラインの同時開催となった。

「オンラインでやると決めたものの、何もわからない状態からのスタートです。一斉休校中のオンライン授業が始まったときも、最初はZoomの使い方もよくわからず、自分には無理だと思っていました。しかし、他の先生がいろいろ工夫していたり、他校の頑張っている先生がテレビで紹介されているのを見たりして、自分も頑張ろうという気持ちになったのです。休校中にZoomは使えるようになりましたが、今度はYouTube Liveです。アカウント取得やチャンネル登録をして、まずは自分でライブ配信やアーカイブに挑戦しました。やってみたら、なんとかできるものですね。YouTube Liveも使えるようになると、さらにいろいろな可能性が広がると思います。困難な状況でもやれることはあるのだと実感できたという意味でも、よい経験になりました。withコロナといわれる状況で、各企業も様々な努力をしているので、私たち教員もコロナに負けたくないと思います。いろいろな行事が中止になってしまったので、あと半年で何か代替の行事ができないかと考えています」(大森先生)

▶︎大森健二先生(入試広報部)

▶︎武村美希先生(入試広報部・生徒指導部)

生徒が司会・進行するライブコンテンツを配信

文化祭当日は、オンラインコンテンツ用に作成したポータルサイトで、ライブコンテンツを配信しながら、部活発表などの録画コンテンツを紹介。校舎内に設置されたスタジオで、番組表に従って司会の生徒2人が進行し、スイッチングなどは教員が手伝った。動画制作や司会を担当したのは、同校のマルチメディア表現コースの生徒たちだと、武村先生は説明する。

「マルチメディアの生徒たちは、授業で動画制作もしています。文化祭用の動画編集をやってもらいたいと話したら、2年生と3年生が協力してくれました。コース説明などの部分は各コースの生徒も協力してくれましたが、それを短い期間で編集しなければならなかったので大変だったと思います。以前から、番組作りのようなことも経験させたいと考えていたので、作った動画をただ公開するだけでなく、テレビ番組風に紹介していく形にしようと私が提案しました。準備期間が短かったのですが、『楽しそうだよ、できるよね?』と言ってみたら生徒たちも盛り上がってくれたので(笑)、リアルタイムでの配信も行うことができました。配信当日の司会は生徒会の生徒たちとローテーションし、配信側も楽しんでいることが伝わるような番組になりました。(武村先生)

今回、動画制作の中心となった生徒たちが学ぶマルチメディア表現コースでは、デザインやデッサンの基礎を学んだ上で、iMacと様々なクリエイティブ系ソフトを活用して、高い専門技術を習得。クリエイティブ系専門学校と同レベルの学習環境の中で、CGデザイン、アニメーション、ゲーム、映像、音響分野を体系的に学んでいる。同校にはほかに、キャリアデザインコース、国際キャリアコース、ネイチャースタディコースがあり、2021年度からは保育コースも加わる。

ライブ配信で司会をした生徒2人にインタビュー

▶︎写真左からKさん、Iさん

Kさん(マルチメディア表現コース 3年) 生徒会会長
Iさん(マルチメディア表現コース 3年) 生徒会副会長

――動画制作ではどんなことが大変でしたか?

Kさん 動画を作ってもらいたいと先生から言われたのが唐突で、開催の3週間ぐらい前です。「今から?」と思いましたが(笑)、文化祭は開催したかったですし、頑張らないと間に合わないと思ったので、すぐに動き出しました。テーマやどんなふうに撮影するか考えるまでに1週間ぐらいかかり、それが一番大変でした。

Iさん 本当に唐突でした(笑)。マルチメディアの作品づくりと重なってしまったので、同時進行だったのが大変でした。音やテロップを付けたり、凝り始めると時間をかけてしまうこともありましたが、作業はとても楽しかったです。編集の勉強になり、技術もかなり上がりました。

――どんな動画を作りましたか?

Iさん 1日目は受験生などの外部向け、2日目は在校生や保護者などの内部向けになるように、内容を変えました。外部向けは、コースや施設の紹介などを中心に作っています。内部向けは先生が挑戦する企画など、先生方のことを知っている人たちが楽しめる内容です。YouTubeに慣れていない家族などは「どこから見るの?」と戸惑っていましたが、アーカイブで見られるので、家に帰って教えてあげられました。

Kさん 内部向けの動画では、先生方にポエムを作ってもらい、それを国語の先生が評価して優勝者を決めるという企画が面白かったです。編集作業は大変でしたが、動画を作ることが楽しかったので、みんなで爆笑しながら編集していました。

大森先生 私もポエムを作りました。私たちからオンライン文化祭をやろうとお願いしたので、恥ずかしかったですが作るしかなかったです(笑)。

武村先生 外部の方たちは、本校の教員たちをほとんど知りません。教員がたくさん出てくる動画を見てもたぶん面白くないと思ったので、外部向けは学校紹介が中心です。内部向けでは、教員が質問のパスリレーをしたり、スタジオでトークや漫才などもしています(笑)。

――司会・進行で大変だったことは?

