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関東国際高等学校 

スクール特集(関東国際高等学校の特色のある教育 #6)

オンライン授業で広がる世界、新たな多言語教育とは

英語以外にも6言語が学べる関東国際高等学校。コロナ禍で海外との行き来ができず、リアルな場での交流が難しくなっている。同校が目指す「世界とつながる教育」をどのように実現しているのだろうか。

海外交換留学や短期での海外現地研修、世界教室国際フォーラムなどが相次いで中止された同校。休校措置を受け始まったオンラインでの授業に、外国語を学ぶ学校にとっての新しい可能性を見出したという副校長の黒澤眞爾先生に話を聞いた。

学校教育のオンライン化は国際交流の深化につながる

「オンライン授業はやってみるととても大変でしたが、新しい可能性があるのではないかと思います。実際に授業を展開してみると、コミュニケーションツールとしてオンラインを使っていくことは、私たちのような外国語を主に勉強してもらうような学校には、非常に有効だということがわかってきました」(黒澤副校長先生)

「世界につながる教育の実践」を教育目標とし、現在21の国と地域にパートナー校がある同校。通常であればそれらのパートナー校との間で、交換留学や現地研修が行われているはずだが、現在はすべてストップ。生徒たちのリアルな渡航は見えてこない。そのつなぎはやはりオンラインを活用するしかないとオンラインを通してコミュニケーションを図っている。これまではその場に行かなければできなったことが、オンラインを通して行かなくてもできることがたくさんあることが分かってきたのだ。突き詰めると、オンライン授業の先にあるのは、世界とつながる教育という同校の教育をいかに生徒たち自身が構築していくかということにつながると黒澤副校長先生は言う。

例えば、韓国語の授業で、韓国の今の状況をリサーチするとなれば、オンラインを使って留学したときの友だちに連絡をし、リサーチしてもらう。もちろん韓国語で。そういったことが瞬時に行えるのもオンラインならでは。また、ベトナムの提携校とズームを通して合同授業をする。ベトナムの生徒と先生、そして日本の生徒と先生が一堂に会し、ベトナムの状況を聞いてみる。生徒たちは普段の授業より、生き生きと楽しそうに授業を行っているそうだ。一定期間現地に行かずとも、一度行ってできた友達を自分の財産として活かすことが可能で、自分の経験を大切にするということを生徒たちは理解し始めたようだ。日常の授業の中で、オンラインを通してこのようにつながれるということは、ある意味、世界が近くなることだとも言える。コミュニケーションにこだわって教育をしてきた同校にとって、オンラインは新たなコミュニケーションを生み出す有用なツールになっているようだ。

「それに、生徒たちの自立心や深堀する力がついてきたように思います。オンラインというコミュニケーションツールを手に入れて、自分で情報を得て、今あるハンディキャップを乗り越えようとしています。海外の大学はZoomでの説明会を実施していますが、そういったものも自分で探してやっていますね。また、高校1年生は留学の経験がありません。ですから、2年生、3年生のような海外での経験という財産を持っていない。しかし、実際に体験するときには、オンラインで学んだことを基礎として更に深い交流ができるだろうと思います」(黒澤副校長先生)

▶︎副校長 黒澤眞爾先生

オンライン授業の活用でより深い学びが可能に

分散登校中の同校の授業は、課題や動画の配信、Zoomでの授業、登校しての授業の3つを組み合わせたハイブリッド型だ。課題や動画の配信で予習を行い、学校で授業を受ける。すでに予習してきた内容だから、生徒たちは授業内容がよく理解できる。更にZoomの授業では対面授業でやったことを深堀りし、調べてきたことやグループワークの発表をするなど発展型の学びとなる。より、深い学びが可能になるわけだ。

「自然とこういう流れになりました。学びが深くなると、合理的になる。時間内に詰め込んでいた授業も、余裕をもってできるようになるでしょう。Zoomを使った授業は学校でも可能なので、そのまま継続して行えます。学校にタブレットを持ってきて、ベトナムとつないだり、ほかの国とつないだり。そうして、チャットで意見を言い合うなど、新しい形で授業が行えるのではないでしょうか」(黒澤副校長先生)

外国籍の生徒も数多く在籍し、国際色豊かな関東国際高等学校。教室の黒板の落書きにはいろいろな言語が書かれており、お互いが学んでいる言葉を教え合っていたりするという。また、生徒たちのスマートフォンにはさまざまな言語が入っており、SNS上では日本語、タイ語、中国語、韓国語、ときどき英語などが入り混じっているそうだ。Zoomを使った授業では、多くの言語が飛び交っているのかもしれない。

英語だけではなく、いろいろな言語に興味を持ってほしい

文部科学省の学習指導要領には言語を学ぶ重要な柱として、「外国語の背景にある文化に対する理解を深める」という内容がある。中学生、高校生の時期に外国語を学ぶということは、ツールとして技術的に身に着けるということ以外に、さまざまな文化への寛容度を増すという大きなテーマもあるという。英語だけでなくいろいろな言語があり、その言語の裏にはさまざまな文化があることを知ることも外国語を学ぶ目的の一つだ。文化があるからこそ、言葉があるとも言えるだろう。それぞれの母国語でコミュニケーションをとることが、ある意味、正当な異文化の理解の仕方だということを、中学生、高校生のうちにわかってもらうことが大事だという。

関東国際高等学校には英語以外にも近隣語として中国語、ロシア語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語の6コースがある。英語の授業も英語以外の授業も週6時間。生徒たちは2つの言葉を学び、習得している。生徒たちは英語の使い道と英語の有用性、相手の母国語やローカル言語の有用性を理解して、TPOによって使い分けている節があるという。

「言葉を使う先のことがイメージできていないと語学を学ぶ意味はないのかもしれません。単なるプライベートな意味でのコミュニケーションを楽しむことを目的とするのではなく、何のために相手の母国語を使ってコミュニケーションしようとしているのか、きちんと明確に見えているということが大事です。これからは、目的によって4技能を使い分けるという、本当の意味での使い手が求められてくるのではないでしょうか」(黒澤副校長先生)

最後に、オンライン学習やオンラインでのコミュニケーションが主流となっていても、留学はなくならないと黒澤副校長先生は言う。留学や人的交流の大切さを各国の教育関係者は理解している。特に、人との信頼性という点においては、やはり、オンラインでは限界を感じている。ともに感じ、ともに過ごし、ときには喧嘩したりしながら、心の交流を育むこと、信頼関係を築くことは、やはりオンラインでは難しい。いずれ、新しいルールが作られ、各国の交流が始まるに違いないと黒澤副校長は見ている。

「中学生の皆さんには、いろんな言語を勉強しに来てくださいと言いたいです。当校に来る生徒たちは本当に言語を使うことを目的に入学してきているわけですから、何としてでも、学んだ言語を使わせます。オフラインがだめならオンラインで。実際に学んだ語学を使って相手からちゃんとしたリアクションがあれば、それが自信につながります。自信になればもっとやってみようと次につながります。そういう経験を通して、高校で豊かな言語活動ができるというのは、生徒たちにとって、豊かな3年間になるのではないかと思っています」(黒澤副校長先生)

<取材を終えて>
国際色豊かな学校だけあって、休校時の対応が生徒が日本にいるかどうかの確認からだったというのには驚いた。世の中にネットというものが存在し、このような状況でも世界とつながれるのはありがたいことだと実感。また、海外で学ぶ意欲のある子どもたちが減っていないという話を聞き、たくましさを感じた。以前と同じようにとはいかないのかもしれないが、早く海外へはばたける日が来ることを願わずにはいられない。

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