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しばうらこうぎょうだいがく

芝浦工業大学附属高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(芝浦工業大学附属高等学校の特色のある教育 #7)

卒業生3人が語る!高校から大学、そして社会へとつながる学び

芝浦工業大学附属高等学校では、芝浦工業大学と連携し、高校の授業で工学の楽しさなどを体験。どのような学びが大学につながっているか、卒業生に話を聞いた。

芝浦工業大学附属高等学校では、芝浦工業大学との連携により、大学教授による工学の講座などを実施している。理工系の大学に進んだ卒業生3人に、同校での学びと大学での学びのつながりなどについて話を聞いた。

芝浦工業大学との連携によるキャリア教育

同校では、高校からの入学者は、原則、芝浦工業大学への推薦進学を目指すコースに所属。高入生のカリキュラムには、1年次から3年次まで週2時間ずつ、芝浦工大の教授による「Arts and Tech」という授業が組み込まれている。大学生や大学院生のサポートも得ながら、ものづくりを実際に体験し、工学の楽しさを学ぶ授業だ。1年次に行う材料力学の講座では、スパゲティを利用して橋を設計し、橋の構造を学びながらより強度が高い橋を製作する。そのほか1年次には、機械機能工学、電気・情報工学、情報通信工学、生命化学の講座を実施。高校での学習内容が、大学や社会とどのようにつながっているのかを体感することができる貴重な体験となっている。

2年次の「Arts and TechⅡ」では、デザイン工学部の教授陣を迎えて、デザインすることの対象が「モノ」と「コト」であることなどを学ぶ。3年次の「Arts and TechⅢ」では工学をより専門的、より論理的に学び、研究計画書の書き方や研究の進め方なども説明。授業を通して、理工系大学へのより具体的なイメージをつかむ。

ほかにも大学との連携により、2年次に芝浦工大の全学部・全学科の教授が2時間連続の講義を実施。3年生の成績優秀者は、平日午前の授業終了後、芝浦工大のキャンパスへ移動して、大学の講義を受講することができる。学期末には大学生と同様に試験を受け、合格すれば進学後の単位として認定。女子生徒に対しては、工業大学へ入学することやその先のキャリアへの不安を考慮して、「女子生徒のためのキャリア懇談会」も行っている。芝浦工大には女子学生が約2割在籍し、中には約4割が女子という学科もあるという。懇談会では、女子の先輩に大学生活や就職などについて相談できる。

卒業生3人にインタビュー

Kさん(中入生) 東京理科大学理学部第一部応用物理学科3年生
Hさん(高入生) 芝浦工業大学工学部材料工学科3年生
Iさん(中入生) 芝浦工業大学建築学部建築学科SAコース3年生

▶︎写真左より:Kさん(中入生)、Hさん(高入生)、Iさん(中入生)

――それぞれの学科を選んだ理由を教えてください。

Kさん 中3か高1ぐらいのときに、自分はエンジニアリングより基礎研究の方により関心があると気づきました。それで、芝浦工大より基礎の基礎を研究できる東京理科大の応用物理学科を選びました。

Hさん 高校生のときは、まだやりたいことがはっきりとは決まっていませんでした。材料系は幅広いので、大学で学びながら絞っていくことができると考えて、材料工学科を選びました。

Iさん 京都を旅行したときに、歴史のある神社仏閣などを見てその美しさに感動しました。そして、どのようにして現在まで形が保たれているかなど、建築に興味を持ちました。中高時代は建築とプログラミングに興味があったので、他大学への進学を考えたこともあります。いろいろ考えて芝浦工大の建築学科を選びましたが、他大学を受験するより、早期推薦者短期留学制度*を利用して、海外での経験値が得られる方がいいかなと思ったのも芝浦工大を選んだ理由の1つです。

*早期推薦者短期留学制度:芝浦工業大学への内部推薦を希望する高3で成績優秀者は、アメリカ・カナダの現地高校などに3カ月の留学機会が与えられる。

――それぞれの学科では、どのようなことを学んでいますか?

