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しばうらこうぎょうだいがく

芝浦工業大学附属高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(芝浦工業大学附属高等学校の特色のある教育 #3)

共学化2年目!高大連携による理工系教育

2017年4月、芝浦工業大学豊洲キャンパスの徒歩圏にある新校舎に移転。第2期生の女子生徒にも好評の高大連携による理工系体験講座をはじめとする、大学入学後も見据えた理工系教育の特色とは?

板橋から豊洲へ移転し、2017年度から男女共学となった芝浦工業大学附属高等学校。共学となって2年目を迎えた同校を取材し、女子の第2期生となった生徒3人に話を聞いた。

「ものづくり」の分野で活躍する理工系女子の育成

日本でも女性の研究者や技術者が求められるようになったが、近年活躍が注目されている理系女子の多くはサイエンスの分野である。そこで同校では、テクノロジーやエンジニアリングなど、いわゆる「ものづくり」の分野を高校の段階で本格的に学べるように、2017年度から女子生徒の受け入れを開始した。中高一貫生(男子)とは別に、高校から入学した生徒だけでクラス編成され、1年生は男女別、2年生から男女混合のクラスとなる。1年生が男女別のクラス編成となっているのは、理工系という同じ目標に向けて女子生徒が団結し、「女子は数学が苦手」などという一般論に負けずに切磋琢磨できるようにという配慮からだ。現在、2年生は18人、1年生は18人(留学生1人を含む)の女子生徒が「ものづくり」の基礎を学んでいる。

女子の第2期生3人にインタビュー

2018年度に入学した女子生徒3人に、勉強や学校生活について話を聞いた。

▶左よりYさん、Kさん、Mさん

――理系のこの学校を選んだ理由は?

Yさん 大学入試改革があるので、大学受験をしなくてもよい附属校に進学したいと考えていました。文化祭を見学したら、思っていたより女子が生き生きしていて、男子に負けず活発だったのがよかったです。中学校の授業では理科が好きで、難しい問題を解いたときの達成感がある物理が特に好きでした。

Kさん 私も附属校に進学したいと考えていて、兄の友達が通っていたので見学に来たら、校舎がとても綺麗だったのでいいなと思いました。中学生のときは、だんだん数学が得意になってきて、特に2次関数が面白かったです。

Mさん 私は建築士になりたいと思っているので、建築士の合格者が多い大学ランキングを調べました。通える範囲で、附属校があって、上位に入っていたのが芝浦工業大学です。建築士になれる学部に外部から入るより、附属校からの方が入れる確率が高いと考えて、この学校を選びました。

――大学の先生が教えてくれる「Arts&Tech」の講座はどうですか?

Yさん ライントレースロボット※は、C言語を使ったプログラミングがとても難しかったです。数値を変えると速さが変わりますが、スピードを速くしすぎるとカーブを曲がれなくなります。100秒ちょうどでゴールできるように、動きを検証しながら数値を微調整していくのも大変でした。入学前は、大学で何を学べるのか全くわからない状態でしたが、このような体験をしていくと、学部や学科の内容を知ることにもつながるのでよいと思います。
※記事参照(高大連携による理工系体験講座「Arts&Tech」)

Kさん 私もライントレースロボットのプログラミングが難しかったですが、タイムを競ったりする中で、ロボットが思ったように動いたときは嬉しかったです。

Mさん 私は、入学前から「パスタブリッジ」※制作に興味がありました。もうすぐやる予定なので、とても楽しみです。
※折れやすいパスタ(スパゲッティ)を使い、軽くて強い橋を設計して制作する。強度計算の方法(材料工学)などの基礎を学び、橋を制作した後は重りをぶら下げて強度実験も実施。

――英語の授業はどうですか?

