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しばうらこうぎょうだいがく

芝浦工業大学附属高等学校

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スクール特集(芝浦工業大学附属高等学校の特色のある教育 #2)

女子の第一期生が入学!新キャンパスで新たな理工系教育が始動

今春、豊洲に完成した新校舎に、初めての女子生徒が入学。大学と連携を深め、進化する同校の理工系教育を取材しました。

2017年4月、板橋から豊洲の新キャンパスに移転した芝浦工業大学附属高等学校。新校舎は先進的なICT環境が整い、大型のものづくりが可能なファクトリーをはじめ、理工系教育を推進する設備を完備しています。また、これを機に男女共学化を図り、芝浦工業大学との連携をさらに強化するなど、新たな取り組みもスタート。同校の教育の特色について、大坪隆明校長にインタビューしました。

社会のニーズに対応し、理工系女子を育成

今年度から新校舎開校とともに、様々な教育改革に取り組んでいる芝浦工業大学附属高等学校。その一環として、新たに女子生徒を受け入れ、男女共学化がスタートしました(中学校は別学を継続)。
「現在、国は女性の科学者の育成を図り、社会においても女性の研究者や技術者が求められるようになりました。そうした背景のもと、実験やものづくりができる最新設備を完備し、長年、芝浦工業大学と連携して、理工系教育に取り組んできた本校であれば、女子の指導がしっかりできるのではないかと考えました。近年は、女子校でも理系に力を入れている学校が増えてきましたが、そのほとんどがサイエンスの分野です。テクノロジーやエンジニアリングを高校の段階で本格的に学んだり、実地体験ができるのは、おそらく本校だけでしょう。社会のニーズに対応すべく、また使命感をもって女子生徒の受け入れを始めました」と、大坪隆明校長は話します。

今春、入学した女子一期生は19名。クラスは3年生まで、高校から入学した生徒だけで編成され、1年生は、男女別で1クラスずつ、2年生から男女混合のクラスとなります。「女子だけのクラスを作ったのは、理工系という同じ目標に向けて、仲間で切磋琢磨してほしかったからです。『女子だから数学ができない』『できなくても仕方がない…』といった世間的な風潮を本校では払拭したいですね」

▶大坪隆明校長

芝浦工大と連携した「ものづくり工学講座」

同校が新校舎を構えた豊洲には、芝浦工業大学のメインキャンパスがあり、これまで以上に大学との連携を強化しています。その1つが、ものづくり工学講座「Arts&Tech」の授業。大学教授の指導のもとで、ロボット製作やプログラミング、スターリングエンジン製作、建築・デザイン講座など、ものづくりを実体験する内容となっています。
今年、高校から入学した1年生は、1学期に「パスタ・ブリッジ」をテーマにした構造力学の講座を受けました。これは、パスタを使って、強度の高い構造の橋を作り「筋交いを入れたトラス構造」を学ぶというもの。生徒たちは大学の教授の講義を聞いた後、グループに分かれて、様々な構造のパスタ・ブリッジを作製。最後に耐荷重テストを行って、もっとも強度の優れた構造を確認し合いました。
「構造力学の理論に基づいて計算をして、自分の目で確かめる。そういう学びは、理解を深めますね」と大坪校長。
「豊洲へ移転してから、芝浦工業大学の教授が来校したり、生徒が大学の研究室へ行ったりする機会が格段に増えました。また、同校の女子生徒と、芝浦工業大学の女性の先生や、女子学生との交流会も行っています」

女子の第1期生にインタビュー

ここで、初の女子生徒として入学したUさんとSさんに、同校を志望した理由や、今の学校生活などを聞いてみました。

▶写真:左 Sさん/右 Uさん

Qこの学校に進学しようと決めた理由は?

Uさん 知り合いの芝浦の卒業生から、女子の募集を始めると聞き、学校を見学しました。先生が優しくて、学校の雰囲気もよく、もともと理系志望だったので、受験を決めました。芝浦工業大学の附属校というのも魅力でした。

Sさん 新校舎がきれいで、実験の施設も充実していて、感動しました。中学生の時から情報や電気電子分野に興味があり、この学校なら、理系の勉強が深くできると思いました。

Q初の女子生徒という不安はありましたか?

