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きんきだいがくふぞく

近畿大学附属高等学校 

スクール特集(近畿大学附属高等学校の特色のある教育 #1)

未来を生きる力を育む「キャリアデザイン教育」

2020年より導入される大学の新大学入試制度にも対応し、時代が求める教育を先んじて推進している近畿大学附属高等学校・中学校。その中心となるものが、「キャリアデザイン教育」。その教育の特徴とは?

日本有数の総合大学・近畿大学の附属校として、70余年の伝統を誇る近畿大学附属高等学校・中学校。つねに時代の先を見据えながら、知・徳・体の調和のとれた全人教育により社会で信頼され活躍できる人材の育成をめざしています。

同校では現在、21世紀に対応する教育として、ICT活用教育とともに、「キャリアデザイン教育」を推進しています。

今回、近畿大学附属高等学校・中学校の教育の特色について、教務部長の志船先生にお話をうかがいました。

近畿大学附属高等学校・中学校 教務部長 志船 八郎先生のお話

自分の未来を自分で設計する力

はじめに、本校では近畿大学の附属校としての教育と、国公立大学等をめざす進学校としての教育の両方を行っています。将来の目標に応じて中学校入学時から3つのコースを設置し、早い段階から目標の実現に向けて着実に学んでいきます。例年、生徒の約半数が近畿大学へ進学し、約半数が受験により他大学へ進学する、ハイブリッド型附属校です。
2020年より導入される大学の新大学入試制度にも、確実に対応します。本校では新大学入試制度も含め、時代が求める教育を先んじて推進しています。その中心となるものが、「キャリアデザイン教育」です。

生徒の中に自分の未来を自分で設計する力を育てたい。そして、21世紀の社会を力強く生きる力を育てたい。それが本校の推進する「キャリアデザイン教育」の大きなねらいです。そのために、思考力や表現力、探究する力や意欲、人と話し合う力などを高めていきます。これらの力は、自ら未来を築くための土台となります。将来どの世界で生きようとも、21世紀の社会ではこれらの資質・能力が求められます。
「キャリアデザイン教育」は、すべてのコースで、各教科の授業や課外活動などを通して行います。中高6年間のうち、とくに中学校でこの教育に力を入れてい ます。

ICT 環境の向上

「キャリアデザイン教育」を充実させるため、ICT*環境の向上に努めています。中学校では2014年度より、全生徒にiPad を持たせています。学校からの連絡のみならず、学校生活のあらゆる場面で活用できるポータルサイト「サイバーキャンパス」や、教師と生徒の双方向型の学習環境を実現する授業支援ソフト「ロイロノート・スクール」などを利用することによって、自分で考え、自分で判断し、自分で表現する力を育成することに役立てています。また、中・高の全教室にプロジェクター(電子黒板機能付き)を設置しています。さらに、全教室の黒板をホワイトボートに変更しました。このことにより、より効率的な授業の展開が可能となり、本校のICT教育はさらに進化します。
*Information and Communication Technology

ICT を活用した「キャリアデザイン教育」

「キャリアデザイン教育」の実施形態の一つとして、授業では ICT を活用しながら、生徒が主体となって活動的に学ぶアクティブラーニングを行っています。ICTは、「キャリアデザイン教育」の実践に大きく役立ちます。

たとえば、生徒が iPad を用いて課題などを提出することで、教師のiPadには、 生徒全員の提出物が集約されます。授業中にそのiPadを電子黒板に接続すれば、 全員の解答を生徒たちが共有することができます。生徒たちはそれらの解答を比較しながら、話し合いや、意見の発表などを行っています。

これまでは、プリントなど提出物の回収・返却に物理的な手間がかかりました。 ましてや生徒たちの解答を授業時間内に全員で共有することは、ICTを活用しない限り容易ではありません。ICTの活用によって、手間や時間が節約でき、授業の効率化が飛躍的に進みました。その分、自分で考える時間を充実させることができるのです。

個別指導も丁寧に

生徒の個別指導にも ICTを役立てています。たとえば、国語の文章指導では、 教師は原稿用紙に書いた模範の文章を配信し、生徒は各自のiPadで見て参考にしながら、原稿用紙に文章を書きます。できあがったらそれを iPad で撮影し、 教師に送信します。教師はiPadの画面上で生徒の文章を添削し、送り返します。 また、ノート指導では、教師が授業のポイントまとめたものを配信し、生徒はそれを見ながら授業を振り返り、ノート整理をします。それをiPadで撮影し、教師に提出します。

このように、個別指導においても生徒と教師が1対1の関係を築くことができ、一人ひとりに丁寧で迅速な指導ができます。アクティブラーニングは、個人の基礎学力の裏打ちがなければ形骸化してしまいやすい学習スタイルです。中学校では個別の基礎・基本の指導も大切にします。 また、近畿大学への内部進学希望者は、高校 3 年次に約1万字の卒業論文に取り組みます。新大学入試制度においても、「表現する力」が重要視されています。本校では、ICT を活用し、中学校段階から文章指導などの個別指導をきめ細かく行います。

