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郁文館グローバル高等学校

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デジタルパンフレット

スクール特集(郁文館グローバル高等学校の特色のある教育 #3)

新クラス始動!世界最難関基準のプログラムで日米2つの高卒資格を取得

日本で初めて、米国の名門高校Wayland AcademyとのDual Diploma Programを導入。日米2つの高卒資格を取得できる新クラスについて取材した。

郁文館グローバル高等学校では、リベラルアーツ主体のカリキュラムやSTEAM教育により、広い視野と問題解決能力を身に付け、グローバルな社会で活躍する能力を磨く。総合的な学びを追求する「リベラルアーツ・クラス(Liberal Arts class)」に加えて、2024年から「オナーズ・クラス(Honors class)」が始動した。日米2つの高校卒業資格を取得できる新クラスについて、Ryoji Gen先生(Native Teacher統括主任)とオナーズ・クラス1期生となる高1の生徒に話を聞いた。

2024年4月からスタートした「オナーズ・クラス」

2024年4月に新設された「オナーズ・クラス」は、アメリカの名門高校Wayland Academyとのパートナーシップで日米2つの高校卒業資格を取得できることが大きな特徴である。1年次から、日米のカリキュラム(STEAM教育を含むリベラルアーツ主体のカリキュラム)を同時に履修。早期からグローバル基準の進路指導を実施して、世界トップ大学(THE世界大学ランキング100位以内)への進学を目指す。

「世界トップ大学を目指すことは目的の1つであり、どこで何をしたいかを大切にして、ボーダレスな感覚で将来について考えていくクラスです。例えば、私はアメリカで生まれましたが、生まれた場所に縛られることなく、今は郁文館を自分のホーム(ふるさと)だと考えています。オナーズ・クラスには、海外で長く生活していた生徒もいれば、ずっと日本で暮らしていても様々な経験をしている生徒もいて、様々なバックグラウンドを持つ個性的なキャラクターの生徒がたくさんいます。ですから、必ずしも生まれたところがホームではないと思うのです。生徒たちにも生まれた場所に縛られることなく、自分がホームだと思えるような居場所を自分で見つけられるように、一生懸命勉強してほしいと思っています」(Gen先生)  

Wayland Academyは全米トップボーディングスクールの1つで、リベラルアーツ教育と大学進学準備に定評のある伝統校。卒業資格全21単位中の15単位は郁文館グローバル高等学校の履修科目で代替し、残りの6単位分はオンライン授業と1年間の留学先での履修単位で、日本の高校卒業資格と同時にWayland Academyの卒業資格を取得することができる。例えば、1年次にHumanities(文学と世界史を融合したWayland Academy の独自科目)がオンライン授業で週2コマあり、もう1コマを同校の総合英語でGen先生が補足する形で実施。3コマのうち1コマ分は、同校の授業とWayland Academyの授業が重なる形になっているので、2つの卒業資格を取るために授業が2倍になるわけではないという。

「世界トップ100大学を目指すことを考えると、常に自分より学力的に上の人が必ずいるわけです。その場合、レッドオーシャン(競争相手が多く競争が激化している状態)で勝つのは難しいので、ブルーオーシャン(まだ誰も開拓していない分野で競争相手がいない状態)を目指した方がよいでしょう。本校のカリキュラムで実施しているディベートディスカッションの授業では、自分だけの研究を見つけられるように、私がオリジナルの教材を作成して行っています。テストでよい点数をとるためではなく、将来そのスキルを活かせるように学んでほしいです。最終的にはどんなゴールがあるのか、海外で勉強できるようになるための訓練として、ゴールから逆算して学びを考えています。生徒たちはそれぞれバックグラウンドが異なり、英語力にも差があります。入学していきなり夢を持つのは難しいので、そのアプローチの仕方を一緒に学ぼうという授業です。卒業生から、『高1で学んだことを今大学でやっています』と言われるととても嬉しいです」(Gen先生)

▶︎Ryoji Gen先生(Native Teacher統括主任)

教室内ではオールイングリッシュで生活

オナーズ・クラスの生徒は2年次に全員、アメリカに1年間留学するが、全員が異なる学校に留学する「1人1校」が原則。留学先は、バージニア州やメリーランド州など、生徒の希望や興味・関心、性格などを考慮してマッチングさせる。知り合いもいない、日本語も使えないという厳しい環境の中で、現地の生徒と同じクラスで授業を受け、現地でしかできないことにチャレンジしながら成長していく。