Uさん 一期生という経験は、そうできるものではないので、楽しみでした。といっても、男子しかいないというのも、少しは不安でしたが、1年は女子クラスになると聞いて安心しました。

Sさん 入試相談会の時に、先生が「女子の対応は万全です」と言っていたので、不安はありませんでした。

Q学校の授業、また学習面はどうですか?

Uさん どの授業も、先生の説明がわかりやすいです。中学生の時は、化学が好きではなかったのですが、先生に質問をして理解ができるようになり、今では一番好きな教科になりました。

Sさん 大学の教授が来て、授業を行う「Arts&Tech」の時間が楽しいです。先生の講義だけでなく、説明を聞いたあとに、自分たちで実験をしたり、他の学校ではできないことを体験できるのが、この学校の良さだと思います。

Qこれからの進路、将来の夢を教えてください。

Uさん 芝浦工業大学の工学部、情報工学科に進学したいです。大学を見学して、学部の説明を受けた時、情報工学科では、私がもともと興味をもっていたCG製作をすると聞き、「ここだ!」と思いました。大学で学んで、映画の製作に関わってみたいです。

Sさん 電気システムか情報工学へ進むか、まだ悩み中です。芝浦以外の大学も見学して、進学先を決めたいです。将来は、ショー設備やプロジェクションマッピングなどを手がける仕事をしたいです。

Qこの学校を目指している女子の受験生へメッセージを!

Uさん 男子校へ女子が入っていくのは勇気がいりますが、男子たちはとてもフレンドリーだし、女子クラスも和気あいあいとしています。また、先生もいろいろと相談にのってくれるので、全く心配はいりません。毎日、学校が楽しいですよ。

Sさん 先生も先輩も男子たちも、想像以上に優しくて、いい意味で驚いています。1年生は女子クラスという安心感がありますし、もちろん男子と触れ合うことも多いので、将来、社会に出てもいろいろな人を関わる経験が役に立つと思います。

理工系教育を推進する充実した設備

男女共学化や、レベルアップした高大連携教育以外にも、同校では新しい取り組みとして、ICTを活用した学習を展開しています。
「校舎には、最新の無線LAN規格による全館Wi-Fiと、電子黒板機能付きプロジェクターをすべての教室に配備しています。また、教員はMicrosoft Surface Pro4、生徒は2in1 PCをもち、自分の意見や考えを書き込んだり、それを全員で共有するなど、双方向の活発な授業を行っています。同時に、情報機器を素早く、正確に使いこなせるための指導もしています」と大坪校長。

また、新校舎でもっとも特徴的なのは、1階に、化学、物理・地学、生物の3つの実験室、2つのコンピューター室、2つの技術室、そして大型のものづくりが可能な「ファクトリー」を配置していること。理工系教育をさらに推進するための、独自の先進的な施設が完備されています。

さらに同校は、グローバル教育にも力を入れ、多様な海外体験プログラムを用意しています。今年度から新たに、高校からの入学生全員が2年次に、カナダでホームステイをする「海外教育旅行」を実施。日本では見ることのできない大規模な農業や林業を見たり、牛乳の生産工場などで活用されているテクノロジーに触れる体験もあります。

社会で活躍する研究者・技術者を育成

卒業後の進路に向けて、キャリア教育も充実しています。1年次は芝浦工業大学の見学会、2年次には、同大学の学科説明会と、全学部・全学科の教授陣による専門講義「理系講座」を実施。3年次は、進学を希望する学科の研究室を見学し、教授や大学院生、大学生と直接、話をする機会を設けています。
ちなみに、高校からの入学生は、芝浦工業大学への推薦進学を目指すコースに所属します。「芝浦工大は理工系単科のトップ大学です。その大学で勉強をするには、相当の学力が求められます。よって、推薦進学には、規定の成績を修める必要があり、日頃の学習がとても重要です。しかし、そのハードルをクリアすれば、ほとんどの生徒が希望する分野に進学することができます。そして、同大学は、就職率が高く、とりわけ女子の就職実績は抜群。女性の研究者、技術者を求める企業が多く、男子より有利なケースもあるようです」と大坪校長。最後に、同校の目指す教育を次のように語りました。
「私たちは、これまで培ってきた理工学の教育を、新しい場所で、さらに進化させていきます。“芝浦”だからこそできる教育を実践し、社会で活躍する研究者、技術者を育てていきます」

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