学校でなくてはできない学び

ICTの活用により、場所や時間を問わずに学ぶことが可能になった現在、私たち教師が考えなくてはいけないことは、「学校でなくてはできない学び」です。 それは、「集団」を活かした学びです。一人では学べないことを、学校で学ぶ。 教師はそのことを意識し、それぞれ創意工夫して「キャリアデザイン教育」を実践しています。

たとえば、反転学習により生徒間で学び合いをします。反転学習とは、次回の授業で扱う内容を生徒に伝えて予習させておき、授業では発展的な学びを行うものです。教師は予習用の授業動画を作成し、生徒に配信します。生徒はiPadでそれを見て、予習しておきます。そして、実際の授業では発展的な内容を取り上げ、生徒同士の学び合いを行っていきます。

「相談タイム」を設ける教師もいます。教師は「ノートをどうまとめればよいか、 立ち歩いていろいろな友だちと話し合おう」と声をかけ、生徒の学び合いをうながします。
理科では生徒が先生役となり、授業をさせてみました。生徒は戸惑い、苦労し、グループで説明の方法を話し合います。教わるのと、教えるのとでは、まったく異なることを実感したことでしょう。戸惑いながらも懸命に考えることとこそが、キャリアデザイン教育の目標とするところです。

新しい評価法への転換

もはや生徒が前を向いて座っているだけの授業ではいけません。生徒が体験する、討議する、調べる、発表するなどの能動的な学習が大事です。能動的とは「脳」 動的。生徒の脳に定着する学びです。そして、ともに学び合うことで、自分を高めることができます。 そのために私たち教師は“ティーチャー”ではなく“ファシリテーター”にならなくてはいけません。生徒同士の学び合いを促し、支援する“ファシリテーター” としての役割を、私たちは担っていきます。

こうした改革は授業に留まりません。成績評価の方法もこれまでとは変えています。従来はおもにテストの点数で評価していました。それに対して、授業中の生徒の主体的な学びも積極的に評価することが大切です。調べ学習や協働学習、 レポート作成、発表などを平常点としてしっかりと評価します。それによって、 生徒の授業への意欲も高まります。

「クエストエデュケーション」の取り組み

「キャリアデザイン教育」はいろいろな機会に、さまざまな手段を用いて行うこ とができます。ICT は有効な手段ですが、それがすべてではありません。さまざまな学び方を、私たち教師自身が考え、実践しています。 たとえば、新たな学びとして、2016年度から「クエストエデュケーション」 *の取り組みを始めました。 第1回目の今年度は、中 2・中 3 を対象に希望者を募りました。22 人の生徒が参加し、現在、部活のような雰囲気で放課後などに取り組んでいます。

*全国の中学・高校生を対象とする課題探求型学習プログラム(株式会社教育と探究社主催)。グループまたは個人で企業探究や進路探究に 1 年間かけて取り組み、集大成として「クエストカップ」に挑む。企業探究では、株式会社カルビー、オムロ ン株式会社、株式会社クレディセゾン、大和ハウス工業株式会社、株式会社テレビ東京、 富士通株式会社の 6 社が協力。

インターンシップを校内で体験しながら課題探求

「クエストエデュケーション」で、本校の生徒は「企業探究」に挑戦中です。実際の企業のバーチャル社員となって、企業からのミッションをチームで遂行します。アンケート調査や報告プレゼン、さらに商品開発など、企業からアドバイ スをもらいながら、約1年間かけて活動します。最後に企業による審査を受け、 優秀賞を受賞したチームは、「クエストカップ」の全国大会に出場し、プレゼンテーションを競います。

「クエストエデュケーション」では、企業のインターンシップ制度を校内で体験しながら課題探求をすることができ、それによって働くことの意義や、企業活動について生徒自ら学ぶことができます。

また、「クエストエデュケーション」の取り組みのなかで、目の前の課題について自分が何をするべきか、好奇心をもって模索してほしいと思います。目的意識や意欲を自らもつことが大切です。それが将来の進路実現につながります。

21世紀を生きる力を育てる

「キャリアデザイン教育」は、2020年から始まる新大学入試制度にもしっかりと対応することができます。新入試の筆記試験では、知識の活用力を見るために複数の教科にまたがった出題が予定されています。たとえば数学や理科、地理で身につけた知識を動員して、一つの課題を解くなど。

「キャリアデザイン教育」として、生徒たちは教科書を越えて発展的に学ぶ活動を行っており、教科横断型の筆記試験に対応する力を高めています。
また、AO入試や、国公立大学の2次試験の論述や面接などにも、「キャリアデザイン教育」の学びが活かされます。

生徒たちは大学選択や職業選択など、一人ひとりが自分の生き方を考え、設計しなくてはいけません。さらに将来、大学での学びや仕事など、あらゆる状況で目の前の課題と向き合い、自ら考え、人とかかわりながら解決しなくてはなりません。そうしたとき、本校での学びを活かしてほしいと思います。生徒が 21 世紀をたくましく生きる力を、私たちは自信を持って育てていきます。

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