スクール特集(四條畷学園高等学校の特色のある教育 #3)
多彩な“挑戦”で自分の未来を見つける3コースによる新体制がスタート
教育理念の「実践躬行」を時代にあわせて解釈した新コースが誕生する四條畷学園高校。明るさや自主性をモットーに、“挑戦”をテーマに掲げた新体制について、募集広報部長の小山宣宏先生に取材した。
学園のウリを徹底的に突き詰めた答えは“挑戦”
2022年度より「総合キャリア」「発展キャリア」「特別シンガク」の3コースに変わります。コースの再編については、教師でチームを発足させ、まずは私たちが本学のウリについて徹底的に考えました。一般企業で例えれば、スターバックスコーヒーなら「空間」、Amazonであれば「時間」がウリだと言われます。四條畷学園高校の教育なら、どう表現されるのか? 今までにも学力はもちろん、経験や体験を重視した教育を行ってきましたが、もっと改善できるところがあると感じました。本学の教育理念は「実践躬行(単に知識を身につけるだけでなく、実際に行うことで習得すること)」。今、求められている「探究型」の教育と同じです。この教育理念へ原点回帰し、さまざまな“挑戦”を通して自分を見つけ、イキイキと活躍できる生徒を育成したいと考えました。
全体としては、本校はクラブ活動を挑戦の場にする生徒も多いため、全コースで6限後からクラブ活動を可能にしました。また「総合キャリア」「発展キャリア」は週5日制とし、その分、クラブ活動や自身の活動にあてられるようにしています。
また何よりも、私たち教師が挑戦することが大切だと考え、ICT教育を積極的に活用できるよう、担任は全員Google認定教育者資格を取得に向けて挑戦しています。これからの教師は、知識を教えるだけではなく、生徒の夢や目標の実現をサポートする役割に変化します。生徒に挑戦の機会と環境をつくるのが教師の役割。生徒が「やらされている感」を感じたら、教師の負けくらいに信念を持って、私たちも新コース体制へチャレンジしています。
▶︎募集広報部長 小山宣宏先生
パンフレットやホームページを全面リニューアル
新コース体制になり、“挑戦”をテーマにして変わることを伝るために、ホームページやパンフレットを全面リニューアルしました。とくに中学3年生の受験生にワクワクしてもらえるよう、またホームページの方は在学生が主体的に関われるよう、生徒目線で制作しました。私も制作を担当させてもらいましたが、生徒たちの感性に響くよう、PinterestなどのSNSでアイデアをピックアップして、ポップで楽しく、読んだら興味深い仕上がりを目指しました。
パンフレットのモデルは全員本校の生徒です。イキイキとした表情からは、普段のナワガクの雰囲気がよく伝わっていると思います。また表紙モデルを務めたのは総合キャリアコースでダンス部長の3年生。ダンス部だけあって、表情や雰囲気の作り方が上手でしたし、普段からオーラを感じるタイプです。ナワガクらしさがあふれる生徒として、表紙をお願いしました。表紙には「Find The Future」とメッセージをいれ、未来へ向けてフォーカスしているカットを採用しています。ぜひ本学でチャレンジを積み重ねて、自分らしい未来を見つけてもらいたいと思います。保護者の方はもちろんですが、中学3年生の方々にしっかり読んでもらいたいですね。
自分の好きを探究する多彩なプログラム「総合キャリアコース」
募集人数220名ともっとも人数が多い「総合キャリアコース」の特徴は、幅広い分野で講座が用意された「キャリアデザイン」プログラムです。1年次は保育、メイク、服飾、語学(韓国語)、IT、化学など。2年次は医療体験、AIでの作曲、調理師・パティシエ、アイドルやゲーム文化、アニマルセラピー・動物看護など。近隣の大学や専門学校と連携し、専門の先生から学ぶことが可能です。そのほかでも個人で探究したいことがあれば、高大連携や協定校のなかで学べる環境を準備します。
いきなり「本当にやりたいことは何?」と聞かれても、高校生で即答できる人は少ないでしょう。「進路は逆算で考える」と指導されることもありますが、そもそものゴールが明確でないとアプローチが難しい。本校では「夢や目標はいろいろな経験の中で見つけるもの」として、経験のための環境を整え、自身を成長させてもらいたいと考えています。
社会の多様な課題にチームで取り組む「発展キャリアコース」
プロジェクト型学習とアクティブラーニングを重視する「発展キャリアコース」では、3年間を通してたくさんのチャレンジを経験し、進路の発見と選択につながるコースです。5教科の授業では、主体的・協働的なアクティブラーニング型の授業を実施。学び合うスタイルのなかで、考える力や伝える力、他人を思いやる力を育みます。
また本コースは、多様なテーマについてチームで取り組むプロジェクト学習を2年生で行います。例えば地域商店街の活性化や海洋プラスチック問題、動物殺処分や貧困問題など。社会のテーマを自分ごととして考えて、今の自分たちができることをプロジェクトとして実践します。教師は生徒のプロジェクトをサポートする立場。時には企業やその道のプロを探してゴール達成を支援します。3年次にはプロジェクトの経験を活かして、個人的な探求を深めたり、自分の生き方をまとめてプレゼンしたり、さらに自身の強みの創造に取り組みます。3年間を通して、課題発見力や行動力、発信力や柔軟性など、社会で活躍できる人材となる基礎の力を育むのが本コース。進学においては総合型選抜や指定校推薦へつながると考えています。
真に学べる人を育てる「特別シンガクコース」
このコースは勉強と青春の二刀流です。学べる人の育成を目指すとともに月1回の行事を設定するなど高校生活を楽しむことも忘れない、理想の高校生活に向けて挑戦します。
今回のコース編成では、『ナワガクの挑戦!』として、教師もチャレンジを続けています。そのひとつが授業の質の向上です。今回、授業時間を全コース6時間で終了にしたのも、この取り組みのひとつ。わかりやすい授業を展開し、授業がおもしろいから集中できるという仕組みで効率化を目指しました。また週に3時間分の授業をオンラインで、自宅でもどこでも受けられるようにしました。
生徒には勉強の計画の立て方や進め方まで指導し、教師は伴走しながら「学び方」をサポートし、真の意味で学べる人を目指します。ナワガクで身につけた「学び方」は、大学進学後も、社会人になっても使える一生モノになるはずです。
<取材を終えて>
新コースからは、さまざまな経験を通してたくさんの新しい自分に出会えることで自己肯定感が高まり、未来を生き抜く原動力につながるように感じた。取材の冒頭で話が盛り上がったのは、新パンフレットの制作話。表紙を開いたページには、「挑戦がキミの人生を素敵に変える!」とのメッセージとともに、生徒たちが一丸となって、未来に向かって走るイメージ写真が掲載されている。よく見ると教師も一緒に走っている。さらには「待って~」と言わんばかりに、一団の最後を走っている先生がいる。「教師は生徒の伴走者として、一緒に走る存在」と言われていたことが表現されているし、生徒が勢いよく大人を抜いていく爽快な未来感があった。ナワガクのコンセプトが詰まったステキな1枚だ。ぜひパンフレットを実際に開いて、このワクワク感を体感してもらいたい。