「留学中は、現地校での授業や個人研究、Wayland Academyのオンライン集中講座を受けるなど、かなりハードな学校生活を送ることになります。その準備段階として、1年次から教室内では生徒同士の会話はすべて英語というルールを作っています。私がいるときは英語モードになれますが、いないときが問題です。実際はそれほど簡単ではないことは、教員も承知しています。リベラルアーツ・クラスの場合、時間割という枠の中の時間をどのように使うかが問題ですが、オナーズ・クラスの場合は枠の中で時間に余裕がない中でどう学ぶかが問題なのです。私がいないから日本語を話してしまおうと思ったとして、それで何が得られるでしょうか。もし得られるものがあるなら、それでもよいかもしれません。しかし、得られるものがなく、ただ楽をしたいだけなら、もったいない時間の使い方をしたことになります。ですからオナーズ・クラスでは、学びに対する姿勢なども大切になってくるのです」(Gen先生)

Wayland Academy のDDP(Dual Diploma Program)を受講すると、アメリカのカレッジカウンセリングの専門家による海外大学支援プログラムを利用して、希望する大学への出願サポートなどが受けられる。カウンセリングを通してWayland Academyのパートナー大学から学力や目的にあった大学を選び出し、最低1校への大学進学保証を得ることができ、独自の奨学金が加算されることも大きな魅力だ。

「進学先は、基本的には生徒自身にとって何が一番いいか考えて選ぶことが大切です。留学から帰ってきていきなり受験という話になると考えるのも難しいので、オナーズ・クラスでは1年次から将来を見せることで生徒自身が主体的に考えることができる機会を用意しています。例えば先日は、ICU(国際基督教大学)を訪問しました。オナーズ・クラスが目指しているのは世界トップ大学100に入っている大学なので主に海外大学になりますが、可能性の1つとして見せています。見たことに対して、どう感じたかが大切なのです。ICUについてはこちらで機会を用意しましたが、これからは自分たちで探しに行くことが課題となります。夏休み中の課題として、『3・2・1計画』を課しました。3つのコンテストに出る、2つのオープンキャンパスに行く、1つのボランティアをするという課題です。生徒たちがどのような体験をするか、楽しみにしています」(Gen先生)

■高1の生徒にインタビュー

Wさん 高1
Kさん 高1(内進生)

▶︎写真左より:Wさん、Kさん

――オナーズ・クラスに入りたいと思った理由を教えてください。

Wさん 私は生まれてすぐから10年ぐらい、フィリピンで暮らしていました。読書が好きで英語の本をよく読むのですが、中2のときに自分でも書いてみようと思ったことがきっかけで、将来は英語で本を書く作家になりたいと考えています。英語力だけでなく様々な経験を通して成長することができることを知り、オナーズ・クラスを受験しました。

Kさん 僕は郁文館中学校のグローバルリーダー特進クラス(GL)出身です。英語は、小学校ではまったくやってなくて、中学校から始めました。GLは中3のときに全員、ニュージーランドに1ヶ月半留学します。それで去年の夏に行ったのですが、かなりシャイになってしまい、友達があまりできませんでした。外国人ばかりの環境で緊張してしまったり、言いたいことをうまく表現できなかったりしたので、負けたままで終わりたくないという思いがあります。リベンジするためでもありますが、アメリカへ留学するのも魅力的だったのでオナーズ・クラスを選びました。

――DDP(Dual Diploma Program)についてどのように感じていますか?

Wさん 大変です(苦笑)。課題が多いですし、理解するのも難しいですが、海外大学へ進学するためには必要だと思っているので頑張っています。

Kさん 相当難しいです。Gen先生の小テストや中間や期末考査で、DDPでやったことも出題されるので、そこで復習もできて理解も深まります。

――ディベートディスカッションの授業では、どのようなことをしますか?

Wさん いろいろなテーマについてリサーチしながら、将来に向けてやりたいことを深く考えていきます。

Kさん 例えば、ニュースを読んで要約して、自分の考えを裏付けるデータを集めてレポートを書いたりします。レポートの書き方から学べて、英語でのライティング力も身に付きます。GLクラスの中3生数人と一緒にやっているので、学年を越えたいいコミュニティーだと感じています。Gen先生は1日に何度も、様々な場面で「ディスカッションしよう」と言うので、かなり鍛えられました。

――教室内でクラスメイトと英語で話すことには慣れましたか?

