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関東国際高等学校

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スクール特集(関東国際高等学校の特色のある教育 #10)

小論文、検定の授業を1年次から実施。推薦・総合型選抜で希望の大学へ

関東国際高等学校は、高大連携ブリッジ授業や、外国語検定、小論文の授業を行い、推薦・総合型選抜による大学進学を推進している。副校長の黒澤眞爾先生に進学指導の詳細を聞いた。

大学の授業を受講する「高大連携ブリッジ授業」

同校には、「普通科」と「外国語科」があり、普通科は文理コースと日本文化コース(日本語が母語ではない生徒対象)、外国語科は、英語、ロシア語、イタリア語、スペイン語、フランス語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語の計10のコースを設け(イタリア語とスペイン語コースは2023年度、フランス語コースは2024年度開設)、それぞれの進路目標に沿った学習を展開している。

また同校は、普通科、外国語科ともに10年以上も前から、大学と連携した「ブリッジ授業」を実施。これは同校の生徒が各大学(学部)を訪問し、学生と一緒に授業やゼミに参加したり、大学の先生を高校に招き特別授業を受講したりするという取り組みで、現在は、約30の大学(学部)とブリッジ授業を行っている。大学の中には、事前に課題として本や論文を生徒に読ませ、授業後にレポートを提出させるところもあり、そのレポートに評価やコメントをもらって、生徒の成績に反映しているそうだ。

黒澤先生は、「ブリッジ授業を通じて、生徒たちは大学での学びや生活を具体的にイメージすることができます。そして、『自分はこんな大学、学部に進学して、こういうことを学びたい』と、自分の希望に合った進学先を定めることができ、目標が決まれば、受験勉強のモチベーションも高まりますね」と話す。なお、高大連携ブリッジ授業は、前期(5~7月)と後期(11~1月)に分かれ、前期が3年生、後期が2年生対象となり、大半の生徒がいずれかの授業に参加しているという。また、ブリッジ授業を行っている大学は、基本的に指定校推薦枠を設けている。

▶︎副校長 黒澤眞爾先生

<後期指定校連携ブリッジ>
津田塾大学 総合政策学部
立命学アジア太平洋大学
神田外語大学 
順天堂大学 国際教養学部
昭和女子大学 国際学部
京都外国語大学
清泉女子大学 各学部
桜美林大学各学群
東洋英和女学院大学
杏林大学 総合政策学部/外国語学部

<スタンダードブリッジ>
上智大学 総合グローバル学部
中央大学 国際経営学部
法政大学 国際文化学部
武蔵大学 国際教養学部
成蹊大学 理工学部
明治学院大学法学部/文学部  
獨協大学外国語学部
杏林大学保健学部  など

「高大連携をする上でもっとも重要なのは、大学がどのレベルの層をターゲットにしているのか、本音で話し合うことです。そして、大学が求めている学力の基準が評定平均なのか、それとも英検などの資格なのか、評定も平均ではなく、どの部分を重視しているのか、学校の授業だけでは測れないものを見たいのか、それらを擦り合わせ、必要であれば我々も教育の中身を変えていかなくてはなりません。それが生徒の大学進学につながるだけでなく、進学後も学びのミスマッチがなく、実りある大学生活が送れると考えています」(黒澤先生)

小論文の教科を作り、週2時間の授業を実施

同校の大学進学の特色は、約9割の生徒が、指定校推薦や公募推薦、総合型選抜で進学をしていることだ。それを支えているのが、生徒数を超える大学(学部)の指定校推薦枠である。「推薦枠も、普通科と外国語科では大学で学ぶ内容も違うので、はっきりと区分しています。また、推薦や総合型の年内入試を受けるには、早い段階から進路の方向性を決め、試験の準備を進めることが大事です。本校では1年次から『生徒カルテ』を作り、保護者を交えて面談などを定期的に行っています。また、進路対策として、1.成績(評定平均3.5以上) 2.アウォード 3.外国語(英検準2級以上+外国語科は各言語検定) 4.小論文、 5.卒業研究(外国語科・多言語コースのみ) 6.高大連携ブリッジ授業の6つを重点項目に設定しました」と、黒澤先生は説明する。

1.成績は、全員が評定平均3.5以上を目指します。2.アウォードは、積極的な学習態度、ボランティアなどの校外活動をポイント制にして成績に反映し、推薦入試に適用します。3.外国語は、外部試験のほうがわかりやすく評価ができるので、各種検定を取り入れました。
そして、推薦や総合型選抜で不可欠なのが、4.小論文です。3年生で大学の志望動機書を作成したり、小論文入試にのぞめる力を付けるには、1年生から文書を読解する力や作文の能力を養っていかなくてはなりません。そこで本校は今年度より、小論文を教科にして、週2時間の授業を実施することにしました。また、小論文を評価するには、英語なら英検のように、一定の基準を設けることが必要です。よって、外部の専門家から協力を得て、学校独自の小論文検定(5級~1級)を作成しました。生徒たちは3年次までに3級以上の取得を目指します」。
ちなみに同校は、英検も必修の科目として、週2時間、授業を行っている。