Kさん 応用物理学科では、ミクロレベルから見た材料に関する研究などを行います。例えば、病院で画像診断を行うMRIやリニアモーターカーなどに活用されている超伝導です。超伝導が発現するためには、低温に冷却しなければなりません。ですから、常温超伝導が実現したら、すごい進歩だと思います。発電所から送電する際に、冷却せずに超伝導線を使うことができれば、電力ロスもなく長距離輸送することが可能になるので、電力問題の解決につながります。

Hさん 1、2年の間に物理も化学も満遍なく勉強して、3年からゼミに入りました。まだ始まったばかりなので、専門的なことはこれからです。材料工学科では、製品に含まれているニッケルなどの再利用が可能な金属について、どうやって低コストで回収できるかを研究している人もいますし、社会の課題に関係ないと思われるような研究をしている人もいます。

Iさん 建築学科では、3年の後期からゼミに入ります。コンピュータ上に3Dで自分が考えた建物を再現できる、Rhinoceros(ライノセラス)というソフトを使うモデリングの授業が好きです。ゴーグルを使ったVRは、建物を身近に感じることができます。モデリングで建物を作ってVRで見たり、デジタルで保存できたら様々なことで役に立つと思います。例えば、歴史的な建物の保存です。少子高齢化により、地方にある神社仏閣が維持できなくなってきています。氏子が減ってしまうと修繕などもできなくなり、建物がリアルで存在し続けることができなくなるので、デジタルで残していくことも必要になると思います。

――中高時代に学んだことで、大学に入ってから役に立った感じたことはありますか?

Kさん 情報の授業は、エクセルやC言語など、実用的な学びでした。大学に入学してから受けたコンピュータの授業がC言語だったので、スムーズに理解できました。

Hさん 芝浦工大の先生が来て教えてくれた「Arts and Tech」の授業です。スパゲティブリッジでは、大学のゼミでやるようなことを高校で学ぶことができました。そのときに習った材料の先生とは、今でも顔を合わせたら挨拶しています。あの授業で材料に興味を持ったので、私にとっては将来につながる重要な授業でした。

Iさん 英語SUPERコース*の授業は、とても苦労しましたが、かなり力がつきました。授業は全部英語で行われて宿題も多かったです。大学での英語の授業も英語で進められますが、先生が何を言っているかわかるので感謝しています。高3の1学期の終わりには大学進学が内定したので、「早期推薦者短期留学制度」を利用して、カナダへ4ヶ月留学しました。現地の高校で授業を受けたのですが、そのときも英語SUPERで慣れていたので精神的にも安心して授業を受けることができました。現地で受けたテクノロジーの授業では、AutoCADというソフトを使って図面を描いたりしましたが、その経験も大学で役に立っています。

*英語SUPERコース:芝浦工大を目指す一般理系コースの2・3年生の中で、英語に対する意欲と能力が特に高い生徒による少人数選抜クラス。ネイティブ+日本人の複数教師との対話形式による、コミュニケーション中心の授業を展開する。

――芝浦工業大学付属中学校・高等学校を志望した理由を教えてください。

Kさん 中学入試の合同説明会で、この学校のブースがあったので話を聞きました。そのとき、「理科が好きだったら、きっと楽しいよ」と言われたので、学園祭に行ってみたら理科の実験などもやっていてとても楽しかったです。当時は板橋校舎でしたが、電子技術研究部(通称:電技研)の展示を見ていいなと思いました。ゲーム展示などをしていて、小さい部室にたくさん人がいて、すごいな、楽しそうだなと思った記憶があります。

Hさん 数学が得意だったので、それを活かして理系の高校を受験したいと思っていました。受験をしなくても大学に進学できる附属校で、校舎が綺麗な学校がいいなと思っていたので、すべての条件が重なったのがこの学校です。私も、塾の体験などで理科の実験が好きでした。共学1期生でしたが、中学生のときから「女子だから」「男子だから」などと考えずにクラスメイトと接していたので、不安はなかったです。

Iさん 僕も理科が好きだったので、説明会で理科の実験が多いと聞いて、文化祭に行きました。理科系のクラブが面白かったです。当時は板橋にあったので、通いやすいというのも理由の1つでした。

――中学、高校で印象に残っている授業などはありますか?