Kさん 台本は先生が作ってくれたので、それをもとに進行しました。2日目は当日に台本をもらったので大変でした(笑)。台本通りにいかないこともありましたが、動画を流している間に話し合うことができたので、スタジオに切り替わるときにはなんとか対応できました。 

Iさん もともと人前に出る仕事に興味があったので、芸能人になった気分で楽しかった です(笑)。普段から話すことが好きなので、特にお手本にしたMCなどのイメージはなく、いつも通りに話しました。大変だと思ったことは、フリートークのつなぎで何を話そうか、少し困ったことぐらいです。

――高校生活最後の文化祭はどうでしたか?

Kさん いろいろな人に依頼したり、初めてのライブ配信で司会・進行も経験できました。先生方のサポートにも感謝しています。動画と動画の間にあるフリートークは、時間が決められているので、アナウンサーのような仕事でした。短い準備期間の中で頑張ったことは、貴重な経験だったと思います。

Iさん 芸能人の収録並みにハードだったと思います(笑)。高校生活最後なので、文化祭はやりたいという気持があり、開催できて本当によかったです。今年は体育祭が中止でしたし、行事という行事ができませんでした。最後の文化祭でもあり、最後の生徒会活動でもあります。生徒会の仕事を後輩にあまり教えられていなかったので、この機会に一緒に活動できたことも嬉しかったです。コロナはあってほしくなかったですが、コロナがあったからより先生方との仲が深まったと思うので、その点はよかったと思います。

大森先生 開催の決定が遅くなり、トップダウンになってしまったので、私がやりたい文化祭のようになってしまったことは反省しています。

Iさん 先生がやりたい文化祭が実現できてよかったです(笑)。

――この経験を通して、成長したなと感じることはありますか?

Kさん たくさん動画を作ったので、編集技術はかなり上がったと思います。短い期間で各班2本ずつぐらい作りましたが、私たちの班は5本作りました。

Iさん 対応力と反省です。2日連続だったので、1日目にできなかったことを2日目にやろうと反省を活かす場があり、改善できたことがよかったと思います。

武村先生 担任として2人を身近で見てきましたが、2人とももともと活動意欲が高く、積極的に動いてくれる子です。今回の経験を通して責任感が増して、自分たちで考える力や次に活かそうとする行動力などが今までより出てきたと感じます。3年生全体で見ると、やはり動画編集の力はかなり上がりました。第3者に見てもらうものを作るという経験は、作品の見られ方を考えるきっかけになったと思います。それは、今後の授業で作品を作る上でも活かされるでしょう。

――将来の夢を教えてください。

Kさん アクセサリーを自分でデザインして作るところまでやりたいので、それが学べる科がある大学を目指しています。

Iさん トリマーになりたいので、専門学校に進む予定です。犬が大好きなので、犬を見ていると癒されます。動画の編集も習っているので、身に着けた技術を使っていきたい気持ちもあります。動画関連の手伝いをしたり、自分が動画を作って発信することもしていきたいです。

――この学校のいいなと思うところを教えてください。

Kさん 施設もきれいですが、一番の魅力は先生との距離の近さだと思います。フレンドリーな先生が多く、質問などもしやすいです。
 
Iさん 同じになってしまいますが、先生との距離が近いので、わからないところなどが聞きやすいです。テストの前も先生方が親身になってくれます。施設がきれいで、マルチメディア情報教室にあるパソコンや本格的な音響・映像機材なども他にはあまりないと思います。

大森先生 2人が「先生との距離が近い」と言ってくれていますが、生徒たちが協力してくれるからそう感じるのだと思います。協力的な生徒が多いことが、こちらとしてもありがたく、そこがこの学校の好きなところでもあります。自分が高校生のときを振り返ると、あまり先生のところへなんて行かなかったですから(笑)。

武村先生 私は子どもたちと関わるのが大好きなので、生徒たちから近寄ってきてくれて毎日楽しいです。他の教員も、生徒たちに話しかけられたり、一緒に話すことが楽しいと思っている人が多いと思います。生徒たちが「楽しい!」と言ってくれることが、何より嬉しいです。職場としても、楽しく通えるいい学校だと思っています。

<取材を終えて>
インタビューした2人は、初めてのライブ配信であったにも関わらず、とても自然な感じで司会をしていた。途中で小さなハプニングも起きていたが、慌てることもなく対応している。大変なことやハプニングさえも楽しめてしまう雰囲気が、学校全体から感じられた。教員も生徒たちも、「まずはやってみよう!」という気持ちを大切にして、失敗を温かく見守ることができるからなのだろう。

「秋輝祭2020」(外部向けの動画のみ視聴可能)
https://sites.google.com/etoile.ed.jp/etoile-fes-2020/home

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