▶︎同校の進路対策資料より

海外大学とも高大連携の体制を作り、進学を推進

同校の大学進学までの流れなどをみてみる。まず、普通科の文理コースは2年次より文系、理系の2つのクラスに分かれ、それぞれの進路に沿った授業を実施。そして、文系、理系とも英検準2級以上を取得し、学校推薦型選抜や総合型選抜を駆使して進学を目指す。

普通科 
指定校推薦枠
●青山学院大学 法/コミュニティ人間科学部
 ●立教大学 現代心理学部
●東京都市大学 理工学部
●東京電機大学 理工/未来科学部
●関西学院大学 法学部
●法政大学 経済学部
●横浜薬科大学 薬学部
●成蹊大学 理工/法学部
●成城大学 経済学部
●武蔵大学 経済学部
●獨協大学 経済学部
●工学院大学 先進工学部 
●明治学院大学 社会/経済学部
●東洋大学 国際/経済学部    など


外国語学科の英語コースは、英検は2級以上を取得し、英語力を生かした大学進学を目指す。英語の授業は習熟度別のクラスで実施。また、外部の英語スピーチコンテストに出場したり、「世界教室※」と連携した国際交流、長期留学プログラムなども用意し、実践的な英語力を育成している。さらに英語を使って海外大学を目指す生徒を対象に「海外大学留学クラス」を設置し、TOFELやIELTSの対策をはじめ、留学に必要な学習指導を行っている。

※世界教室…関東国際高等学校が主催する国際理解教育ネットワーク。世界23の国と地域の高等学校及び大学がメンバー校として登録。1年に1度、提携校の代表生徒が集まって交流を深める「世界教室国際フォーラム」や現地研修、交換留学などを行っている。

外国語科・英語コース
指定校推薦枠
●上智大学 国際教養学部
●中央大学 国際経営学部
●立教大学 文学/現代心理学部
●青山学院大学 総合文化政策/地球社会共生学部
●関西学院大学 文学部
●関西大学 政策創造学部
●学習院大学 文学部
●武蔵大学 国際教養学部
●立命館大学 国際関係学部
●成蹊大学 文学部
●津田塾大学 総合政策学部  
●東洋大学 国際学部
●明治学院大学 国際学部
●獨協大学 外国語学部
●立命館アジア太平洋大学 
●神田外国語大学     など

英語以外の多言語各コースは、それぞれの言語のネイティブ教員と日本人教員による学習体制を整備している。英検に加え、各言語の検定試験の指導や、約3週間の現地研修、約10ヵ月の長期交換留学のプログラムなども実施している。

外国語科・多言語コース
指定校推薦枠
●上智大学 総合グローバル学部
●青山学院大学 地球社会共生学部
●立教大学 異文化コミュニケーション学部
●関西学院大学 国際学部
●中央大学 文学部
●関西大学 外国語学部 
●法政大学 国際文化学部
●武蔵大学 人文学部
●立命館大学 文学部
●成蹊大学 文学部
●津田塾大学 文学部
●明治学院大学 文学部フランス文学
●立命館アジア太平洋大学
●獨協大学 国際教養学部    など

なお、今年度の多言語コースの大学進学者は、指定校推薦が57%、公募推薦4%、総合型選抜28%、一般選抜0%、海外留学11%という割合だった。

黒澤先生によると、近年は海外大学の進学も増えていると言う。「海外大学の受験においても、高大連携のポリシーを取り入れていきたいと考えています。既に中国や韓国、タイなどアジア近隣の大学とは協定を結んでいますが、欧米の大学は制度の違いもあって提携が難しいものがありました。しかし今現在、独自の高大連携の形ができつつあります。今後は、海外大の進学も入学時の目標にできたらよいですね。たとえばイギリスのAという大学に進学するために、こういう対策をとって、最終的には指定校推薦で進学をするというプランを提示するのです。また、本校には世界教室のネットワークもあるので、1カ国につき、2~3の大学と協定書を交わせば、60~80校の大学と連携ができます。これが次のステップになりますね」

最後に黒澤先生は、海外大学を含めた進学指導について、「ゴールまでの道筋をシンプルにすることが大切だ」と語る。「この大学に進学したいのなら、こういう勉強をして力を付けなさい。そうしたら大学側が推薦をしてくれるから、学校がそういう体制を作っておくからがんばりなさいと、生徒にわかりやすく示してあげる。やるべきことが明確になれば、目標に向かって努力することができます。生徒の意欲と能力を引き出してあげるのが、学校の役目だと思っています」

<取材を終えて>
大学は、推薦・総合型の入試で受ける。そのために必要な検定や小論文は、1年次から授業で対策し、並行して高大連携の体制を強化し、推薦で進学できるプランを生徒に提示してあげる。同校の進学対策は、黒澤先生の言葉通り、とてもシンプルだ。生徒たちも、そのプランを遂行すれば希望の大学に行けるという、目標自体も手に届かないものではないため、がんばれるのではないだろうか。

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