Kさん 中学のときに受けた技術の授業です。一般的な中学校では技術で木工をやると思いますが、この学校では電子工作をやります。手回しラジオの製作など、半田を使った工作が楽しかったです。高校の物理では、教科書は電磁気の説明に微分積分を使わないのでまわりくどかったのですが、先生が「ここは積分したらこうなるよね!」と応用的な説明をしてくれたので、スッキリと理解できたことも印象に残っています。

Hさん 「大学に入ったら絶対に必要だから」と言われて、高3の数学で行列を学びました。当時は、「なんで今やるんだろう?」と思っていましたが、大学で行列*を習ったときにみんながわからないと言っているのに、私だけ「簡単!」と思えて、テスト勉強もいらないほどだったので、とても感謝しています。

*2012 年度施行の学習指導要領で「行列」の単元は高校の数学からなくなったが、データサイエンスなどを理解する上で重要になる単元。

Iさん 課外活動の豊富さが印象に残っています。特に、中3で行った海外研修です。3コースあり(現在は4コース)、僕はシアトルへ行き、2人1組でホームステイをしました。2週間滞在しましたが、生活のすべてが衝撃的でした。例えば、クッキーが甘すぎて、僕は美味しいと思いましたが友達は食べられなかったこと。インフラでは、日本はバスなどの時間が正確ですが、シアトルでは15分前にバス停にいないと先に行ってしまうこともあり、学校へ行くのも大変でした。圧倒的な経験が得られるので、大きなアドバンテージになると思います。

――先生や部活動の思い出を教えてください。

Kさん 先生の教え方もわかりやすくて、授業は楽しかったです。質問してその場で説明するのが難しいことがあれば、次の授業までに調べてきてくれたりして、いい先生ばかりでした。所属していた電技研は楽しかったですし、社会の縮図を学べる部活だと思います。

Hさん 部活は、野球部でマネージャーをしていました。顧問の先生と監督にはとてもお世話になり、出会えて本当によかったと思える方たちです。うちの野球部は、試合で成績を残してはいませんが、本気で「甲子園へ行く!」と思っているのを感じていました。そして、本気で行けると思えるくらい、みんな一生懸命に頑張っています。そんな風に信じて頑張ることは難しいけれど、大事なことだと改めて思いました。部活が終わると、職員室の隣にある自習室で勉強していました。隣なので、わからない問題があると、すぐ先生に聞きに行けます。自分が習っている先生がいないときは、「数学の先生いらっしゃいますか!」と大きな声で呼んで(笑)、習ったことがない先生にも教えてもらいました。

Iさん 僕はジャグリング愛好会に所属して、ボランティアで施設へ行ってパフォーマンスなどもしました。みんなで楽しもうという部活で、自由に活動する時間も多かったです。授業でわからないことがあったら、練習をやめてみんなで話し合ったりして、緩い雰囲気も大きな魅力だと思います。

――将来については、どのように考えていますか?

Kさん 大学院に進学して、開発系の仕事に就けたらいいなと思っています。

Hさん まだはっきりとは決まっていませんが、営業職がいいなと思っています。素材について勉強しているので、その知識を活かして企業と企業をつなぐ人になりたいです。どの業種にするかは、インターンなどをしてから考えます。

Iさん 街づくりにも興味があるので、公務員になりたいと思っています。地方を活性化させるためには、行政が大切な役割を果たすと思います。そういったところに入って、学んだことを活かしたいです。

<取材を終えて>
3人の話から、理工系の学部・学科といっても、材料、建築、基礎研究など、幅広いことがわかった。だからこそ、どの学科を選ぶかはとても重要である。同校では、理工系の中でも、何に興味があるか知るための講座や授業が多数用意されている。附属校として芝浦工業大学へ推薦進学できるだけでなく、高大連携によるキャリア教育が充実していることにも注目していただきたい。

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