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関東国際高等学校

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スクール特集(関東国際高等学校の特色のある教育 #9)

10言語を学べる外国語教育。20カ国の高校生と交流できる「世界教室」を開催

多言語が学べ「外国語教育のKANTO」と呼ばれる関東国際高等学校では、毎年、世界各国の高校生と交流する「世界教室」を開催。その取り組みや外国語教育について副校長の黒澤眞爾先生に話を聞いた。

2024年度にフランス語コースを開設。各言語とも2週間の「現地研修」を実施

同校には普通科と外国語科があり、外国語科は英語に加え、中国語、ロシア語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語のコースをつくり、今年度(2023年度)よりイタリア語とスペイン語のコースを新設、2024年度にはフランス語コースを開設する。これにより外国語科では計10の言語を学ぶことができ、名実ともに「外国語教育のKANTO」と呼ぶにふさわしい教育環境が整った。

この4月、新しくスタートしたイタリア語コースには15名、スペイン語コースには38名の生徒が入学した。「外国語のコースが増えることは、生徒の選択肢が増えることになり、自分の意思で選択をすれば、外国語を学ぶ楽しさも実感できます」と黒澤先生は言う。「また、学校が常に新しいことにチャレンジし、前に進んでいる状態もよいと思っています」

同校には既に多言語コースのプログラムの下地があり、来年度からスタートするフランス語コースにおいても、ネイティブ・スピーカーと日本人の教師が、フランス語を基礎から指導。なお外国語科では、英語コース以外は各言語の授業を週に5~10時間、英語を5~6時間(学年・選択科目によって異なる)実施している。

また同校は、世界22の国と地域の学校との間に「世界教室」と称するネットワークを構築。年に1回、各国の代表生徒が一同に会し、約2週間のワークショップや交流活動を行う「世界教室国際フォーラム」を開催している。さらに学校間のネットワークを活かし、約2週間の「現地研修」を実施。対象国は中国、ロシア、韓国、タイ、インドネシア、ベトナム、イタリア、スペイン。現地に滞在して、言語や文化の学びを深めるという研修で、来年度はフランスも加わる。そのほかにも、世界教室提携校の生徒宅に滞在して提携校に約10ヵ月通う「交換留学」や、普段訪れることが少ない国や地域に赴く「異文化体験ツアー」なども行っている。

▶︎副校長 黒澤眞爾先生

現地研修(インドネシア)

外国語の学びが自己肯定感を高め、その成果が大学進学実績に反映

外国語の学びは、言語の習得だけでなく生徒の自己肯定感を高めると黒澤先生は言う。
「中学、高校での言語教育は、理屈ではなくフィジカルなものです。努力をすれば、必ず語学の力が身につきます。個人差があるので歩みが遅い人もいるでしょうが、後退することはありません。1歩でも2歩でも前に進み、その成果を自分でキャッチアップすることができます。また、学んだ言語を使って『現地研修』でコミュニケーションをとったり『○○語ができるんだね』と周りからほめられたりする経験が、自己肯定感につながるのだと思います」

実際、数年前に「外国語を学ぶことについてどう思うか」というアンケートをとったところ、半数以上の生徒が「自分を肯定的に見られるようになった」という趣旨のことを書いていたそうだ。

「以前は『英語が不得意だから代わりに△△語を学ぶ』というネガティブな考えで多言語コースを選ぶ生徒もいましたが、今は『英語プラスもう1言語を学ぼう』ととても前向きです。あるいは入学時は消極的であっても、3年間の語学学習のなかで、自分を肯定できる機会を得たのでしょう。外国語の学びを通して、その他の勉強や活動にも積極性が見られるようになりました。そういう経験は英語教育一辺倒では難しく、言語のコースが増えればそれだけ可能性も広がると私たちは考えています」(黒澤先生)

その成果は、大学進学の実績にも現れ、2023年度は卒業生の約78%が現役で4年制大学・海外大学に進学。また毎年、上智大学や青山学院大学、立教大学などの難関私立大学に合格者を出している。
「本校は学校推薦型、総合型選抜受験で、生徒の希望する進路の実現を目指しています。それに向けて、指定校推薦枠を豊富に設け、高大連携ブリッジ授業(2年生秋~3年生春)や、英検対策授業(放課後補習も実施)、小論文授業をカリキュラムに組んで、生徒たちの学習をサポートしてます」(黒澤先生)

※2023年度大学入試合格状況

現地研修(インドネシア)

20カ国の高校生と交流する「世界教室」。中学生には同校生徒がサポートも

このような外国語教育及び、生徒や学校の様子を知るのに最適なイベントが、10月14日(土)、15日(日)に開催される。世界20カ国の高校生が集う「世界教室2023」だ。黒澤先生によると、「コロナ禍を経て、4年ぶりに対面での開催となります。学校のさまざまな場所でイベントやブースを用意しているので、たくさんの中学生たちに参加してほしいですね」と話す。

カフェテリアの2階では、世界教室メンバー校の生徒が自国の言葉と文化を教える「言語と文化のミニレッスン」を開催。体育館では、メンバー校の踊りや歌、同校のダンス部や吹奏楽部、バトン部等の発表、生徒による各科コースの紹介などが行われる。そのほか、同校の言語教員と世界教室メンバーが一緒に提携校のある10か国に「バーチャル留学」するプログラムや、世界各国の食べ物を提供する「ワールドキッチン」を開くなど、多様なプログラムとなっている。また、当日は来校した中学生全員に「KANTOバーガー(ハンバーガー)」、さらにスタンプラリー参加者には「KANTOオリジナルグッズ」のプレゼントがある。

「一度に20カ国の高校生と交流することは、なかなかできない体験だと思います。今はオンラインでもコミュニケーションはとれますが、やはり直接会えば、身振り手振りでも意思疎通ができ、互いの距離が縮まりますね」と、黒澤先生は対面交流の良さを語る。

「また国や地域によって違いが見られるのも面白いと思います。中学生の皆さんには、『世界教室2023』でいろいろな国の人、言語、文化に触れてもらいたいですね。海外の人とは英語でのコミュニケーションが中心になりますが、英語に自信がなくても本校の生徒がサポートで入っているので全く心配はいりません。メンバー校の高校生による言語レッスンも、簡単なクイズを楽しみながらのもの。とても楽しい内容になっています。遊びに行く気持ちで、気軽に参加してください」

世界教室2023
開催日時 2023年10月14日(土)、15日(日)
各日10~16時(入場は15時30分まで)
参加申し込みフォームはこちら↓
世界教室2023 | 学校法人関東国際学園 関東国際高等学校 (kantokokusai.ac.jp)

<取材を終えて>
3年間の外国語教育を通して、生徒たちに自己肯定感が育つという話が印象的だった。また、同校の大学進学実績が高いのは、学校が指定校推薦枠をたくさん設け、英検や小論文対策などを徹底していることもあるが、生徒の前向きな姿勢も大きいのだろう。世界とつながっている環境も素晴らしく、中学生たちは貴重な体験ができる「世界教室」に、学校見学のつもりで参加してみてはいかがだろう。

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