Kさん 最初の頃は、友達と英語で話すことに緊張や恥ずかしさがありました。メンタルの弱さがあるので(苦笑)、内進生と英語で話すのは緊張しなかったのですが、高入生と話すときはナーバスになってしまったのです。ディベートディスカッションなどで慣れてきたので、最近は友達ともどんどん英語で話せるようになりました。

Wさん もともと英語で話すことには慣れていますが、Gen先生がいないと日本語が出てしまうこともあります。

Kさん Gen先生は圧倒的なオーラがあるので、先生が入ってくるだけでクラス全体が英語モードに切り替わります。オナーズ・クラスには帰国生もたくさんいますが、普段はあまり意識していません。Gen先生が質問を投げかけたときに、答える様子を見てすごいなと思うこともありますが、よい刺激になっているという感じです。

――日本人の先生による授業は、どのように行われますか?

Kさん ネイティブの先生以外の授業は、基本的に日本語です。友達間でのコミュニケーションは英語ですが、先生が日本語で質問するときは日本語で答えます。日本人の先生の授業でも、その日の授業について英語でディスカッションする時間が設けられているので、全部日本語だけの授業はほとんどありません。

――ICU(国際基督教大学)を訪問してどのように感じましたか?

Wさん 私は海外大学を目指していますが、日本にもこのような大学があるのだと知ることができてよかったです。私はクリスチャンなので、インターナショナルな環境でキリスト教の大学があるのはいいなと思います。 

Kさん 僕はICUを訪問した際に、郁文館グローバル高校出身の学生2人に案内してもらいました。郁文館からICUへの進み方やICUのいいところなどをたくさん聞けたので、魅力的な大学だと感じました。

――「3・2・1計画」では何をする予定ですか?

Kさん ボランティアを3つぐらい申し込んでいます。僕には兄と妹がいて、小さい頃は妹の世話をしていたので、学童のボランティアが一番楽しみです。僕も本を読むのが好きなので、エッセイコンテストに出ようと思っています。

Wさん 私も、エッセイコンテストに出る予定です。もう1つは全員参加のコンテストですが、学校が主催しているSDGsコンテストの準備をしています。クラスメイトと一緒に、地球温暖化などをテーマにしたアニメーションを作ろうと思っています。

――将来についてはどのように考えていますか?

Kさん 大学については、まだはっきりとは決めていません。高1と高3が合同で行う協働ゼミがあって、僕はソーシャルビジネスを考える「ビジネスゼミ」に参加しています。ゼミの中で、ロボットの世界大会に出場するために会社を立ち上げた3年生のチームがあるので、僕もそのレベルかそれ以上のレベルを目指したいです。1年生3人でチームを作ったので、その3人でコンテストに出たりして企業とも提携したいと思っています。ビジネスについては、始業式などで東証プライム企業の創業者でもある理事長先生の話を聞く機会があり、そこでも刺激を受けています。

Wさん 卒業までに、英語で本を作ろうと思っています。地球温暖化をテーマに、注意喚起できるような物語を作りたいです。ディベートの授業で新しいことを研究しながら、自己研究にフォーカスしていきたいと思っています。

――オナーズ・クラスの魅力を教えてください。

Wさん 海外大学に進学するチャンスがあるのが魅力です。オナーズ・クラスは一年次終了時までにIELTS*で最低5.5を目指しています。先日、IELTSの模試があったのですが、目標をクリアできたので、さらに頑張りたいです。
*英語圏の国に留学、就労、移住を希望する人々の英語力を測定するグローバルな英語試験

Kさん オナーズ・クラスは、他校であるような「英文法」の授業がありません。ネイティブの先生から直接、リアル英語を教えてもらえるのが魅力です。海外大学への出願にはエッセイが重要になりますが、ネイティブの先生から書き方が学べると、より自然な英語で書けるようになります。毎日、「こんな表現があるんだ」という気づきも多いです。 

<取材を終えて>
取材中もGen先生は生徒たちにディスカッションの合図を出していたので、日頃からかなりのディスカッションをこなしていることが想像できた。授業の内容が濃いだけでなく、授業時間以外でも英語力やコミュニケーション力を高めることができるので、留学までの1年間でも生徒たちは大きく成長できるだろう。

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