Yさん 中学校では、文法を勉強して板書するだけでしたが、高校ではコミュニケーションが中心で、エッセイも書いたりするので面白いです。

Kさん Xreading(オンライン多読プログラム)を使って多読もしています。ドイツからの留学生とも英語でコミュニケーションをとっているので、中学生のときより、抵抗なく英語を話せるようになりました。

Mさん ディスカッションをするときなどは、文法が間違っていても先生が意味をくみ取ってくれるので、間違いを気にせずに話せます。

――部活動や他クラスとの交流について教えてください。

Yさん 部活に入ってなくても、他クラスと交流する機会はあります。例えば、球技大会は自分の試合が終わったら、自由に他の試合を見に行ったりできるので、話したことがなかった人と話すよい機会になりました。

Kさん 私はジャグリング愛好会と卓球部に入っています。ジャグリングを体験してみたら楽しかったので、活動が週3日の卓球部と両方に入りました。兄の友達からは文化部が盛んだと聞いていましたが、やはり部員数は電子技術研究部が一番多いです。

Mさん まだ女子が少ないので、女子だけの部はありません。女子の先輩がいない部などは、男子の先輩が練習相手になったりしています。競技によっては、男子と練習することでレベルアップできるので、女子と男子が一緒に練習するメリットもあると思います。

――日頃の勉強や定期テスト対策はどのようにしていますか?

Yさん 大学で学ぶための基礎を固めているという感じなので、授業の進み方はそれほど速くありません。人数が少ないので、授業中もどんどん質問できます。無料で勉強を教えてくれるチューター(卒業生)もいますし、職員室も入りやすい雰囲気なので先生に質問もしやすいです。

Kさん テストの点数がよくないと補習があります。実は・・・私も受けたことがありますが、わからなかったところもしっかり理解できたので、次のテストではかなり得点アップできました。できなかったところをそのままにしないで、わかるまで教えてもらえる機会があってよかったです。

Mさん テスト前は自習室で勉強したり、各階の階段横に机と椅子があって、そこで友達と教えあったりしている人たちもいます。受験勉強の必要がなく、きちんと成績をとっていれば推薦で大学に行けるので、気持ちに余裕があって勉強しやすいです。

――将来の夢を教えてください。

Yさん まだ具体的なことは決めていませんが、「Arts&Tech」でいろいろな分野を学ぶ中で、大学の進路を決めていきたいです。附属校の生徒向けのオープンキャンパスがあったり、球技大会は大学の大宮キャンパスで開催されたりして、大学へ行く機会も多いので、施設などをいろいろ見ることも進路を考えることにつながると思います。

Kさん 夏休みに空港で働くグランドスタッフを見かけて、テキパキと仕事をしながらも、お客様に親切な対応をしているのがかっこいいなと思いました。今はまだ憧れのような気持ちですが、オープンキャンパスの説明会で、空港で働く仕事に就いた卒業生もいたので、何か空港関係の仕事への関心につながっていくかもしれません。

Mさん 今の夢は、自分の家を自分で作ることです。入学前は、建築士の資格を取れるのは建築学部だけだと思っていましたが、システム理工学部環境システム学科でも取れるとわかりました。これから先もいろいろな選択肢が出てくると思うので、どの学部へ行くことになってもやりたいことが見つけられたらいいなと思います。

――この学校に関心を持っている女子の受験生へ、メッセージをお願いします!

Yさん 入学前は、理系か文系という大きな分類しか知りませんでした。「Arts&Tech」などを通じて、理系の中にもいろいろな学科があり、それぞれどんなことが学べるかが、明確にわかってくるのがこの学校のよいところだと思います。1年生は女子全員が同じクラスなので、全員と話す機会があるのもよかったです。男子は隣のクラスなので、よく話す人もいますし、距離を置きたい人は置けるので、その人次第で楽しく過ごせると思います。

Kさん 部活などに関係なく、更衣室や廊下で会ったときなどに女子の先輩と話す機会があります。気さくに話しかけてくれる先輩も多いですし、1年間女子だけのクラスで過ごすのも楽しいですよ!

Mさん 理系の学校は静かな女子が多いというイメージがありましたが、今のクラスはみんなとても明るくてフレンドリーで、クラスに溶け込みやすかったです。休み時間もみんなでワイワイ、楽しく過ごせています。

高大連携による理工系体験講座「Arts&Tech」

豊洲の新校舎は、芝浦工業大学メインキャンパスの徒歩圏内にあるため、大学と連携した多様な学習ができる。1年次から3年次まで週2時間ずつ行われる「Arts&Tech」では、大学の教授や大学生、大学院生のサポートを受けながら、「ものづくり」体験を通して工学の楽しさを学ぶ。例えば、1年次には、工学部電気工学科の教授による、ライントレースロボット作りを体験。ライントレースロボットは、センサーとソフトウェアを組み合わせ、黒いラインの上を正確にたどりながら進む自律自走式のクルマ。プログラミングの基礎だけでなく、テスト走行を繰り返しながら工夫を重ねることで、マイコン(超小型のコンピュータ)による制御技術も学ぶ。2年次は、体験する内容もステップアップ。例えば、デザイン工学部協力のもと、高齢者体験などを通じて、ユニバーサルデザインを考える。社会の中にあるユニバーサルデザインを自分で見つけ、自分で体験して発想していく。それらの体験を通して、社会貢献への意識も高まっていくという。

希望の進路へつなげる附属校推薦制度とキャリア教育

高校から入学する生徒は、芝浦工業大学への推薦進学を目指すコースに所属する。推薦進学には、規定の成績を修める必要があるが、それをクリアすれば、ほとんどの生徒が希望する分野への進学が可能だ。理工系単科大学でトップレベルの大学で学ぶために、必要な基礎学力がしっかりと身につくように授業が進められる。受験対策に時間を割く必要がないので、大学入学後の応用まで視野に入れた授業が行えるのだ。

進学する学部・学科の選択や、その先を見据えたキャリア教育も充実している。1年次は芝浦工業大学の豊洲、芝浦、大宮の各キャンパスで見学会を実施。通常のオープンキャンパスとは異なり、附属校の生徒用に特別プログラムが組まれ、学部や学科の内容を知るだけでなく、大学生活を肌で感じる体験ができる。2年次には、同大学の学科説明会のほか、全学部・全学科の教授陣による専門講義を実施。講義はいくつでも参加できるので、自分にとって最適な進路を選択するために興味がある分野を比較することができる。そのほか、女子生徒のためのキャリア懇談会なども開催。気軽に話せる雰囲気の中で、大学の先輩たちに進路や就職について相談できる。

世界に貢献できる人材の育成を目指すグローバル教育

スーパーグローバル認定大学(国際化を徹底して進める大学として認定)の附属校である同校は、「発信できる英語力の習得」を目標として掲げ、グローバル教育にも力を入れている。英語が使える技術者や科学者として世界に貢献できる人材の育成を目指し、ホームステイや短期留学などの海外体験プログラムなども用意。高校からの入学生は全員、2年次に約1週間カナダでホームステイを体験する。日本では見られない大規模な農場、完全に機械化された畜産業、露天掘りの鉱山、鮭の孵化場などを見学し、環境負荷を考えた取り組みなどについて英語で説明を聞く。帰国後には、英語でレポートを書いて発表する場も用意されている。

楽しく学び、豊かな未来へとつながる新校舎

豊洲校舎には、世界で活躍する技術者や研究者の卵を育成するための様々な設備が整っている。1階には、3つの実験室(化学、生物、物理・地学)をはじめ、金属や木材を加工するための技術室、プログラミングの授業で使用するロボット技術室、200Vの電源を備えて大型機械でのものづくりも可能な「ファクトリー」などを配置。2室のコンピューター室には、様々なソフトウェアがインストールされたPCが合わせて約100台設置され、放課後は自由に利用できる。

全館で最新の無線LAN規格によるWi-Fi接続を整備し、全教室に電子黒板機能付きプロジェクターを配置。教員はMicrosoft Surface Pro、生徒は2in1 PCを持ち、教室内は完全なワイヤレス環境で双方向の授業を展開している。自習室には120席のブースが用意され、自律的学習をサポート。職員室は、生徒の入室しやすさを考慮してガラス張りになっている。人工芝と天然芝の両方を使ったグラウンドをはじめ、テニスコート2面やフットサルコート1面がとれる広さの屋上運動場、弓道場、ゴルフ・野球練習場など、スポーツ施設も充実。

「Arts&Tech」は生徒にとって非常に魅力的な講座であり、難しい中にも面白さを感じていることが3人の話から伝わってきた。受験対策をする必要がなく、気持ちに余裕があるからこそより本質的な学びに取り組むことができるのだろう。

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